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姫、町への帰還、想い

町へ帰ってからは黒化した人達と勘違いされ、迎撃されかけたり、何故逃げなかったのかと怒られたり、アキラさんがサブマスを煽って更に怒られたりちょっとしたトラブルがあった。


その日は無事に帰ってきたことと、黒化して帰らぬ人となった仲間を偲び、宴会になった。

亡くなった人達に「悲しいけど自分達は大丈夫だ、心配しないで逝ってこい!」と言う冒険者の流儀らしい。

私も誘われてお酒を飲まされたのだが、記憶が無くなっている。

それから町全体で私の飲酒が禁止された。

解せぬ・・・


次の日、私はサブマスに呼ばれて何時もの部屋に来ていた。



「依頼、お疲れさまでした。

嫌なトラブルが重なりましたが、貴女には良い経験になったかもしれませんね。

他の者も想うところがあったようですし、全体的に空気が引き締まった感じもします。

特に、今回2回連続でこの付近で黒化が発生しています。

何が起こるか分からない状況ですので、貴女も気を引き締めて下さいね。」

「はぁ・・・それで、私は何のために呼ばれたのでしょうか?

ギルドの皆さんからホールで働けと言われてまして・・・」


そう、戻ってきた次の日から働けと言われているのであった・・・

昨日まで遠出をしてて、且つ昨日は死闘まで繰り広げてたというのにこの始末である。

他の人達は三日ほど休むとか、今日は休んで明日から鍛え直す!とか言っているのに、私は制服を着て働かされているのだ。

休みを下さい!!


「休みに関してはアトで考えますので、不満全開の顔は止めて下さい。

1週間以上看板娘が居なかったのですから、皆も不安だったんですよ。」

「心を読まないで下さい。」

「それとは別の話になりますが、貴女は仮にも王族でした。

いや、今でも王族なのですが、他の国の王族と、このウインダムの王族とは会ったことがありますか?」

「いえ、御座いませんわ?元々は城の離れの屋敷にメイド数人と護衛の騎士のみだけで暮らしていましたので。

外からはお祖父様とお父様、お母様、お兄様方、後は教師の方々のしか見たことがありませんでしたわ。」

「そうでしたか・・・其を聞いて安心しました。」


サブマスが眼鏡を直し、安心したように溜め息をついていた。


「明日に、この国の兵士たちが町に到着するのですが、一つ不味いことが分かりました。」

「マズイとは?」

「この国の第二王子が一緒に来ていることが分かったのです・・・」


確かに、それは不味い。

この町は大きい方なのだが、王族や貴族が喜ぶような建物が無いのだ。

町長の家にしても、少し大きめのお屋敷でそこまで豪華な物でもなければ、良い造りでも無いのだ。

後は、大きめの宿屋が数件と、このギルドがあるくらいである。


「とりあえず、貴女が他の国の王族と面識が無いのはわかりました。

貴女の事が知れたらどんな問題になるか分かったものではありません。

それと、明後日にはガンバルティアの方からも兵が到着するそうです。

兵を率いているのは近衛騎士団の三席だと聞きましたが、貴女の葉梨を聞く限り、貴女とは面識が無さそうですので安心しました。」

「はぁ・・・」

「どうしました?端切れが悪い答えになっていますが。」

「いえ、何か忘れているような、引っかかるような感じがシマシテ?」

「何の事に関してかは分かりませんが、思い出して、重要な事だったら教えてください。

何かしら対策が必要になりますので・・・

話はこれで終わりですので、死後とに戻ってください。」

「かしこまりましたわ。」


と、何かを思い出しそうで思い出せないまま仕事へへ戻るのだった。

そしてそれは数日後に事件となって思い出すのであった・・・

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