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邪神からの通信が有った翌日、俺達は朝食の後に対策会議を行った。


「まぁそんな訳で、マサトには引き続き解析を行って貰うとしてだな、他の皆にはあらゆる事態を想定しての対策を練って貰いたいんだが・・・・・」


「そう言われましても・・・前提として何が起こるのかによって変わりますからなぁ・・・・・取り敢えず武器の用意でしょうか?我等と同等かそれ以上の者が現れた場合に対処出来る様な・・・・・・・買えるでしょうか?」


「・・・・・聖剣を持った勇者相手に目隠しして素手で立ち向かう位無理が有るだろ・・・・・ロケットランチャーとか通販で買えねぇよ・・・・・・・」


「しかし我等位になると状態異常も効きませんし、聖属性を除けば単純な物理攻撃が一番効きますからなぁ・・・・・」


「私がドラゴン形態になればそれなりに戦えると思いますが?」


「いや、狙われるのは俺だろ?そうなると城から出られない以上、室内戦闘になる訳だから広さが足りなくて動けないだろ」


武器の調達は政府に交渉してみる位しか思いつかず、30m級のドラゴンが十畳間に収まるとは思えない。

如何した物かと頭を捻っていると仕事部屋から警告音が鳴り響いた。

勇者が来たのかと立ち上がろうとするとリトラが「私が見てまいります」と言って仕事部屋へと向かったので座り直し、無い知恵を絞っているとリトラが慌てて駆け込んで来た。


「ご主人様!緊急事態です!屋上の結界が侵食されています!!」


「なっ!昨日の今日でかよ!早過ぎるだろ・・・・・取り敢えず屋上に向かうぞ!」


慌てて立ち上がり部屋を出ようとした所をギービルに肩を掴まれ止められた。


「お待ち下さい陛下、ここは我等にお任せ下さい。リトラよ・・・陛下を頼んだぞ」


「お、おい!待て!お前等勝手な真似すんな!くそっ!リトラァ!離せえええぇぇぇ!!」


部屋を出て行く皆を追いかけようとするも、リトラが抱き付いて前に進む事が出来ず、部屋の扉が閉まる音と俺の叫び声が室内に響いた。



  *   *   *   *   *   *   *   *   *   *



「ふぅ・・・中々の結界だったな。ん?・・・どうやらお出迎えの様だぜ、二人共先に手を出すなよ」


「「はい」」


パンドラ達が結界を破り屋上へ降り立つと、直ぐに階段を駆け上がって来る音が聞こえ、ギービルを先頭に四天王達が屋上へ雪崩れ込んで来た。


「むぅ・・・魔族でも天使でも無いようだが・・・・・貴様等一体ここに何用だ!返答次第では唯ではおかんぞ!!」


「おうよ!陛下に仇成す者ならば此処を通す訳には行かん!!」


ギービルとニクスの問い掛けにパンドラが口を開こうとした瞬間、マサトが二人の肩をガシッと掴んで間を割って前に出た。


「・・・待って下さい。二人供良く見て下さいよ・・・・・ふおおおぉぉぉぉ!!ケモ耳ですよケモ耳いいぃぃ!!まさか本物のケモ耳娘に会えるとはあああぁぁぁ!!しかも超可愛いじゃないですか!!お二人は〝可愛いは正義〟って言葉知らないんですか!?他の二人はどうでも良いですけど彼女が悪人の筈がありませんよ!!」


マサトが謎のおたく理論で捲し立て更に前に進むと、跪いて真剣な眼差しでライラに話し掛けた。


「・・・お嬢さん・・・・・尻尾とは言いません・・・せめてその耳をモフモフさせて下さいませんか?」


「・・・やだ・・・ケント君、この人怖い・・・・・」


ライラが青褪めた顔をしてケントの後ろに隠れる。


「・・・申し訳有りませんが、僕の妻に失礼な事を言わないで貰えますか」


「なあっ!!つ・・・妻だと・・・・・こ・・・このイケメンがあっ!!リア充もげろおおぉぉぉ!!」


「いい加減にしやがれ!このおたく野郎がああぁぁぁ!!」


「ぐぼあああぁぁぁ!!」


マサトがケントに襲い掛かろうとした瞬間、デミスの怒りのサイドキックがマサトの脇腹を捉え、マサトはくの字に曲がったままフェンスに激突しうつ伏せに倒れたのだが、直ぐにむくりと起き上がった。


「いやぁ焼きもちを焼くデミス様もかわゆすなぁ・・・ぐふぐふ・・・・・」


「お嬢ちゃん、うちの馬鹿がすまなかったね。興奮するとおかしくなるけど根は良い奴なんだ、許してやってくれないか」


「・・・ブハッ!・・・あははははは!何だこいつらおもしれぇ奴等だなぁ・・・ははははは!!いやぁ最高だよあんた等・・・ククク・・・あ~・・・そうそう、話を戻すが、俺達の目的は話し合いだ。この本に書いて有る事が本当なら力になりたいんだが、魔王の所に案内して貰えるかい?」


そう言ってパンドラはガイドブックに付いていた別冊付録をギービルに投げ渡した。


「む?・・・ああ、これに書いて有る事は真実だ・・・・・だが、それと貴様を信じる事とは別問題であろう」


「ああ、確かに行き成り現れて力になりたいとか言われても信用出来ない事は承知の上だ。でもなぁ・・・悠長に親交を深めている時間もなさそうだぜ。魔王は直ぐ下の階だろ?どう言う訳か魔王の反応が二つになってやがる」


「な、なん・・・だと・・・・・まさか・・・へ、陛下!今参ります!!」


慌てて屋上からの階段を駆け下りる四天王達の後を追い、パンドラ達も階段を降りて行くのだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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