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短詩・夏
【暑】
上からはもりもりと強烈な日差しを放つ太陽
下からはじりじりと蒸し焼きにしてこようとするアスファルト
横からはじめっとした熱風が追い立ててくる
体中からぶわっと汗が噴き出ても
たいして涼しくもなりゃしない
すっかりぬるくなったスポーツドリンクを飲み干して
まだ遠く先の日陰を目指した
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【大雨】
だだだだだ
ざあざあざあ
嵐が夜を飲み込んで
だだだだだ
ざあざあざあ
風と雨とが家を揺らす
狂った雨粒が真っ暗な雲から落ちてきて
窓を激しく叩いて響く音
無数の弾が僕らの街に襲い掛かる
だだだだだ
ざあざあざあ
僕は布団にくるまって
嵐が過ぎるのを待ちわびた
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【汗】
光をねじ曲げるほどの熱が
ゆらりゆらりと揺れては上り
体中から噴き出る不満が
たらりたらりと垂れては下り
顎を伝ってぱたぱた落ちる
体に張り付いた襟元に空気を送るも
流れる雫は止まらぬ模様
夏の終わりを乞い思う




