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朝食の続きを始めた俺とリトラを訝しげな表情で眺めるデミス。


「・・・・・なぁ、何で陛下と一緒に飯食ってんだリトラ」


「ご主人様がそれを望まれたからですが?」


食事が終り後片付けを始めたリトラと俺をキョロキョロと交互に見ていたデミスが突然大声を上げた。


「ああっ!解ったぞ!リトラ、てめぇ陛下に手ぇ出しやがったな!あたいが少しずつ距離を縮めてからって色々考えてる間に先越しやがって!陛下!今夜はあたいの番だぞ!」


「妙に勘が良いけど、何言ってんだお前は?確かにリトラとしたけど、それと今夜がお前の番とか言うのが解らんし、そんな誠意の無い事は俺には出来ないぞ」


「くっ!リトラてめぇ陛下の優しさに漬け込むような真似しやがって」


「何を言っているのか解りませんが、それを決めるのはご主人様ですよデミス」


睨み合うリトラとデミス、そして我関せずとベッドの解体を始める四天王上位三名。


「うん、まぁ俺が決める事なんだけどさ、デミス、リトラは俺が起きる前に着替えを用意したり洗濯したり掃除したりして、更に朝食の用意もしてんだけど、お前それでもリトラに勝てると思ってる?」


「あ、すんません無理っす。あたい胸以外大した事ないんで」


「それでは私は洗い物を済ませた後、仕事場の方を片付けさせて貰います。他の皆はベッド等の移動をお願いします」


デミスが思った以上にあっさり引いたお陰で何事も無く済んで良かったと胸を撫で下ろした。

まぁ喧嘩に為ってもリトラがデミスを捻じ伏せて終ったんだろうけど、変に拗れるより納得して引いて貰った方が良いに決まっている。


「それじゃ俺は仕事が有るから余り騒がない様にな」


「えぇ~皆で対戦しようと思ってたのに・・・・・」


「悪いな、本職を辞めるつもりは無いんだ。それに迷宮が一般開放されるまではこれ以外に収入がなくなるんだぜ。お前達を養っていかにゃならんし、収入は多い方が良いだろ」


「む・・・そう言われると我等も何か出来る事をした方が良いのでは?」


「そうだな、何か生活の足しになる様な・・・・・農業か畜産関係か?」


「まぁ気持ちだけ受け取っておくよ。暫くは大丈夫だから今の内に遊んどけ」


根は良い奴等なんだよなと、皆の気持ちに笑顔で応えて仕事部屋へと向かった。


「さてと・・・・・メールの返事は無い・・・か・・・・・そうだ、迷宮の現状をSNSに上げとこう」


――――――――――――――――――――――――――――――――――

【魔王城@603号室】

  迷宮の地下8~10階と地上1階と20階が完成しました。

  と言っても地下部分は皆さんが思っているゲームの中に出て来る様な

  物では無く、自然公園とか触れ合い広場的な物となっております。

  何にしても一般開放されなければ意味が無いので皆さんからも政府の

  方へと働き掛けて頂けると幸いです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――


「良しっと。さて、仕事すっかな」


時々SNSの反応とメールのチェックをしつつ仕事に精を出す。

昼食を皆で食べ仕事をしているとマスコミ数社から取材の申し込みのメールが着たが、俺が城から出られない事や上空から進入出来ない事を理由に丁重に断った。

又、一般開放された後に正規のルートを通って城まで来られたら受けても良いとも告げたのだが、正直勇者以外に迷宮の地上階には入って欲しくないし、何が有っても救助はしないし責任も取らないと明示した。


ここまでしても馬鹿な奴等は城を目指すのだろうけど、地下8階から上を目指すと言うならアクアに警告して貰うつもりだ。死にたいのならどうぞと。


夕食を皆で食べた後、四天王達はそれぞれの部屋へと戻って行き俺は仕事部屋へ。

夜型だった生活スタイルをリトラの負担を減らす為に昼型に変える事にし、程々に仕事をして就寝。

隣で幸せそうに眠るリトラを眺めながら目を閉じた。

あ、今夜はナニもしてませんよ。


翌日も特に進展は無かったので俺は仕事を、リトラは家事と、四天王達は遊んでいるうちに一日が終り、遂に迷宮の開放日がやってきたのだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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