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「それじゃちょっと行って来るからライラとケントを頼むわ。あ、そこのおたく!さっきは面白かったから許すが、ライラにちょっかい掛けてみろ、生きながらにして地獄を見せてやるから楽しみにしとけや」
「パンドラさんそれは僕の役目ですから譲りませんよ」
「じゃぁケントの後に俺もやるから楽しみが二倍だ!良かったなぁ、おい」
「ヒイイイィィィィ!!しません!絶対にしませんからご安心を!!」
なにやら物騒な事を言って彼はおそらく転移したのだろう、俺達の前から姿を消した。
マサトが何をやらかしたのか大体想像は付くが、俺は怖くて聞く気にはならなかったが、ふと疑問に思った事を二人に聞いてみた。
「あの~・・・お二人は彼とは長いんですか?なんて言うか・・・その~・・・大変聞き難いのですが、良く一緒に行動出来ますね?色んな意味で凄すぎて俺にはちょっと付いていけないですよ・・・ははははは・・・・・」
「そうですね・・・最初は何言ってるのか解らなかったりもしましたが、慣れればそうでもないですよ。全て『パンドラさんだし』で片が付きますしね」
「私は主様が基準だったから何とも思わないよ?」
うん。やっぱり彼等も色々おかしい事だけは解った。
「敵対しなければ問題ないですし、気に入った人には優しいですし、時には厳しく道を示してくれたりもますし」
「「ね~」」
何これ・・・当然惚気だしたよ・・・そういや新婚旅行とか言ってたっけな。若いって良いね、俺も新婚だけど人前でいちゃつくとか無理だわ。
二人の空気に当てられながらも生暖かい目で二人を見守る俺だった。
* * * * * * * * * *
チェスボードの様な白と黒のタイルが全面に張り巡らされた10m四方の部屋の中心に、直径2m程の魔法陣が刻まれた巨大な水晶球が浮いており、その水晶球を挟んで白と黒の椅子に座る女性が突然起こった予想外の自体に困惑しながらも言い争いをしていた。
「これはどう言う事なのかしら?あなたが手を抜いたのではありませんか?!」
白い椅子に座る金色の長い髪に白い肌をした女性は、正面の黒い椅子に座る褐色の肌をした黒髪の女性を射殺さんばかりの鋭い視線で睨み付けていた。
「冗談じゃないわよ!あたしだって行き成り魔王が消えた上にシステムとの接続が切れて驚いてんのよ!?あたしからしたらあんたが何かしたとしか思えないんですけど!」
「その様な小賢しい真似をするのは貴方しか居りません。正直に白状すれば許して差し上げますわ」
「ふざけんじゃないわよ!やっぱりあんたとは・・・って・・・何よこれ・・・・・」
二人の間に有る水晶球が徐々に光を失い黒く染まりその力を失って行った。
「どう言う事よ・・・・・これって外部からの・・・そんな・・・有り得ないわ・・・・・」
「外部からのアクセスなんて有り得ませんわ、あなたがミスしたのではなくて?」
混乱する邪神と邪神のせいにしようとする天神の言い争いが激化した所にパンドラが転移して来た。
「ちょいと邪魔するぜ、って趣味の悪りぃ部屋だなぁ。おい、てめぇ等だな舐めた真似してくれたのは。取り敢えず大人しくして貰うぜ・・・グレイプニル!」
二人が誰何する間も無くパンドラの両の掌から二人に向かって金と黒の魔力で編まれた縄が放たれ、瞬く間に二人を縛り上げた。
「な、何よこれ!って言うか誰よあんた!兎に角これを解きなさい!あたしにこんな真似して唯で済むと思ってんの!!」
「そうですわ!私を誰だと思っているのです!この様な真似が許されると思ったら大間違いですわよ!!」
ギャーギャーと五月蝿い二人を無視してパンドラは水晶球に手を触れ解析をして行く。
「・・・・・予想はしていたが、こりゃぁ俺のシステムより数段落ちるな・・・こいつらも吸収する価値も無いし。ケントとライラ連れて来て倒させりゃ良かったか・・・・・往復すんのもめんどいし、力を削いで二度と悪さ出来ない様にしてここに閉じ込めとくのも悪くない・・・・・あ、良い事思い付いた!」
「ちょっと!無視すんじゃないわよ!それに触るなって言ってんのが解らないの!?」
「それは神たる私達の英知の結晶!貴方如きが軽々しく触れて良い物ではありませんよ!!」
「五月蝿ぇんだよ雑魚共が!貴様等にはこれからこの俺様に迷惑掛けた罰を与えてやる!!」
「「ギャアアアァァァァ・・・・・・・」」
パンドラは水晶球を取り込み、足元に転がる二人をアイアンクローで締め付けながら持ち上げると掌から靄を出し、二人の魔力と記憶を吸収して行った。
二人の身体は見る間に縮んで行き、三歳相当の体格になるとパンドラは手を離した。
記憶の殆んどを失った二人はキョロキョロと辺りを見回し不安そうに呟いた。
「・・・ここどこ~・・・・・」「・・・おにいちゃんはだぁれぇ~・・・・・」
「俺はパンドラだ。そうだな、先ずは名前を与えよう・・・お前はミネルバ、お前はディアナだ。良いか、これを使って二人仲良く勉強するんだ、ちゃんと覚えたらご褒美にここから出してやるぞ」
元天神をミネルバ、元邪神をディアナと名付けたパンドラはシステムの一部、一般常識や魔術の基礎の詰まった10cm程の水晶を二人に手渡した。
「う~・・・おべんきょうきらいだけどがんばる~・・・・・」
「わたしもおそとにでたいからがんばるよ~」
「よし、良い子だ。暫く来れないけど、必ず迎に来るから仲良く勉強するんだぞ」
「「はぁ~い」」
元自称神で魔力さえ有れば死ぬ事は無いとは言え、何も覚えていない幼児を放置して行く鬼畜なパンドラだった。
ここまで読んで頂き有り難う御座います。




