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詩集  作者: 矢作 日和見
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17/20

radiata


 飛び舞い散る(くれない)のように


 枯れ果てた風とともにあなたは消え失せてしまう


 空から降ってくる飴玉にも口をつけず


 暗い色の海へ帰っていく


 去り際にあなたは動けない僕に微笑んで


 またね、と口から(こぼ)れた言の葉




 一人びとりがうつむいて進む雑踏に


 まぎれて薄らぐ僕の靴音


 アスファルトは静かに融けて流れるだけで


 答えはどこにも埋まっていない




 声が出ればよかったんだ


 せめて最後にひとかけら


 喉が千切れてでも叫べばよかった


 かすれた舌足らずでも叫べばよかった


 勇気のない紫色の唇は


 腐り落ちて砂に飲まれて


 後悔とともに流木の虫にかじられて


 またいつか海に還るのだろう 




 記憶の片隅に残る切り抜いたような赤色の花は


 放射状の残像を残して枯れ果てた


 願わくばあなたが残した言の葉を


 次の世までとどめておこう


 再び出会えるその日まで


 また花開くその日まで


 咲いた感情(おもい)は忘れない


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