姫、断られる
「何を考えているんですか?人間が龍帝山脈の王国に入ろうなんて竜王が許可しても、その周りのドラゴンかま達が許しませんよ?」
はい、即答されました!
「第一、神樹の森を抜けられる事と、その先の断崖絶壁を登りきって、ようやく辿り着ける場所ですよ?
僕ですら二回しか入ったことありません。」
「でも入ったことは在るんですね・・・」
「仕方無くですよ・・・?邪神戦争末期にドラゴンからの協力を得るためと、その事後処理で二回目です。
これ以上は呼ばれても絶対に行きませんし、行きたくもありません。」
「一体何をしたんですか・・・」
そんな感じでアキラさんはドラゴンの国の事を詳しく聞かせてくれない。
相当嫌なことがあったようだが、本人は話してくれないので分からず終いだ。
「なので、私以外の竜人と親しくなって連れていってもらって下さい。
あ、野良で洞窟や廃墟で屯って奴等は駄目ですよ?あれに乗っていったら処刑対象にされるんで。」
「・・・わかりましたわ。」
考えたいたことを先に言われてしまった。
邪神戦争後にドラゴンの王様、竜王とよばれる存在が換わったようで、そこからドラゴン社会の掟が強化されて国外に対しては相当に目立っていた厳しくなって祖とに出にくくなっているそうな。
なのでアキラさんの場合、国に入ったら出てこれなくなると言っている。
本当に何を考えてやらかしたのだろう・・・
そんな話をギルドに居た冒険者達が話を興味深く聞いていた。
やはりドラゴンの話しは珍しく興味をそそられるらしく、最後は御従兄様や王子まで混じっていた。
最後に「神樹の森を一人で踏破出来たら紹介文を書いて上げましょう。」と言って宿に帰っていった。
その場にいる全員が無理だと悟ったのは言うまでもない。
この町で行けるとしたら、ピカレスクさん位だ。
なお、本人も無理だと言っていた。
やはり、竜人と仲良くなるしか無いのか・・・
ならば、龍帝山脈の反対側とかはどうなのだろう?
話によるとアキラさんは反対側の国で召喚されたし、何かしら行く方法があるのでは!?
「確かに反対側へ行く方法はありますが、最近なら海を渡った方が簡単且つ安全に生けますよ?」
夢が無かった・・・
そうですよね、大陸を三つに分ける龍帝山脈も海までは隔てられませんしね・・・
「流石に反対側に行くのは俺が止めるし、お祖父様からも止められるだろうな。
無理矢理に行けば捜索隊が組まれるだろうしな。」
と、御従兄様。
予想はしてましたが過保護凄ませんかね!?
「エリー、俺に嫁いでくれれば、俺がハネムーンで連れていってあげられるぞ?」
「そんなものはいりませんし、御断りいたしますわ。」
「ペイン王子、それは俺に対する宣戦布告と見てよろしいか?」
「あ、いや、これはですね!?」
王子は御従兄様のベアハッグを喰らってから妙な苦手意識が芽生えてしまっているようだ。
良い防護壁が出来た。
迫ってきたら来た実力行使で排除するまでだが。
何だかんだで賑やかに夜は更けていくのであった。




