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05

仕事部屋で着替えた後、PCで確認しておきたい事が有った。


「邪神からの通信で忘れてたけど、ネットに繋がるか確認しておかないとな。俺は城から出られないし、他の連中は迷宮から出られない。完全に篭城戦になるから食料の調達が出来ないと・・・・・」


魔力の有る迷宮や城の中なら別に食事の必要は無いが、それはそれで味気ないし、一応腹も減る。それに服や日用品なんかも補充したい。

ブラウザーを立ち上げると画面に【迷宮をつくろうシステムとのリンクを確立しますか?Y/N】と出た。


「ん~何が出来る様になるのか解らないけど悪い事じゃないだろ・・・Yesっと・・・・・へぇ・・・買った物を宝箱の中身として配置出来るのか、面白いな」


迷宮産の生物は別階層へ移動させるか迷宮から出すと消えてしまうが、ドロップ品や宝箱の中身は消える事は無い。だが地球産の生物はどうだろうか?家畜を迷宮に配置しそれを外に出したら・・・・・


配置するオブジェクトやアイテム等をざっと見回していると何やら騒がしくなって来た。


「お、どうやら四天王達が来たみたい・・・・・ん?何か打撃音が聞こえた気が・・・・・あいつら何やってんだ?」


仕事部屋を出て十畳間へと向かうと、そこには窓際に正座させられている四人の男女と、その前に仁王立ちして四人を見下ろしているメイドが居た。


「良いですか、四天王とも在ろう方々が主の危機に間に合わなかったなど言語道断です!しかも理由が服を探していたなどと、恥を知りなさい!!」


説教をしているメイド、リトラは身長160cm位で肩程の金髪。眼の色は金で色白の、見た目は可愛いが黄金龍だ。


「だからって行き成り殴る事ぁねぇだろ!陛下に御会いするってぇのにパン一って訳にもいかねぇじゃねぇか!」


先ず反論したのは504号室在住で序列一位のギービル。身長195cmで長めの青髪で、浅黒い肌と黒目。


「そうだそうだ!兄貴の言う通りだ!リトラてめぇ、ちょっと力を得たからって横暴すぎんぞ!」


ギービルを兄貴と呼んだこいつは301号室在住で序列三位のティゲル。身長180cm白に近い銀髪で、薄い青に近い灰色の肌と赤目。


「うむ、確かに我らの落ち度では有るが仲間内で暴力はいかん」


こいつは405号室在住で序列二位のニクス。身長185cmで赤髪青目で肌は普通の肌色で、冷静沈着な武人と言った所か。


どいつもこいつも筋骨隆々とした災害級の上級悪魔だが、今はサイズの合わない服を無理やり着ている上に正座させられていてかなり情けない見た目だ。


「あんた等なんてまだマシよ!あたいなんて下着すら合わなくてシーツ巻いて誤魔化してんのよ!?」


最後にこいつは202号室在住で四天王唯一の女性の序列四位のデミス。身長175cm腰まで有るウェーブの掛かった黒髪に緑の瞳と茶褐色の肌。そして推定Eカップの巨乳だ。


「それでも見た目は一番マシでは無いですか。序列の上位三名がこの体たらく・・・・・全く嘆かわしい事です」


「おいおいリトラ、そこまでにしといてやれ。こいつら良く見てみろ、売れない芸人が子供服着て無理やり笑い取ろうとしてるみたいだろ。ここは怒る所じゃなく笑う所だ」


「フッ・・・確かにこれが四天王等と誰が信じるでしょう。嘲笑物でしか在りませんね」


「ぐっ!・・・リトラ・・・覚えて置けよ・・・・・陛下、この様な姿を晒してしまい申し訳有りません」


「気にすんなって。先ずはお前達の服を用意するから隣の部屋に行くぞ」


仕事部屋に全員で入りネット通販で服を買う事にした。


「先ずはギービルからだな。取り敢えず下着も含めて一人当たり上下三着位で良いか」


商品を買い物籠に入れて行き、リンクした【迷宮をつくろう】のシステムを使って配置する。配置先は『魔王城603号室』だ。

ボタンをクリックすると玄関の方でゴトリと音が聞こえた。


「お、上手く行ったみたいだな。ギービル、お前の分だ取りに行きな」


「有り難き幸せ。魔〝王〟様に〝キング〟サイズの服を下賜されると言うのは洒落が聞いてますな。わははははは・・・・・」


「面白くないのでさっさと取りに行きなさい。そしてそのまま自室でその見苦しい格好を着替えてくると良いですよ」


リトラの辛辣な言葉に項垂れながら部屋を出て行くギービルに、褪めた視線を送る残りの四天王達。

俺は言葉を掛ける事無く次々と注文していった。

ニクス、ティゲルと注文を終え、二人が着替えに行きデミスの番になったのだが・・・・・


「・・・・・デミスお前のブラのサイズいくつだ?」


「・・・あ、あの・・・・・・・い・・・Eなんじゃないかな~・・・・・」


「ハッ!本当ですかぁ?どこぞの上げ底聖女みたいに誤魔化しているんじゃないんですかぁ~?」


「し、知らないんだよ!今までちゃんと計った事ないし・・・・・それ位じゃないかなって」


「フッ・・・解りました。ご主人様、この私がこの女の罪を白日の下に晒してやります。さぁ、デミス此方へ」


リトラがデミスを連れて十畳間へと向かい、暫くして戻って来たがリトラは俯き、デミスは腰に手を当て勝ち誇った笑みを浮かべていた。


「ふぅ・・・・・何となく聞かなくても解ったけど・・・・・どうだった?」


「クッ・・・・・・・え・・・・・F・・・でした・・・・・・・」


「へっへぇ~んだ!陛下、使いたかったら何時でも言ってくれよ!」


「何言ってんだお前は?・・・・・ほれ、とっとと着替えて来い。全員揃ったらこれからの事を話し合うからな」


「へぇ~い」と言って部屋を出て行くデミスを見送り、何処に何が有るのか知りたいと言うリトラに案内をして皆の着替えが終るまで時間を潰した。

ここまで読んで頂き有難う御座いました。

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