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4月22日-6

間に合いました。

「場所は近くらしいけど……」


 雲の上を飛びながらつぶやく。


 雲の上は当たり前だが太陽光を遮るものはなく気持ちがいいほど透き通っている。


 そうして思い出すのは穂高さんの話だ。

 話の中では原因物質が特定されたそうだ。

 そこでの仕事はないそうなのでばらまいた犯人――ノスタルジストメンバーの確保に向かっている。


 そこで穂高さんに改めて連絡を問り、疑問に思っていることを聞いてみる。


「あ、穂高さん今大丈夫でしょうか?」


「大丈夫ですよ、大まかな仕事は一段落ついたので」


「ええとですね、一つ疑問に思ったことがありまして」


 相手はとても忙しそうにしているときがあったのでほっと胸を撫でおろす。


「ええとですね、ところでどうやってこんなに広範囲の家畜に一斉に広げたんですかね?」


「それはすでに判明済みですね」


 そこで一瞬言葉を区切り。


「そうですね、すこーし考えてみましょう、難しくはないので」


「はぁ……」


 テンションが少しおかしい気がするが、疲れているのだろうか?


「ヒントは発症は全域でほぼ同時だった、()()()()()()()()()()()()()、家畜たちの症状は吐き下しがメインでした」


「水とよくなじむというのは聞きましたが……」


 少し考えるがさっぱり思いつかない。


「見当もつきません」


「では答えです」


 こほん。

 と咳ばらいをして話始める。


「家畜へ飲み水を供給する給水塔が汚染されていました、汚染した方法はP-1が詰められた銃弾を高空から一発ずつ撃ちこんでいくという曲芸じみた方法で県内全域の家畜を汚染していきました」


「なるほど、夜明け前に撃ち込んでおいて、目が覚めた家畜が水を飲んで一気にやられたわけですね」


 寝起きの時間というならほぼ同時刻というのも納得できる。


「人を派遣して確認を取ったら、まだ真新しい穴が見つかりました、そしてその水からは高濃度のP-1が発見されたのでこれで間違いないともいます」


「あとは治療方法と封じ込めとばらまいたグループ――ノスタルジストの排除というところですか?」


 そこでため息を一つついて。


「それくらい単純な話だったらよかったんですけど」


 あからさまあため息が入る。


「県のお歴々が安全といわれた部屋に引きこもってしまして、その分の仕事の煽りが職員に直撃してしまって色々動きが鈍くて、解決策が見つかったとしてもそれを県の隅々まで行き渡らせるには今はちょっと手詰まりなのよね、逃げた『上』の方も思い出したように口を出すから結構厳しいのよねぁ……」


 通信の奥で頭を抱えている光景が目にい浮かんでくる。

 そこで穂高さんは声の調子を一転して。


「とにかくまず向かう先の相手の確保をお願いするわ、そうすれば色々楽になるし」


「了解」


 ここからさきはおそらくいかに早く相手を制圧できるかにかかっている。


 必要でないことは頭の隅に追いやり、気を引き締めてかかることにした。

明日も頑張ります。

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