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1.プロローグ
弱小国家エイオルト。
強国に囲まれながらも独立を保つその国は国家最高戦力と謳われる戦士によって支えられていた。
この物語はそんな国家の事情とは裏腹に、国立魔法大学でボーダーライン生活を謳歌する一人の落第剣士の話である。
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「おい・・・これ本当にたった一人で覆したのか・・・?」
帝国歴1990年。弱小国家エイオルトは北部に位置する軍事大国からの度重なる侵略戦争によって、その国土を脅かされていた。
国境を要塞化することによって長年侵攻を拒んできたものの、圧倒的な物量と魔法技術力の向上によりついに国土への侵入を許そうとしていた。
国民の誰しもが敗北を疑わなかった。そして、国土と国名を奪われることを誰しもが受け入れようとしていた。
しかし、その戦争はたった一人の戦士が投入されたことで、劇的に戦局は変化し休戦へと導かれる。
その戦士の名は・・・