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姫、お買い物をする

今日は1日オフになり、ギルドから報償金が出たので買い物に出ることにした。

先ずは冒険者として必要なものを買わなくてはならない。

真っ先に武器屋に行こうとしたらアキラさんに止められた。

長年旅を続けている年長者からの忠告として必要なものを丁寧に説明してくれた。

ありがたい。大変ありがたいのだが、何処か腑に落ちない。


「何故そんなにも親切に教えてくれるんです?」

「見てて危なっかしいんだよね、目的地に着いてから必要なものを持ってき忘れてたり、必要なものすら分からずに出発しそうで・・・」


ぐぬぬ、冒険者に必要なものを分かってなかったので言い返せない。

さっき貰ったお金だけでも十分な装備と持ち物は買えると言うので、その親切に甘えることにした。


「まずは日用品だね。

最近は冒険者セットとか冒険者になるのに必要最低限の日用品なんかを詰め込んだ小さなバッグが売ってるからそれを買うと良いよ。

男性用と女性用で分けられてるから間違えないようにね。」

「予想を裏切るくらい便利なバッグが売ってますのね・・・」

「昔はバラバラで売られてて色んな店を渡り歩いて集めたものさ・・・」


アキラさんが昔を思い出してブツブツと文句を言い始めている。

止めるのも面倒なので放っておく。

勇者のパーティーがとか国が用意するものとか言っているが、昔に勇者にでもあっているのだろうか?


そんなことを考えながら冒険者はの中身を確認する。

小さなナイフや石鹸、何枚かの布の切れ端、包帯、毒消しと書かれた丸薬入りの小箱、浄水装置と書かれたロート、歯ブラシまで入っている。

これは便利だが、気になるのが『カレー粉』と書かれたキューブ状に固められた物・・・

カレーってあるんだ・・・

前世の私が好きだったようで、スパイスからの作り方まで知識に入っていたが、必要ないようだ。


「ああ、カレーは僕の昔の仲間が開発した調味料だよ。スパイスをふんだんに使って作るものだから高価になっちゃって、冒険者バッグには二つだけしか入れられなかったんだ。

もう少しスパイスが安くなれば味のバリエーションを増やせたんだけど、まだまだ高いんだよね。」

「そうだったんですの・・・って、コレを作ったのは貴方ですの!?」

「正確には昔のパーティー、規模的に言えばクランで考えたんだ。これから冒険者になる人達の助けになればって、ね。」


この人、本当に凄い人だった。

女の子に浮かれて無駄に喋ってる人じゃなかった。


「そうだったのですね。

では先人の知恵をありがたく受けさせていただきますわ。」

「そう言ってもらえると嬉しいね。

あと、こっちの革でできたシートを買っていくと良いよ。手のひらサイズだけど広げれば成人男性一人を包める大きさになるから色々と便利だから。」


色々と便利な物があるようだ。

一部、魔法と科学が合わさって前世の知識よりも便利な物がある。

ここら辺は召喚された勇者達が産み出していったそうだ。

なので、私は知識チートと呼ばれる事が出来ないようだ・・・


この店だけで冒険者に必要なものと言われる物が揃ってしまったようだ。

ついでに動きを阻害しない程度の中型の肩掛け鞄を購入した。

これで当面は問題無いらしい。あとは不足に感じたものを好みで入れていくのだと言われた。

せっかくなので、飴の入った缶を買っておいた。


さあ、次は本命の武器屋だ!!

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