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詩集  作者: 矢作 日和見
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深海のいきもの



 青い青い水の中

 深い深い海の底

 光の差さない暗闇の砂漠

 静かな静かな水の中に

 それらは静かに泳いでる


 それは岩のように動かない

 大きな口に鋭い牙をならべ

 ぽっかり口を開けて待っている

 時おり思い出したように

 長いあごひげが小さく動き

 大きな黒目がちの瞳には

 ただただ暗い闇が映っている


 それはゼリーのように透き通り

 丸い頭に長いひも

 無数のひもには見えないトゲトゲ

 触れた獲物をしびれさせる

 そして奇妙な光をまたたかせながら

 暗い宇宙をぷかぷか漂っている


 それは虫の仲間なのかもしれない

 へんてこな六つの足を持ち

 体をうすい殻で覆っていて

 つぶらな瞳がキョロキョロしている

 食事はたまに食べるだけ

 上から沈んできた骨と肉(ごちそう)

 じっくりゆっくりかじっている



 誰も知らない深海のいきもの

 誰も見たことのない深海のいきもの

 不気味なかたちをしているけれど

 怖くはないよ 私たちは

 ただ静かにそこにいるだけ

 


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