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「・・・おいおい、マジかよ・・・・・・・」
「驚きましたな、まさかこんな大物が出てくるとは・・・・・」
TVの画面に映し出されたのは黒塗りの車から出てきた男性、この国の総理大臣だった。
「それだけ事態を重く見ているって事なのか・・・それとも国民に対するパフォーマンスか・・・・・その両方かもしれないな」
「我もそう思います・・・・・して、如何なさいます?御会いになりますか?」
「ん~そうだな・・・総理は結構な歳だし、ここまで来れるなら遭っても良いか・・・な・・・・・・・」
一階層あたり最短でも2km×30階分で60kmで、それプラス階段と結構な距離が有るし、ここに来るのに何時間掛かる事やら・・・・・と、思っていると、総理の乗ってきた車の後ろにトラックが止まり・・・・・
「ん?何だありゃ?・・・おいおい、そこまでするかぁ?!ははははは!良いね、バイクまで用意して来たんだし遭ってやるよ。ギービル、お前が出迎えてやれ。ただし、総理以外はけして入れるな」
「御意」
トラックから降ろされたオフロードバイク五台にSPらしき男達が跨り、その内の一台の後ろに総理を乗せて魔法陣へと入って行った。
* * * * * * * * * *
「お願いしますよ、ティゲルさ~ん。十分・・・いや五分で良いんで魔王様にインタビューさせて下さいって」
「何度も言わせんな、ダメなもんはダメだ」
「そう言わないで、ね。お礼に好きなアイドル連れてきますから」
「・・・・・・・いや・・・ダメだ、ダメだ、ダメだ!そんなもんに釣られると思ったら大間違いだぞ!陛下の命に背くなんて有り得ねぇ!」
「ティゲル、貴様迷ったな?」
「うおっ!あ、兄貴・・・す、すんません・・・・・つい誘惑に負けそうになっちまって・・・・・」
「まだまだ精進が足りんな・・・・・ティゲルよ、そ奴等が約束を守ると思うな、我等悪魔とは違うのだ・・・・・ふん、貴様等良く恥ずかしげも無く此処に来れたものよの。テントなんぞ用意しおって、即刻立ち去るが良い」
二日前から城の前で泊り込んでいる報道陣の中には以前追い出された三社も居た。
「い、今の迷宮はあんた等の管轄じゃないんだから構わないだろう!」
「だから恥を知れといっておるのが解らんか。我等悪魔にとって契約は絶対だ。それさえも守れぬ輩が豪そうな口を利くな!」
ギービルの覇気に気圧されて報道陣が一斉に後ずさる。
「あ、兄貴、まだ交代の時間じゃ無いっすよね?次の番はニクスさんの筈だし・・・・・」
「ああ、陛下の命でな、間も無く遣って来るで有ろうお方を迎に来たのだ。貴様等、撤収の準備をしておいた方が良いぞ、そのお方との会談結果によっては迷宮は我等に返還されるであろうしな」
「ほ、本当ですか、ギービルさん!一体何方が遣って来るんですか?!」
「この国の代表・・・内閣総理大臣、その人だ・・・む・・・・・どうやら来た様だ・・・・・其処を退けぇい!邪魔する者が一人でも居れば連帯責任として全ての機材を灰にしてくれようぞ!!」
ギービルの気迫に押された報道陣が二つに割れて入り口前に出来た空間の先、木々の間にバイクの集団が城に向かって来るのが見えた。
その一団が報道陣の手前に止まり一人、また一人とバイクから降りて行き、ヘルメットを脱いで入り口へと進んで行く。
報道陣がチラチラとギービルの様子を伺い、総理に声を掛けるか迷っていると、ギービルが入り口を開け放ち一歩外へ出た事で報道陣は更に下がった。
そしてSP達が総理の前に立ちはだかり緊迫した空気が流れる。
「・・・・・フッ・・・心配は要らん、此方に攻撃の意図は無い。陛下の命で総理を迎に来ただけだ・・・だが・・・他の者は許可されておらん。総理一人で進む勇気が有るのならば陛下は御会いになるそうだ」
「・・・ふむ・・・私の身の安全が保障されるのであれば一人で参りましょう」
「約束しよう。では、こちらへ」
「そ、総理!いけません!悪魔の言う事など信ずるに足りません!」
「・・・ふん、そなた等人間は何時もそうだ・・・が、何時の世でも約束を破るのは人間の方では無いか。この世界に悪魔はおらん様だが、今までの世界では常にそうであったぞ。我等悪魔の誘いに乗り、力を得て、我等と仲間を裏切り自滅する。人間とはそう言う生き物だと知れ」
「きっ、貴様ぁ!!」
「おやめなさい!私達は争いに来た訳では有りませんよ。大体その気であれば私達などとうに殺されている筈です。さあ、そこを退いて下さい、魔王さんが会う気になっているこの機会を逃す訳にはいかないんです」
「そ、総理!」
SP達を押し退ける様に前に進む総理。
「案内して頂けるのですよね?」
「では、こちらへお進み下さい。ティゲル、後は頼んだぞ」
「おう、任せてくれ、誰も通しゃしねえよ」
ギービルはティゲルにその場を任せ、総理を連れて廊下の先に有るエレベーターへと向かって行った。
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