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第十二波『ガロア剣聖伝』

本日のタイトル

『ガロア剣聖伝』


  著者:「りゅう@如月電書堂」様



 ジャンル:ハードファンタジー




 タイトル評価:2.5(最高5.0)

 この作品を読むにあたり唯一と言ってもいい引っ掛かりが「剣聖伝」という文言。

 「剣聖」を称号として捉えると、内容は群像劇であるのにタイトルは狭義を示している為、群像劇ではなく個人の、もしくは「剣術」の物語となってしまう。

 しかし実際には群像劇であり政治的要素が強い物語である為、「剣聖」とは?という疑問がどうしても出てきてしまう。

 



 あらすじ評価:3.0

 簡潔に言うのなら、あらすじというよりプロローグ。

 詳細に書きすぎている感がある。

 国家間の対立理由などは物語中に書いたほうが良いのではないかと感じた。

 



 世界観評価:5.0

 現状、非の付け所がない。

 実在した大陸で起きた話なのか、とさえ疑うほど。

 この物語において最重要なのが世界観であり、群像を描くことで大陸を様々な角度から描写する手法を選び、見事に成功している。感心の一言。




 文章評価:3.5

 この点に関しては非常に難しい。

 ライトノベルだと前提して立ち入ると門前払いされてしまうだろう。

 とはいえハードノベルよりも言葉の選びや表現は優しい。


 推敲は丁寧にされているのだろう。文字、言葉を非常に大事にしているのだと伝わってくる。




 内容評価:3.5

 現段階では正確な評価は難しい。恐らく最終評価と同じ点数にはならないだろう。

 何故かといえば、丁度山場を迎えたというところであり、この果てしなく高い山をどう登り切るのかで全く評価が変わってしまう状態にある。


 現状の点数は上記通り3,5。

 最近小説に手を出し始めたという方には正直不向きだろう重厚さがある。

 それがこの作品の売りでもあるのだが、軽く読みたい、気晴らしに読みたい時に選べる作品にあらず。

 じっくり腰を据えて、熟読したいという時に読むべき内容となっている。

 



 総合評価:3.5

 言い方は優しくないが、初心者にはお勧めできない作品である。

 だが、これからライトノベルだけではなくハードノベルにも手を出したいと考えている方には登竜門となる作品と言えるだろう。

 それだけに入り口はやや狭く、読み手を選ぶ作品ではあるが内容は練りに練られたものであり、ファンタジーとはかくあるべきと改めて思わせられる出来となっている。

 読み進められるかは別として、一度は試してみて欲しい作品である。

作品リンク

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n6156ed/

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