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姫、朝食を食べる

次の日、私は休みを貰い、少し遅めに起きた。

普段なら朝陽が昇り少し後に起きるのだが、流石に疲れていたのか寝過ごした感じである。

貰い物普段着に着替えてギルドで朝食をとろうとしていたら何やら少し騒がしかった。


ホールの方に出てみると緑の鎧を着けた兵士たちが酒場で食事をとっていた。

結構な人数が入れる酒場なのだがほとんど満員状態で落ち着いて朝食をとれそうにもなかった。

受付では私より少し年上で、金髪を切り揃えた男の人がサブマスと書類を受け渡しながら会話をしているのが見えた。

何処かの騎士なのか豪奢な鎧を着ている。


嫌な予感がするので、私は静かに裏口から外に出るのであった。


ギルドで朝食が無理だったので、町の喫茶店でモーニングを食べることにした。

モーニングはアキラさんが広めたメニューとのこと。

あの人、竜人だったはずだけど私と同じ転生者なのだろうか?

そんな事を考えながらトーストをモチモチと食べる。

黒パンではなく白パンを出し作れるのが嬉しい。

ハムエッグもあり、パンに乗せて食べたいが流石に乙女としてどうかと言われたので今はしない。

町の外なら遠慮なく乗っけますとも!

この喫茶店は翠燕亭と言い、この町でお気に入りになった見世の一つである。

モーニングを出してくれるのだが、頼めばコーヒーではなく紅茶を出してくれるのだ。

私は紅茶党だ。

前世の知識では緑茶やほうじ茶、玄米茶の知識ばかり入ってくるがこの世界では高級品で今の私では状飲することは出来ない。

そもそも、この体に日本茶の味が分かるのかすら微妙なところだ。


トーストとハムエッグ、サラダを食べ終えて紅茶を楽しんでいると、一人の男性が喫茶店に入ってきた。

金髪で短く切り揃えて、薄緑の上品な上着を着た男だ。

結構な装飾が施された剣を帯びている。

さっきサブマスと話していた人だ。

店内には朝のティータイムを楽しむ女性たちも居るので、彼の容姿に少しざわついていた。

いや、彼イケメンですから・・・

彫りの深い容姿に鋭い目付き、太いが整えられた眉、若き美形の武人といった感じだ。

そりゃ町娘は浮わつきますとも。

私?私の場合、前世の知識を観ていたときに「創られた美形」と言うものを散々見せ付けられ、更には私のお兄様達が困るほどに美形だったので耐性が付いてしまったのだ、浮わつく理由がない。


そんな彼は窓際の席に座り店中の視線を独占していた。


「すまないが、この紅茶セットを頂きたい。」

「か、かしこまりました!」


ウエイトレスさんも緊張しながら対応している。

見ていて面白い。


紅茶が運ばれて来てからは、店中が彼の一挙一動に溜め息が出ていた。

イケメンのテンプレと言うべきなのだろうか?

私は飽きて髪が伸びてきたので切りたいと考えている。


二杯目の紅茶を飲みきったので見世を出ようとする。

この店、モーニングの飲物は二杯目まではサービスで無料なのだが、それ以上は追加料金になるのだ。

料金をテーブルに置き、店を出ると同時に彼も店を出てきた。


「待ってくれ!」

「はい?」


嫌な予感がしないが、呼び止められてしまった。

駆け出して逃げてしまえば良かったかもしれないが、後の祭りである。


「何か私にご用でしょうか?」

「あ、いや、その・・・君が何故こんなところにいるか分からないが、以前見たときから好きだった!お、俺と結ばれて欲しい!!」


私は逃げ出した。

ここから第二部的な感じになっていきます

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