第六波『ゴブリンにブラック企業やらせてみた』
その他、読んだ作品
『メシ屋の店主は世界を救った女勇者を嫁にしました』…設定は面白いが、内容が練られていない。惜しい作品。
『詰みかけ転生領主の改革』…二歳で流暢に言葉を話し、三歳で無限の体力を手に入れ歩き回る超人の話。何故あと数年待てなかったのか。
『転生して田舎でスローライフをおくりたい』…スローライフを送る気が皆無。
『魔王の器』…世界を練り直してから改めて書き直して欲しい作品。
『オレの恩返し ~ハイスペック村づくり~』…話は面白い。文章能力と丁寧ささえ身に付けば化ける。
本日のタイトル
『ゴブリンにブラック企業やらせてみた』
著者:「M200F」様
ジャンル:ブラックコメディ
タイトル評価:3.0(最高5.0)
パッと見で興味を惹かれるインパクトの強いタイトル。
減点対象は日本語としておかしい点。
意味はわかるが「企業やらせる」という言葉はどう考えても変である。
あらすじ評価:3.0
あらすじとして適切。必要に過ぎないネタバレを含んでおらず、想像を膨らませてくれる。
減点対象は息切れを起こしそうなほどの読点の多さ。
また本作品は一人称視点で進むが、あらすじは三人称となっている。
これではあらすじで一人称視点とはわからず、三人称で進むものだと錯覚してしまうだろう。
やや不親切である。
世界観評価:3.5
登場するキャラクターは一般的に魔物の類だが、人間味溢れるという表現を超えて人間臭い。
世界観においては奇抜であり、なかなかにぶっとんだ設定を構築している。
背景描写が極めて少ない為評価しようがない。
とはいえ広範囲を移動して回る冒険譚ではないので、背景がわからずとも困ることはないか。
文章評価:1.5
物足りないと言わざるを得ない。
数字の書き方にしても全角、半角、漢数字が入り乱れており出鱈目である。
三点リーダ「…」は三点で一つなわけだが、それが四点だったり「、、」だったりと明らかに基本が欠けている。
総じて兎にも角にも読みづらい。
誤字にだけは気を付けているのが救いか。
上記とは別に、その時点では主人公が知り得る筈のない情報を知ってしまっている矛盾描写も幾つか目についた。
内容評価:3.5
世界観でも触れた通り、なかなかに奇抜であり目にする機会の少ないジャンルの作品である。
比べる対象が少ないという時点で評価は高くなりやすいが、それを除いても優れた内容であるといえる。
世界設定上、シュールなコメディという枠から逃れることは難しいが、その中で可能な限りシリアスに考える主人公の動向が世界観に逆らっているようでそこを想像する面白さがある。
総合評価:2.5
すべての面でどうしても執筆における基本能力のなさが足を引っ張ってしまっている。
それさえ克服できれば書籍化まで持っていっても疑問を抱かない作品だろう。
今後の展開にも期待したいが、作者の能力向上にも期待したい。
作品リンク:
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3813eb/