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ペイン、それは淡くも激しい初恋

俺には恋焦がれる人が居る。

その人とは4歳の時に隣国の交流である舞踏会で出会った。

銀髪しか産まれぬと言われる家系で唯一金髪で産まれた歳の近い少女。

当時から勉学と剣術の稽古に励み、異性を意識した事はなかった。

しかし、彼女を見た瞬間に俺は恋に落ちた。


「好きです、私と添い遂げて頂けませんか?」


子供としては精一杯考えた告白だった。

今思えば酷い告白だ、初対面の女性に告げる言葉ではない。


「申し訳ありません、そのお言葉は大変嬉しいのですが、私は本来この場に居てはならぬ身、次に貴方とお会いすることが出来ないのですわ。」


完璧な失恋だった。

当時としては、完璧のホームから放たれた豪速球を油断していた相手になに食わぬ顔でホームランを打ち返されたのだ。

プライドも何もかもボロボロだった。


その年は泣く泣く帰り、彼女の事を忘れられずに一年を過ごした。

何が悪かったのかは分からない。

ならば賢くなり、強くなろうと。


一年後の舞踏会、彼女の姿はなかった。

様々な人に彼女の事を聞くと、誰もが彼女を知らないと言う。

話した時の反応からして嘘だと言うのが子供でも分かった。

帰りに父上から「彼女の事は忘れろ」と釘を刺された。

しかし、俺は諦め切れなかった。

あの場に居たのは王公貴族。

彼女もそれなりの地位の娘のはず。

国に帰ってからも色々と調べたが、彼女らしき人物が亡くなったり、出家したりした形跡が見つからなかった。


その次の年に、魔眼の力に目覚めた。

その年も舞踏会には出た。

彼女が居ない舞踏会は暇でしかなく、俺に取り入ろうとする貴族や、その娘たちに囲まれる事しかなかった。

あまりに下らない時間だった。

そゆな舞踏会で疲れテラスで休んでいると魔眼の制御が乱れ、遠見が発動しまった。

特に人に害を与える魔眼では無いが、発動中は紅く光ので目立ってしまうので発動しないように心がけていた。

疲れたのだろうと思い、偶然に眼に映った城よりも西にある大きな屋敷の窓にそれを見た。

彼女だ。

フルネームまでは聞けなかったが彼女が窓の奥に居たのだ。

それが俺のエレノアとの再会だった。


彼女がなぜあの屋敷に居るのかは分からない。

だが、まだ会える可能性がある。

それならば俺が名声を得て、知られるようになれば彼女をめとる事が出来るかもしれない。

幸いにも俺は第二王子、可能性は大いにある。


それからは更に訓練に励み、戦などで功績を立て、国に伝わる宝剣を与えられ、緑の死神などの名前をもらったりした。

だが、そんなものはどうでもいい。

俺は彼女だけを求めていた。

心が休まるのは、念に一度の舞踏会で遠見をして彼女を見ることだ。


しかし、今年の秋に事件は起きた。

彼女の訃報が隣国であるウインダムにまで届いたのだ。

『王家の匿っていた忌み子が自害した。』

この瞬間に俺は彼女の境遇を理解し、俺の全てが崩れ落ちた。

俺がもっと強ければ、もっと早くに彼女を求めていたら事態は変わったかもしれないと。


その後は、彼女を忘れようと様々な場所へと赴いた。

モンスターの氾濫、黒化の討伐、黒化発生に伴う難民の保護や仕事の斡旋。

短い間だが、様々な所へ行き、国境沿いの町へガンバルティアとの協同作戦で町に城塞を造る任務へと。


最初は、あのアルベルト殿と協同と聞いて引いたが、受けることにした。

あの人は親衛隊の中でも有名で、序列三位且つ王家の血を引くためあまり国外には出てこないのだ。

いや、出てこれないと言った方が正しいか。

そこに興味が湧き、志願することにした。


そして、町に着いた朝、俺は出会ったのだ。

ギルドの中にある食事処はHEY達で埋まってしまい、仕方無く入った喫茶店で。

ああ、これを運命と呼ばずしてなんと呼ぶ。


店から出る彼女を追い、私は告げたのだ・・・


この人手遅れだった・・・

書いた本人が今理解しました

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