4月23日-5
間に合いました。
2019/09/19 誤字を直しました。
穂高さんに連絡を取ったが体の割に早いので、船などを狙う大きなミサイルは使えないそうだ。
基本的に赤外線による探知で命中させるので、エンジンなどの当たる物がない巨人を狙うのは難しい。
沿岸側に飛んでいる複数の航空機からの支援は絶望的だ。
「ああ!! もぅ!!」
だからとにかく急ぐ。
一応こちらの方が早いので追いつくことは難しくないが――
「どうします?」
と、どこか余裕のある表情で話しかけてくる。
背に腹は代えられないので応じる
「考えがあるのか?」
「もちろん」
「なら頼む」
ええ。
整ったほほえみを浮かべて連絡をする。
「戦闘機のみなさん、私に向かって対艦ミサイルを撃ってください、三発一秒ずつずらしてお願いします」
「は!?」
驚いている間に巨人の前に出る。
そしてどこかから取り出した発煙筒――燃えて光と煙をあげる物を焚いている。
どこか戸惑うような空気を感じるが、はるか遠くからミサイルが三発順番に飛んできた。
それは一瞬きもしない間にリーパーに着弾――しなかった。
「よいしょ」
と軽い掛け声とともに、電柱のように巨大なミサイルの上面にかかと落としでもするように足を振り下ろして下方向に軌道修正させて、向かう先は巨人の左足。
腹に響くくぐもった音とともに左足が爆破された。
続いて同様に下にけり込まれたミサイルが右足に着弾。
海面に崩れ落ちるその瞬間に同様に顔面に着弾した。
「え?」
目の前で起きたことが信じられず思わず気の抜けた声が出た。
音速を超える精密機械を破壊することなく蹴って当てた。
しかも爆発させずそれを行うという神がかった身体操作だ。
「……性能低いって嘘だろ」
ハッキングなどで当てるのかと思ったら、大雑把な狙いでしかないミサイルに飛びつき物理的に軌道を修正させる。
常識的に考えてできるわけがないと言ってもいい動きだ。
「さて大分ダメージを与えましたが――」
全力で走っているところにつまずくような動きはまずかったのか、明らかに崩れた。
それは空中でぶちまけられて海に落ちて大きな水しぶきを上げる。
「この程度ではまだまだですね」
と、言っている間に崩れたパーツが組みあがろうとする。
見たところ大きなダメージはないようだ。
「なるほど、津波だから陸までたどり着くということですね」
「厄介な」
その言葉通りなら攻撃は無意味だ。
そして大きな被害が出ることが確定しているということだ。
数キロメートルの巨体が押し分けてきた波は想像したくもない被害を出すだろう。
今はまだ陸からそれなりに離れているから大きな被害は出ないだろうが――
するとリーパーがこっちを笑みを浮かべてみている。
何か考えがあるようだが、俺の言葉を待っているようだ。
そこであることに気付く。
「あ、そうか!!」
組みあがり続けてる体、そのパーツに近づく。
「組みあがるまで待つ必要なんてない、先に陸に運べばいい」
「その通り、どれか一か所でもたどり着けば津波はたどり着いたことになりますね」
半ば以上イチかバチかだし、こじつけに近いが破壊してもおそらく意味がないならそれくらいしか思い浮かばない。
なので手ごろな大きさのパーツらしきものを抱えて陸に向かって全力で飛び始めた。
=======================〇========
「これで!! どうだ!!」
掛け声とともに開けた場所にパーツを投げる。
それは地面にめり込み停止する。
全体的にはどす黒く、そしてたまに鼓動するように白い光点がつくそれは震えている。
「どうなる……」
息をのんで待っていると、バキバキと音を立てて成長し始めた。
そこでリーパーから連絡が入る。
「こっちは崩れ始めましたよ」
「勘が当たった」
と言って胸をなでおろす。
しかしここはあくまで津波をしのいだだけでまだまだ戦いは続くどころか本番だ。
まさか上陸前でここまでの危険が発生するとは思えなかったので焦った。
「さぁ、第二ラウンドだ」
と宣言し組みあがる前に斬りかかった。
明日も頑張ります。




