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姫、世界と不釣り合いなものを見る

悩みながら兵士達の作業を見ていると砂や砂利等が大量に運ばれてきた。

長い鉄の棒が何本も置かれている。

いや、まて。

ここは前世の世界とは違うんだ。

流石にそれは無い。

黒化した人や生き物が来る可能性があるとしても、その材料はやりすぎだと思う。

この待ちを要塞にでもするつもりなのか!?


長い鉄の棒を一番深い溝の奥に何本も順に挿し込んでいく。

それを囲うように加工された長い板で囲む。

大きくて、中が空洞の木の柱が出来上がった。

隣では大きな桶に水と砂と砂利に灰色の粉を丁寧に混ぜている・・・

鉄筋コンクリートだ・・・

前世の知識では現代の二千年以上前にも使われていたのは知っているが、私の知らない知る限りこちらでは、基本木造か石造りで、城などはそこに石灰と粘土、水、粘りけのあるもの(地味にローパーや植物系モンスターの体液など)を混ぜて出来る、前世で言うところの漆喰に似たものを塗り外装を整えるのだ。

しかし、コンクリート製の建物は今まで見たことがない。

厚みは1mはあるかと思われるので、先日アキラさんが見せた大魔術クラス程ではないが、それに準ずる威力が無いと破壊出来ない。

中身の内容にもよるが、小型中型の魔物の攻撃ではびくともしないはずだ。

一体何を考えているのだこの町は!?

柱の高さは、地上10mほどになりそうで、普通の生き物は飛び越えるのは難しいだろう。


コンクリートは風や火の魔術により、あっという間にかたまっていく。

私の知る限り、その大きさのものは1日2日は乾燥に時間がかかると思うのだが・・・

魔法の力ってスゴイワー


その日は、町の周囲に大きな柱が何本も建てられていった。

町から少し離れた場所に建っているが、高い建物が無いこの町では相当に目立っていた。

この世界、私が思ている以上に凄いのかもしれない。


次の日になれば、柱と柱を繋ぐ渡が出来ており、下からゆっくりと加部が出来上がっていく。

御従兄様が言うには、ここからはゆっくりと作っていくそうで、最終的には町をぐるりと囲む城壁が出来上がるそうだ。

今の壁も土台の一部で、その内側に色々と作っていくとのこと。

口にはしていなかったが、黒化した生き物対策を前提としているようだ。

ただし、ドラゴンとかは想定してないから来たら逃げるしかないらしい。


ドラゴンはこの世界を生きる生き物の頂点に立ち、龍帝山脈に住んでいる。

長い寿命を持ち、エルフなんかと同じくらい長生きをする。

体は大きく、力は強く、人よりも遥かに理知的だとも言われているが、私はまだ見たことがない。

ドラゴンは一定の年齢になり魔力が多くなると人形型になれるようになる。

それが竜人と呼ばれる種族であり、アキラさんもその一人だ。

なぜ見たことが無いのかと言うと、ドラゴンは龍帝山脈から降りて来ないのだ。

降りてくる解きもあるが、その殆どが若く言葉の喋れない個体であり、人を襲い、上位の冒険者や騎士達に討伐されてしまうのだ。

そういった若い個体は、神樹の森に休憩で降りた瞬間に魔獣なんかに食べられてしまうののも良くあるらしい・・・

なので、山を降りる若い個体はDQNアツカイされているとか・・・厨二病を患ってしまったとかなんとか・・・

後者は井貝と小心者が多いので洞窟や廃墟に籠り、発見されては尊大な態度で冒険者を挑発しては倒されてしまっている。

なにこの愉快な生き物。


なので、大人のドラゴンが来ない限りは大丈夫らしい。


龍帝山脈にはドラゴンの国があるので行けるなら行ってみたいとは思っている。

問題は、神樹の森を抜けて、険しい龍帝山脈を登らなければならないことだが・・・


そんなことを考えていたら不安な気持ちは薄れていた。

やはり、世界を見たい。

それが私の望みのようだ。

神の力なんかに支配されていられない。


後でアキラさんに龍帝山脈のドラゴンの国に行く方法がないか聞いてみよう!

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