4月22日-8
なんとか間に合いました。
指定された部屋の前で剣を構える。
飛び込み、一太刀。
それで終わらせる。
とその時だ。
「いるんだろう?」
問いかけられたのでそのまま部屋をけ破って押し入る。
中には準備が済んでいる“ウォーモンガー”がいた。
「っは!! テキトーに言ってたのにかかるのはあたしは運が良い!!」
しまった。と思うがもう遅い。
相手は赤い大剣を担ぐような構えから釣り竿を振るように振り下ろしてくる。
一切スピードが落ちず天井を断ってくる。
「っく!!」
呻いて腕で受ける。
金属音が響き、床に足首までしずむ。
「あいっかわらずかったいなぁ!!」
そして蹴りをぶちかましてくる。
はやい。
と、そう思う。
速さ自体は大きく変わっていないが、早い。
打ち込みからの蹴りへの移行が早い。
「がっ!!」
そのまま床と水平に構えて突いてきた。
剣を立てて、割くように受ける。
軽い音とともに半ばまで切り落とした。
それは小さく断面が光りながら修復が始まる。
「っつ!!」
相手は舌打ちをしてさらに踏み込んでくる。
そして膝蹴りにうつる。
何かが変わった。
「何があったんだ」
つぶやき、腕をクロスさせて受ける。
体が浮きそうになるので腰を落として耐える。
その蹴り上げた膝を踏み込みに変えて、肘にはプラズマの光が宿っている。
「つなぎが前より早い!!」
その手数に対応するために剣を鞘に納めて手放す。
三秒に一回鞘に納めなければならないのは手数に追い付けず攻めることができない。
と思っている間に肘からプラズマジェットを吹きだして加速をつけた右ストレートを放ってくる。
「くっ!!」
ダメージこそないが受けたらのけぞり守勢に回り続ける。
だから、上体を丸めるようにして避ける。
「よしっ!!」
「何がだ?」
“ウォーモンガー”はそう言ってストレートを放ったはずなのに、すぐさま逆の左からのアッパーカットを放ってきた。
一瞬なにが起きたのか理解できずに直撃を受けて浮かされる。
すると見えたのはストレートを放った右手は開かれてそこからプラズマジェットを吹いている光景だ。
「くっ!!」
背後に全力で飛ぼうとするが――
何かにぶつかった。
壁だ。
そのせいで隙ができた。
「おらぁっ!!」
叫びと共に殴られる。
一人なら受け続けて策を考えることもできるが、このビジネスホテルには自衛隊員の方もいる。
フリーすればどんなことが起きるか想像に難しくない。
だから必死に割り込むようにして殴り掛かる。
「っは!! 腑抜けたそれでしのげるかよ!!」
防御力ならこっちが上だが、それ以外の総合性能は向こうの方に分がある。
だから当たり前のように押され始める。
「く!!」
こっちが一発殴る間に二発殴られる。
イチかバチかで全力で体当たりをかけて――
「だからそれが腑抜けなんだよ」
跳び箱を超えるように肩に手を置かれ飛びこされた。
そして、手には修復が終わった赤い大剣をもっている。
金属同士をぶつけ合うような音がして変形し大砲に変わる。
「ははっ!! このビル程度」
といいながら砲撃が始まる。
それを必死に受け止める。
ダメージこそないが水流を受けるように後ろに押される。
「あ!!」
床が溶解し始めた。
足首・膝と飲まれていく。
「さーてビルを真っ二つってなぁ!!」
そんな野菜を切るように気軽な口調で砲撃をし続けるそれを縦に一周させた。
通り道は溶解を超えて蒸発し――
ビル全体が崩壊していった。
そして大量の瓦礫が膝まで床に埋められ身動きでき出来ない状態で降り注いだ。
明日も頑張ります。




