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第二波『銀翼の騎士 ―異世界の撃墜王―』

その他、本日読んだ作品

『冒険がしたい創造スキル持ちの転生者』……1ページKO。地の文と会話するキャラあり。

『異世界で回復魔法チートはハーレムフラグではなかった!』……今更取り上げるまでもない人気作だがTSがダメな私にはやっぱりダメだった。挑戦3回目。

『メーダーの清算 ─アステール・アトランティカ─』……タグはないがTSだった。してやられた感。

『虹の調律師 ~光と調和の軌跡~』……表現に「あれ」「それ」「こんな」「そんな」の乱用が目立つ。

『そんな勇者の物語(仮)』……表現に技術がついてきたら化ける可能性あり。話自体は面白い。

『英雄王の異世界英雄譚』……神話の時代に化学兵器とは?しかもミサイルは化学兵器ではない。色々と勿体ない。

『元暗殺者の贖罪人生』……私にはまだ早い作品。レベルが足りなかった。

『大きな世界の樹の下で』……地の文に三人称視点と一人称視点が混在している。どちらかに絞るべき。

『狼に転生した。』……1ページKO。設定矛盾がきつい。


 本日のタイトル

『銀翼の騎士 ―異世界の撃墜王―』 



 ジャンル:戦闘機乗りが中世で忠誠を誓う話



 タイトル評価:4.5 (最高5.0)

 一瞬で惹きつけられた。気が付けばクリックしていたほど見事なフレーズ。

 「銀翼の騎士」で主人公の性質を表し、「異世界の撃墜王」で物語の舞台と展開を表現している。

 これ以上加えても蛇足であり、これ以下ならば不足となる。

 満点に0.5点及ばなかったのは「撃墜王」という言葉が日本独自のものであり、ドイツ人である主人公を表すにはドイツ語であった方がよかったのではないかと愚考したことによる。



 あらすじ評価:4.0

 まさしくこれが「あらすじ」というもの。

 物語のさわり、アピールポイントだけが書かれており、展開を想像する期待に胸を膨らませるばかりである。

 満点に及ばなかったのは以下のフレーズが気になったがため。

 「不時着先で出会った伯爵令嬢」

 瀕死の重傷で意識もはっきりしない状態で「出会う」とするのは少し違和感が残った。細かくて申し訳ない。



 世界観評価:2.5

 『良い点』

 現況風景がきっちり描写されている。

 今、この人物がどういった場所にいてどういう構図なのかを簡潔かつ丁寧に示しているのも高評価。


 『足りない点』

 ドイツからドイツっぽい異世界に転移している為、文化や時代の違いがはっきりとしない。

 また風景や建物の描写を現世ドイツ基準で表現している為、ドイツの風景や建物に詳しくない人間は完全に置いてけぼりになる。

 「ドイツの田舎領主が住む館と大きな違いはない」と言われても、ドイツの田舎領主に会いに行ったことがない人には想像が難しい。ドイツを熟知している主人公と違い、私や多くの読者は日本人である。



 内容評価:3.0

 『良い点』

 物語の展開は序盤から日常と戦闘を繰り返しているが、それが平時と戦時の差をわかりやすく表している要因となっている。最初から山場を期待したい読者でも飽きさせず、まずは世界に慣れたい読者にも丁度いい塩梅だろうか。


 『悪い点』

 こればっかりは今更直しようもないだろう。主人公はドイツ軍人で、それも1945年というナチス時代の軍人の筈だが、それにしては現代的でありナチス式を一切用いていない。ナチズムとも無縁であり2000年代以降の軍人というような印象を受けた。

 伯爵令嬢という明らかに身分が上の相手に対し、平然とタメ口で接する軍人がことナチス時代に存在したのだろうか? それも主君である相手に対し態度を改める素振りすら見せないとは一体何事だろうか。


 そしてもう一つ。

 14歳にして領主代行であるフィリーネに対して「両親、もしくは領主は?」という疑問を抱くことなく接していたことに大きな違和感が残る。

 領主代行であるフィリーネが叙任式を執り行おうとしていたが「領主の許可は得なくていいのか?」とまず真っ先に聞いておくべきではなかっただろうか。

 常識的に考えて疑問に感じなくてはならない箇所だと思われた。

 


 文章評価:2.5

 動的描写が圧倒的に多く、極めて難しいとされる航空物というジャンルに挑戦した意欲は素直に感嘆するばかりである。

 このジャンルを上手く書き上げる作家ならば戦国物でも上手く書き上げる能力があるだろう。

 誤字も少なく、改行頻度に関しても個人的に何ら言うことはない。しかし行頭スペースはあったほうがいいか。読点の多さも少しリズムを崩している。


 戦闘描写は疾走感を残した上でかつ丁寧であり、心底書きたかったんだなという熱意が伝わるものとなっている。

 技術力も高く、軍記や戦争物に向いた執筆能力を持っていると感じる。


 対してキャラの心理や行動描写に関しては自己都合的な部分がまま存在する。

 特に第十話でのフィリーネの行動には全く理解が追い付かなかった。

 しばしば作者の感情が暴走しているような印象を受ける。



 総合評価:3.5

 現状、きっちり読み進めたのは20話までで、今後に期待を込めての評価点とした。

 文章能力や表現についても話数が進むにつれて向上していくことだろう。

 内容に関しては似たような展開のループに成らないかの危惧があるが、この作者なら杞憂に終わるだろうとも期待が持てる。

 先述した通り、航空物、戦争物というのは極めて描写が難しい。これを書ききることが出来るのであればプロとしてもやっていけるのではないかと思う。

読者評価は統一されない作品であると思います。

このジャンルが好きで、読みなれている人には推奨すべき作品ですが、初挑戦の読み手には少し荷が勝つかもしれません。


作品リンク

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n8268dt/

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