表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/359

4月22日-2

なんとか間に合いました。

「では直近に起きると思われる平成の事件について説明するわ」


 と言って小さめの部屋で話し合いを始める。

 長机を組み合わせた六人ほどで囲める机といすが六脚。

 奥側にとある地方の地図が張られたホワイトボードがある。


 地図は宮崎県を中心としている。


「国としての大事件は他にもあるけれど広範囲に甚大な被害を出したという点では平成二十二年の宮崎県を中心とした口蹄疫の大流行、これが一番確率が高いと私は思う」


 すると青木さんが軽く手を挙げて。


「それは確かに僕も考えていたけど、他にもいくつかあった事件を差し置いてそれを選んだ理由を聞いてもいいかい?」


「これまでの傾向から、より大きいより被害の悲惨な事件を選んでいるということが考えられるの、そして何より意図的に広めるなら感染力の強い伝染病のパンデミックは比較的楽というのがありますね」


「なるほど」


 青木さんはその説明で納得したのかそれでおさめる。


 続いて穂高さんは地図の数ヵ所に丸をつける。


「いざ発生となったときにこの三ヶ所に自衛隊が展開し、本格的な対処に当たってもらう予定です」


 次に地図全体を囲み、封鎖という文字を書く。


「同時に主要な交通手段を封鎖し、最悪宮崎県全体を陸の孤島に変えます、どれだけ早く外への拡散を防ぐかにかかっています」


 すると針山さんが質問を投げ掛ける。


「野生動物はどうするんだ? 人の動きを抑えたとしても野性動物を介して他県に伝染病が広げられたらどうするんだ?」


「その可能性は薄いわね」


 疑問に思ったので聞き返す。


「何故そう判断したんですか?」


「家畜から野生動物に感染が広がるためには、家畜と野性動物が接触できないといけないわ」


 つまり、と前置きをして。


「何日も前から潜伏期間があったらその限りではないけれど、発生したその日に口蹄疫の媒介をする猪などの野生動物と接触する可能性は薄いわね」


「口蹄疫ではない場合はどうするつもりですか?」


 軽く考えている様子だ。

 するとーー


「最悪は人も家畜も関係なく伝染するような伝染病だった場合ね、その場合は確かに抑えきることは難しいわね。」


 なので、と前置きをして穂高さんは話始める。


「人が媒介することも考えた動員計画になるよう手を加えます」


 他に何か気になることは?

 と言ってきた。


 しばらく待ったが言葉が出てくる様子がないので、穂高さんはないと判断したのか話を続ける。


「基本的には感染の拡大の防止を目的として行動します、そしてーー」


 と言った辺りで穂高さんから着信音が聞こえる。


「このタイミングということは宮崎県の話ですね」


 そこまでは比較的余裕があった。

 か、次の瞬間サッと顔色が変わった。


「え!? 口蹄疫だけではない?」


 その言葉だけで今日の事件もまた一筋縄ではいかないようだ。

 と覚悟を決めた。

明日もがんばります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ