43
ここからは私の別作品のキャラが出てきます。
気に入らない方は43-2まで飛ばして下さい。
暫くするとマサトが戻って来たので休憩がてら報告を聞いた。
「・・・逆探知は出来ませんでした。迷宮をつくろうシステムの一部にも使われている謎言語、あれと同じ物によるセキュリティが突破出来ないんですよ。兎に角この謎言語の解読が出来ない限りこれ以上の進展は無いと思われますな」
「そうか・・・ご苦労さん。しかし例の謎言語の解読か・・・・・こっちの世界の言語に似た様なのは無かったんだよな?魔界の共通語とも違ったし、何とかなりそうか?」
この謎言語は四天王やリトラとアクアにも見て貰ったが誰にも解らなかった。
「流石に専門外なんでかなり厳しいです。色々調べてみたんですけど一番近い物はルーン文字ですかね?プログラム言語とは思えないんで、直接的な文章と言うか呪文みたいなものじゃないかと僕は思ってます」
「呪文か・・・魔法言語とも違うんだがなぁ・・・言語学者とかに依頼する訳にも行かないし・・・・・まぁ無理の無い範囲で今後も頼むよ。解読出来ればこっちの世界への干渉を防ぐ事が出来るかもしれないしな」
マサトに頼り切りな自分に不甲斐なさを感じつつ、邪神から捥ぎ取った一年弱の時間が天神の出方によっては無に帰す事も有り得るのだから落ち込む暇は無いと、自分を奮い立たせ様々な方面からの対策を練る事にした。
だが後日、俺達にはもうそんな時間など残されていない事を思い知らされる事となるのだった。
* * * * * * * * * *
都内某所の路地から三人の男女が姿を現した。
先頭を歩くのは黒目黒髪の二十代後半位の男性。そして、その後ろを歩く金髪黒目の男性と青銀の髪と青い目の女性は二十歳前後と言った所だろうか。
今の日本では外国人など然程珍しくも無いのだが、この女性の髪はかなり目立つ筈だ。しかし何故か彼女に目を向ける者は誰も居なかった。
「・・・八年振りに帰って来たけど、相変わらずゴミゴミしてて空気も不味いな・・・・・さて、取り敢えず・・・あれ?」
歩きながら話していた黒目黒髪の何処から見ても日本人の男性が立ち止まり後ろを振り返ると、後を付いて来ていた筈の外国人二人は路地から出て直ぐの所で立ち止まっており、ぽかーんと口を開けて眼を見開き固まっていた。
「おいおい・・・お前等この程度で固まってんなよ、先が思いやられるぜ」
立ち止まって少し離れてしまった二人の外国人に日本人の男が苦笑いをしながら近寄り声を掛ける。
「・・・え・・・・・あ、ああ、すみません・・・思っていた以上に凄かったものですから」
「・・・ほんと・・・凄すぎて他に何て言ったら良いか解らない位だよね」
呆然としていた二人の外国人が我に返り、とても流暢な日本語で返事をした。
「まぁ初めて来たらそうなるか・・・比較対象が向こうじゃな・・・・・今日の所は取り敢えず宿を取ってのんびりするとして、本格的に観光とかするのは明日からにしようぜ」
再度歩き出した黒髪の男性の後ろに付いて辺りをキョロキョロと見ながら歩く二人。かなり目立つ三人組なのだが、やはり誰も気に留めた様子は無い。
「あ!あれが電車?!わぁ・・・凄く長い乗り物だねぇ・・・早く乗ってみたいなぁ・・・・・」
「僕は・・・飛行機でしたっけ?そっちの方が乗ってみたいな」
「ははは・・・心配しなくても色々体験させてやるから、少しは落ち着けって」
周囲に有る物を指差しては妙な会話を繰り返す三人組みはホテルでも特に変わる事無く騒がしくしていたのだが、それを咎める者はおろか、気に留める者すら誰一人として居なかったと言う。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




