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4月23日-8

間に合いました。

 破裂音が響く。

 同時に巨人に吸い付けられる。


「くそっ!! ()()()()


 グレイゴーストのようにすべての挙動が音速越えのような圧倒的なパワーはないが、パンチだろうとキックだろうと()()()に強烈に引き寄せられる。


 同時に瓦礫も吸い寄せられて正面からの直接的な暴力と背後から襲ってくる不意打ち。

 それを体勢を崩されて受けなければならないためとても戦いづらい。


「全くダメージが入らないのに苦戦してますね」


「痛くないけどクリーンヒット喰らったら中身が多分ただじゃすまない」


 そこまで言うと、リーパーは納得した様子だ。

 言いながら器用に飛んでくる瓦礫を飛び石をするように渡って、手ごろな瓦礫を軌道修正して直撃コースに変えている。

 が、丁寧に一つずつ処理をしている。


「戦い方の質が変わったみたいですね」


「ああ、厄介なことにな」


 引き寄せるときの力に乗るとワンツーの要領で真正面からクリーンヒットされるし、かといって近づかないことにはどうしようもない。


 一発二発喰らうことを覚悟すれば至近距離まで至れるだろうけど、無駄なダメージのような気がしてならない。


 そうこうしている間に直撃ルートに乗せた瓦礫をリーパーが飛ばしている。

 そしてたまにこちらをチラチラ見ている。


 その光景を見てあることを思いつく。


「リーパー、一つ頼みたいことがあるんだけど――」


「巨人への直撃ルートに乗せてほしい、といったところでしょうか?」


 相変わらずの鋭い読みに目を剥くが、話が早いことはいい事だ。

 だから素直にお願いすることにする。


「できるか?」


「ええ、ただ私の事がを信じてくださいね」


「わかった」


 即答すると、驚いたようにこっちをじっと見ている。

 何事かと思っていると。


「えらくあっさり了承しますね」


「淡雪がお前は裏切らないと太鼓判を押したからな、その言葉を信じるよ」


「なるほど、妬けますね」


 クスクスと笑いながら体軸を大してずらすことなくこちらにやってきた。


 こっちはただ飛び回って避けるだけで精いっぱいなのに、死角から飛んでくる瓦礫をすべてよけながらだ。


「では合図に合わせてとにかく全力で前に加速してください」


「わか――」


 というとした瞬間、腰のあたりに平手を当てられ、ねじられるような力が全身に伝えられる。


「いまです!!」


 言われたので少し進行方向の軸がずれている気がするが、言われた通り全力で間に加速する。


 すると、巨人の拳をあっさりと避けて懐に入れた。

 ただ前進していただけなのに、らせんを描くような軌道だった。


「本当どんなレベルの達人なんだか」


 目の前には巨人の無防備な首。

 完璧すぎるタイミングだ。


 だから鞘から剣を抜き打ち、首を一閃する。


「G ぐragalagaralka!!」


 暴れまわろうとするので、さらに踏み込んでもう一閃して首を斬り落とした。


 そこで体の方が一度けいれんを起こして崩れ落ちていく。


「あと何回かな?」


 納刀して眺めながら訪ねる。

 するとリーパーが答える。


「あと二回くらいでしょうけど」


 そこでいったん言葉を区切って、


「これはまずいですね」


「え?」


 言われて崩れていく巨人を見るが一向に直っていく様子がない。


「これは直接向かった方がいいかもしれませんね」


「どこへ?」


 即答される。


()()()()()()()()()()です」


 その言葉に血の気が引きながら言われた場所に急行することにした。

明日も頑張ります。

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