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姫、リベンジ

落ちる・・・

元々巨体の肩で戦っていたのでバランスを崩した瞬間に落ちるのは明白である。

崩れ落ちながらもベルンディッテの歪んだ笑みが目につく。

まだだ!

まだ落ちられない。

せめて一矢報いるまでは終わってはいけない。


軋む体を無理矢理回し、巨体へ戦斧を突き刺す。

落下を止め、刺さった斧を足場にしてベルンディッテに向かって駆け出す。

腰から手斧抜き、私を落としたと思って背を向けているベルンディッテへ。


「なっ!?テメェどうやって!!」

「甘く見ましたねベルンディッテ!!」


慌て防ぐベルンディッテの左腕に私の斧が入る。

流石に受け止められるか・・・と思った瞬間。


「はぁ!?」

「え!?」


当たった左腕を易々とすり抜け、切断されたのだ。


「おい、なんだソイツは!さっきの武器と加護がちげぇぞ!!」

「加護?」

「分かってねぇのかよ、このクソ女ぁぁぁぁぁ!!」


よく分からないが、一人で驚いてキレてらっしゃる。


「よく分からないのですが?なにが悪いのでしょう?」

「テメェ!さっきまで使ってた武器と今使ってる武器の加護を理解してるのか?」

「いえ、全く。」

「勘弁してくれよぉぉぉぉぉぉぉ!!」


怒りとどうしたら良いか分からないで悶えているようだ・・・

優位性が逆転したようなので、見ていて面白い。


「ふう、落ち着いた・・・

いいか!テメェのさっきまで使ってた武器には、この土地の神様の加護がかかってるんだ。」

「そうだったんですのね!」

「それすら理解してなかったのかよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「まぁ、借り物ですので・・・」

「そんな神器をホイホイ借りてくるんじゃねぇよ!!テメェかクソ賢者ぁ!!」

『こんなに荒れてるベルナルドは初めて見たよ・・・』

「そして、テメェの今使ってる武器には別の地方の神の力がかかってる。

なんでそんなものが二本もあるんだ?

そんな簡単に手に入るもでもねぇし、あの斧は分かるが、その手斧はなんだ?そんな神器、見たことも聞いたこともねぇ。」

「これは町の武器屋で購入したものですわ。

丈夫で刃こぼれをしないのため、大変便利ですの。」

「そんなものが武器屋に売ってっかよぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉ!!!」


おおぅ・・・ベルンディッテが怒りで体から電撃がほとばしってる。

神の力、神の力・・・

もしかして、血筋の方の力か!?


『多分その通りだね、君の力が武器に浸透して、それを神器だと勘違いしているようだ。』

「人の心を読むのを止めて下さいません?」


そう言いながら再度構えをとる。

あの怒りっプリではいつ襲い掛かってきてもおかしくない。


「よぉし、怒りで我を失い所だったが、テメェの武器に対して対策を取らせてもらったぜぇ。

攻撃してこなくて助かったぜ?」

「いえ、こちらも原因が分かりましたので問題ありませんわ。」

「やっぱ、あのクソ賢者が原因か!!」


そう言いながら攻撃が始まる。

いつの間にか左腕が繋がっている。

怒りに任せていたように見せかけて回復と対策をしたのか!

斧も先程のように攻撃が通りにくくなっている。

しかし、ベルンディッテが腕や拳で防御する度に傷が生まれ、血が出ているので攻撃が通じている。

彼女と遭遇して二回目、その二回とも戦斧をメインで使っていたが、今は違う。

使いなれた武器で戦法も速度も別物だ。

半分以上の攻撃は見切られているが、ダメージは入っている!


「クソがぁ、加護を変えて戦うなんて有り得ねえぞ!勇者や戦士でも出来なかった事が、なぜこんな小娘がぁ!!」

「私はわかりましたが、貴女には教えません!!」


徐々に見切られる回数が減っていっている。

このまま押し通す!!


「ぐっ!!」


その一言、ついに私の攻撃が彼女の体に、脇腹に入った。

防御を抜けたのだ!

彼女も、不味いと言う顔をして私から離れる。


ちょうど、切り落とした首の上に立った。


「おい!!何時まで寝てんだ!起きやがれこのデクノボウが!!」


その声と共に首のあった場所へ足を踏みつける。

散々この上で戦っていたが、この巨体に痛みはあるのだろうか?


そう思っていると、巨体がゆっくりと震えだしたのだ。

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