4月23日-13
間に合いました。
ディザスターは体をねじるような奇妙な構えを取る。
息をのみ、一歩下がろうとして踏みとどまる。
「何とかしないとな」
こっちの剣の修復はまだまだかかる。
今は使えないので鞘ごと格納して両手をフリーにする。
そしてあと一歩下がったら壁際に押しやられる。
「なにができるかやって見せろ!!」
そんな言葉を向けられる。
相手は歯を剥くような笑みを浮かべている。
身体のねじれを開放させながら全力での踏み込みと横からの斬撃。
受ければ弾かれて、踏み込めば体当たりで押し込まれる。
だから拳を振り落とした。
飛んでくる曲刀の側面に当て、下にそれた曲刀の切っ先が地面に突き刺さった。
「ほぅ」
踏み込みの勢いで刀身の半ばをへし折りながらディザスターが体当たりを仕掛けてけてくる。
だからこちらは深く腰を沈め膝のあたりを抱え込むようしてタックルを行う。
「そうすると――」
ディザスターは大して抵抗せずタックルを喰らい、倒れ込んで俺に馬乗り状態になる。
そのまま逃げる余地がない状態で殴られる。
「こうなるぞ!!」
ハンマーで殴られるような衝撃が入る。
そのたびに地面にめり込むような――いや、実際にめり込んでいる。
「確か――」
記憶を頼りに手を伸ばし、見つけたそれをつかんでディザスターに突き刺す。
「ぐ!!」
それはさっき折れた曲刀の刀身だ。
折ってすぐの場所で殴られているので賭けに勝った。
「もう少し!!」
泥をかき分けるような手ごたえを感じながら傷口を広げる。
さすがにディザスターもこのままではまずいと感じたのか跳んで離れた。
表情は憎々し気だ。
「手癖が悪いな」
「必死だからな」
そのまま逆手で構える。
その重量は見た目の何倍も重く、ずっしり程度ではない重さをしている。
ディザスターは右手に握った長さが半分ほどになった曲刀を一振りして整形した。
「まぁいい、一度しのいだだけだ」
と言って突きを放ってきた。
とっさに折れた切っ先で受けようとして、あることに気付いた。
ディザスターが笑っている。
なので掴んで止めた。
腰を落とし何とか受ける。
「相変わらず勘だけは鋭いな」
「な にが?」
必死に耐えながら言葉を返す。
するとディザスターが答えを返す。
「知っているかどうかはわからんが、ウランは純度と重量によっては勝手に核分裂がスタートし臨界状態に移る」
「???」
いきなりの解説にちょっと頭が追い付かないので閉口する。
それを知ってか知らずかさらに言葉を続けてくる。
「こっちの剣とオレの構成素材にちょっと手を加えて、打ち合わせればその場で核分裂でズドンだった、よかったな三発目の核爆弾を破裂させなくて」
「は!?」
何を言っているかよくわからないがただわかるのは間一髪だったということだけだ。
もう一つ分かるのが、俺が握っている刀身は絶対に使ってはいけないということ。
身体とはっきり言ったということはこれを突き立てるのもアウトということだ。
「なるほどな」
とつぶやいてゆっくりと地面に刀身を置く。
後手に回っている気がするがそういう後ろ向きな考えは無視をする。
後手であろうと戦えているのは確かなのだ。
視界の端のタイマーを見ると剣の修復はもう少しだけかかりそうだ。
「ところで一つ分かったことがある」
「なんだ?」
さっき初めてクリーンヒットさせたからわかったことだ。
「お前、かなり柔らかいだろう」
「ほぅ」
口の端だけを上げる特徴的な笑い方をした。
考えてみれば元は津波の性質を持っていた巨人だ。
なんども変形を重ねたとはいえおそらく芯はそれだ。
となると――
「さっきの手ごたえでわかった、お前の体は泥と瓦礫だ」
「それがわかったところでどうなる?」
余裕さえ感じる口調でディザスターは話す。
それに対して右手を引き、腰を軽く落とし構えながら。
「拳で十分すぎるほどダメージが与えられるということが予想がつくだけで十分」
そして、体を作り替えるという話を聞いてあること思いついた。
それを試すためにジリジリと距離を詰める。
ディザスターは喉の奥だけで笑いながら。
「まぁ、いいさしねぇ!!」
引き絞るような構えからの鋭い突きがまっすぐ飛んできた。
明日も頑張ります。
見返すと誤字脱字等が多いので折りを見て少しづつ直していきます。




