第四波『火刑戦旗を掲げよ!』
この作品を紹介するのは相当の勇気がいりました。
何故なら『なろう』において、この作者、特にこの作品は別格です。
私の能力で表現出来るのか、書いた今でも尚、書いていいものなのか迷いがあります。
本日のタイトル
『火刑戦旗を掲げよ!』
著者:「かすがまる」様
ジャンル:劇場型ダークファンタジー
タイトル評価:5.0 (最高5.0)
このタイトルについて多くを語る必要はない。
読めばわかる。これがタイトルというものである。
あらすじ評価:4.5
ある一点を除き、非の打ちどころが見当たらない。
その一点もただ私の個人的嗜好に寄るものであり、酷く主観的な判断である。
いわく『炎の中に殺された男』この一点。
私はここを「殺された」として欲しくなかった。何故なら私の見解では彼は「殺されてはいない」もしくは「死んでいない」からである。
世界観評価:4.5
不要なものは描写しない。だが必要なところは過剰なまでに描写する。
これこそが意識を引き込み、より局所的に精密な想像を読者にさせる妙技である。
この作者は世界を作ってはいない。だが舞台を完璧に作り上げ、読者を観客にさせた。
満点でない理由はただ一つ。『行禍原』が何を指すのかわからない読者が多いのではないだろうか。
文章評価:4.0
これが満点でなかった理由は明解。
万人が読むにはあまりに陶酔的で、これが好きな人には蠱惑的に過ぎるのだ。
後者である私にとって、これほど溢れ出す熱情を感じる文章を見る機会はそう多くないと断言出来る。
これはまさしくプロの表現であり、現実世界では適合しない、下手をすると異常者のそれである。
勿論それは誉め言葉ではあるが、しかしその点においてこの手の文章を忌避する人の割合も少なくないだろう。ゆえに満点をつけることは出来なかった。
内容評価:5.0
これは異世界物、戦争物、参謀物など、ファンタジーを書くライトノベル作家にとって教材にしてしかるべき程の出来栄えである。
世界観評価に通じるところもあるが、まるで舞台のように淀みなく、見る者を飽きさせずに話が進む。
遊びはあるが贅肉のない展開はしおりを挟むことすら許さない。
まだ読んだことがないのであれば、休日に読むことを推奨する。
総合評価:4.5
前書きでも口にしたが、この作品は「なろう」において別格である。
私の主観評価ではあるが、これに匹敵する作品は片手に数えられるほどにしかない。
感想放棄ともとられるかもしれないが、この作品を読んだ後に思いつく言葉など、全て蛇足にしかならないだろう。
是非一度読んでみてほしい作品だと推させてもらう。
作品リンク:
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n2361by/




