姫、モンスターの襲撃
建設中の防壁にモンスターが襲ってきた。
特訓は一時中断して私達は応援に駆けつけた。
到着は少し遅れたが、着いた時に冒険者達から喜ばれたのは嬉しかった。
私を戦力として、一人前として見てもらえてるのだ。
ならば、頑張るしかあるまい!
「御従兄様、サブマス、現状はどのような状況になっていますか!?」
「今は冒険者と各国の兵士達の3グループに別れて迫ってくるモンスターの群れを対処しています。
隣の山のモンスターだけだなく、更に奥の山からも押し寄せているような数ですね。」
「だから、今は一人でも多くの戦力が欲しかったところだ。お前を戦場には出したくなかったが、ここで出さなかったお祖父様に叱られてしまうからな!」
詳しく話を聞くと、三日ほど前から少数のモンスターが疎らにやって来ていた。
昨日から数は少ないが継続的に町へ襲い掛かってきて、今日になり大量にやって来たそうだ。
モンスターは狼や猿、熊に鳥、牛に狸や狐、様々は種類が入り乱れ、こちらを目指している。
流石に誰もがおかしいと感じているが、今までそれを操るような人も、存在も見えないとのこと。
「多種多様なモンスターが押し寄せて、隣に餌になるような生き物が居ても気にせずにこちらに向かってます。分かりきったことてすが以上ですね。
幸い、ギルドマスターも戻ってきて町の事を任せられたので私も前線に出れますが、今回は持久戦になります。」
「こちらは既にローテーションを組んで対処に入っている。状況に合わせて俺と王子が入って交替のタイミングを作っている。
現在は王子が戦場に出て交替の手助けをしてもらっている。」
あのストーカーの姿が見えないと思ったらそんなことをしていたのか。
「なお、冒険者側は私が担当していたのですが、指揮官が居ないので私が推薦されてしまいまして、代理が必要だったのです。」
「つまりは、俺たちがそのポジションに入るって事だな!」
「ええ、よくわかっていますねルーク。
ただ、このような集団戦闘の経験が無いため貴方達には三人で動いてもらいます。」
「三人ですか?」
私達は互いに顔を見る。
「パティさんをリーダーに、ルークとエリーで戦場に入ってもらいます。
特に、二人は戦闘に入ると心強いのですが、回りが見えなくなる事が多々見受けられます。
ソコをパティさんに補ってもらいます。」
「分かりました。私でよければやってみます。」
不安そうにパティさんが答える。
後ろからルークがパティさんの肩に手を置く。
二人だけの空間が出来上がっておる・・・
「あと20分ほどしたら交代の時間になります。
三人とも覚悟を決めていてくださいね。
戦場では何が起こるかは誰にも分かりません。
簡単に命を落とす事もあります。
そうならないように、三人で生き延びるようにしてください。」
「「「分かりました!」」」




