第八波『俺は畑で無双する』
その他、読んだ作品
『人狼への転生、魔王の副官』……読了。投げっぱなしの部分が幾つかあるのが残念。ストーリーは秀逸。
『八男って、それはないでしょう!』……総じて登場人物の知性が不足している。序盤が最も面白く後は尻下がり感が否めない。
本日のタイトル
『俺は畑で無双する』
著者:「昼熊」様
ジャンル:人は何にでもなれる
タイトル評価:4.5 (最高5.0)
このタイトルに対する評価は極めて難しい。
作者の意図が伝わるだけに「畑で」を別の語句に置き換えるのは不可能とも言える。
総じて、良い意味での突っ込みを確実に受けるだろう良タイトルであることは疑いない。
あらすじ評価:4.0
ともすれば簡素なあらすじであり、しかし明らかに常軌を逸した作品になるだろうことだけは伝わってくる。
展開の想像は一切つかないが、タイトルも併せてふまえればこの作者は裏を掻くことを好むであろう事は想像に易い。
展開への期待は十分に高める事に成功した面白いあらすじである。
世界観評価:--
ギャグ作品に過剰な世界観は必要ない、の一言に尽きる。
また主人公の性質と作品の設定上、世界を描写することが不可能である。
文章評価:3.5
視点は一人称で書かれ、あえて詳細に説明しなくても主人公の性格や人間性を表現しきっている愉快な文章となっている。
軽快なストーリー展開を重要視しているのか、重厚な表現や情緒感を求めてはいないように見受けられる。
それが悪いかといえば寧ろ反対であり、この手の作品にあっては程度のいい適切な描写範囲と言えるだろう。
内容評価:4.0
ギャグ作品において何よりも大事なのはシリアスである。
緊張とその崩壊こそが笑いを生み出すエネルギーであり、ギャグ一辺倒ではたちまちのうちにエネルギー切れを起こす。つまり飽きる。
その点でこの作品はバランスが良い。
同系統のバランスを持っている作品では、映像作品となるが『頻繁に尻を出す園児と犬含むその一家をメインに展開されるギャグ作品、の劇場版』が頂点にくるだろうか。
しかし品性の点においてはこの作品の方が高尚である。総じて高評価。
総合評価:4.0
ギャグ作品としての完成度は非常に高い。
それを支えているのが登場人物やストーリーであり、一つの見本ともいえる仕上がりとなっている。
『なろう』におけるギャグ作品においてはトップクラスだろう。
テンプレート作品に飽きている方は一度目を通すべきことを推奨する。
作品リンク:
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n5442cu/