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4月23日-6

間に合いました。

 天を衝くほどの巨人が立ち上がる。


 一拍――


「GAGAががgagaqraagga!!!」


地面が揺れるほどの咆哮が来た。


 いや、実際に地響きがしている。


「これって、地震か!?」


「まぁそうでしょうね」


 同時に地面から水があふれ始めたので空に飛びあがる。

 液状化現象まで起き始めている。


「まずいな」


 俺たちは空を飛べるから問題はないが、建物が水没するように倒れていく。


 被害がなすすべなく広がっていく光景は胸の奥に重くのしかかる物を発生させる。

 しかし、今はとにかく倒すことが先決だ。


 大きさとしては海の上でのキロメートル単位としか見えない巨人は明らかに小さくなっている。

 搭載された人工知能に計測させるとそれでも一キロ以上の身長だが。


「なんで小さくなっているんだ?」


「一度破壊した扱いだからでしょうか?」


 とリーパーが答える。


 どういうことかわからずに聞き返す。


「どういうことだ?」


「大まかな感想ですがあの巨人は大きさが約三分の一になっています、一片の長さが三分の一になると体積で訳三十分の一になります、そしてこの数値はマグニチュードが一違った場合と等しいですね」


 そこでリーパーは言い切った。


「あくまで私の勘ですが、破壊するたびに小さくなっていきます」


「そして最後は小さくなって消滅するわけか……」


 後になればなるほど楽になるが、とにかく今何とかしないといけない。


「さーてどうしようか?」


 つぶやくが正直なところ大きなものを破壊するのには向いていないのでとりあえず斬りかかってから考えようとすると――


「あ、山上君、そこ危ないですよ」


「は?」


 と言っている間に爆音が響いた。


「うわっ!!」


 思わず大きく距離を取った。


 そうしている間にも次々轟音――()()()()()()()()が連続する。


「あれって――」


「イージス艦の艦砲射撃ですね」


「聞いてないんだけど?」


 と抗議の意思を込めてリーパーににらむと、クスリと小さな笑いだけ返される。


「元々言われてなかったですし」


「ひどくない?」


「元々は警戒に当たるだけの役だったみたいですが、ちょうどいい位置にいたからでしょうね」


 陸上兵器とは比較にならない火力らしく当たるたびに泥細工のように着弾した場所が爆ぜていく。


 その光景を少し離れて眺めていると、ふと疑問に思ったことを聞く。


「そういえば見たところ海の上とは違って当たった場所はちゃんと砕けているように見えるんだけど……」


「おそらく、陸についたからでしょうね、たどり着くまでは不死身ですがたどり着いたらその強化は消えたというところでしょうね」


 正直なところあまりピンと来ていないが、ダメージが入っていることは確かなように見える。

 なので、そういうものかと納得することにした。


 煙の向こうにはもうかなり小さくなった。

 それでもグレイゴーストほどの大きさはあるため十分驚異的な大きさだ。


「ぐらぐあらgたうああtらっ!!!!!」


 一歩怒りを込めて踏み込んだ。

 すると、液状化現象を起こしている地面が波打ち、アンダースローをするように地面をえぐりながらアッパーカットを放つ。


 それは見当違いともいえる行動だが――


「なにあれ!?」


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()


 そして散弾のようになった瓦礫がイージス艦が存在する方向に飛んで行った。


「あぁぁぁたらがらがrた!!」


 その叫びは勝どきのようだ。


 目にはこちらに向けて明確な敵意が宿っている。


 それなりに戦えていたグレイゴーストより一回り小さい。

 それがせめてもの救いだと強く信じて鞘に納め剣の柄に手を置いた。

明日も頑張ります。

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