第七波『自由(邪)神官、異世界でニワカに布教する』
本日のタイトル
『自由(邪)神官、異世界でニワカに布教する』
著者:「中文字」様
ジャンル:縦横家漫遊記
タイトル評価:2.5 (最高5.0)
ニワカが片仮名の必要性があったのかが疑問である。
何か意図が含まれているのかと興味津々で読み続けたが、とんだ肩透かしであった。
それ以外で特に評する言葉は無い。可もなく不可もなく。
あらすじ評価:2.5
当初は適切かつ素直な印象で、展望明るく期待を煽るに丁度良い塩梅という評価であった。
だが改めてあらすじを咀嚼してみると以下の文言に対してニワカに疑問と違和感を抱くこととなる。
「生きる事を目的にし~~旅することに」…生きる事が目的なら旅に出る必要はあるのか?
「布教の旅が始まる。」…生きることを目的とした旅ではなかったのか?
正直、書き直した方が良いのではないかと思わざるを得ない。
世界観評価:3.0
展開に従って明らかになっていく為、最初の時点では世界観の具体的な想像は難しい。
食べ始めは淡泊だと感じていた食べ物が、咀嚼しているうちに複雑な味わいと香りを放っていた、というのが適切な表現だろうか。
ゲーム内という設定上、自由性とローカルロウの共存が必須となるがそこをどう表現していくのかが見ものである。
文章評価:2.0
これといって特筆できるめぼしい点はない。
句読点の多さについて常に苦言を呈しているが、この作品については「~~は、」の読点さえ外せばそれ以外では適切な量だろう。
「私は、」など「~~は」の後はその後の文言を強調する時や、その前後文章に読点を打つ隙がない時以外では不要である。
それ以外では地の文において「だよね」や「けれど」といった幼児口調ともとれる言葉では選ぶべきではないだろう。詩や児童文学であればいいが、こと小説においては雰囲気を壊してしまう原因となる。
内容評価:3.5
混乱しそうだが、神官らしい神官という珍しい神官である。
やけに前線に立ち上がる、怪力で武器を振り回す、回復より攻撃魔法が得意、など「何故それで神官をやっているのか?」と納得できない性質を持っていないのが個人的に高評価。
当初からの目的である布教活動の道をまい進し続けていることも好意的な評価に繋がった。
総合評価:3.0
設定やストーリーに独自性をきっちり盛り込んでおり、口八丁とぶれない意思を武器とする主人公が、出会う者達の常識を薙ぎ倒していく展開は非常によく考えられている印象を受けた。
ともすれば主人公教に染まり唯一神主人公を賛美するワンパターンに成り兼ねない危惧もあったが、本作品においては大いに予想を裏切ってくれる展開もふんだんに盛り込まれていることを高く評価したい。
シリアス色が強い為、一気に読むとなるとなかなかに大変だが、一つの話は比較的短いこともありしおりを挟むタイミングには困らないだろう。
今後の展開にも引き続き期待していきたい。
作品リンク:
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n0148db/