姫、武器を借りる
その叫びは人のものでも、獣のものでもなかった。
体の中に存在する空洞に強い空気圧が入り通り抜ける音。
あるは人としても、獣としても声を上げることが出来ない化け物だ・・・
今も体を蠢かし、形状を変え続けていく。
「よくわかんねぇけど、再生能力?や細胞の増幅が止まらなくて?無限に増え続けるみたいで、検査と検証は終わったんだけどよ、処理に困ってた土古路をもらったんだわ。」
キャハハと笑いながらヘンリーさんの元に戻るベルンディッデ。
ヘンリーさんに至っては彼女の影から伸びる黒い物に縛り付けられてしまっている。
「お、良い腕あんじゃん?」
死体から片腕を拾い上げ、己の千切れた腕にくっつけていく。
サイズが違ったいたが、彼女の腕側から別の生き物のように動き、とりつけた腕を飲み込んでしまった・・・
その腕はピエールさんのように蠢き、黒くなり、やがて彼女の元々の腕と変わらぬ形へと変わっていった。
「本来なら来んなふうになるんだがよ、コイツは増え続けちまうんだ。
たのしんでくれよぉ?」
形が定まらないピエールさんがゆっくりと迫ってきてる。
他の人達も戦闘が長引いているが、ピエールさんにまで気を配っている余裕は無さそうだ。
都合の良いことに、アキラさんを狙ったいるようだ。
「エリーさん、相手の特性は分かりました。
一撃で決めなければ復活してしまう可能性があります。」
「ええ、大体の予想はつきますわ。
あれを止められるだけの魔術がありますの?」
「ありますね。
お約束と言いますか、少しだけ時間が必要でして・・・」
「分かりましたわ、出来るかどうかは分かりませんが足止めをしてみますわ。」
「助かります。
良ければ、これを使ってください。」
何もない空間から一振りの戦斧が出てくる。
銀色で金の細工が入った豪華な斧だ。
「良いんですの?」
「あげませんよ?」
「ケチですのね」
柄まで入れれば私の身長を越える斧を掴み、ピエールさんへ構える。
あれはまう、ピエールさんでも、人間でも、獣でもない。
ここで倒さないともっと悲劇を生み出す。
「行きます!」
ちょっとリアルでゴタゴタしておりまして、小出しが続いてしまってます。
申し訳ないです。
明日の更新では戦いを終わらたいと思ってます。




