姫、怒られる
「しつれいします。」
一言断りを入れ事務室に入る。
ここには基本サブマスとギルドマスターの机と資料棚しかないので普段はサブマスしか居ない。
考えてみれば私はギルマスに会った事がないのだ。
サブマス曰く、私とは入れ違いでウインダムの首都に出たらしい。
そのまま別の仕事で帰ってこれないとかなんとか・・・
「ああ、来られましたね。」
いつも通りサブマスが机で事務処理をしていが、他に人がいるのだ。
ここに来てから多少の時間は過ぎているが初めて診るひとだ。
「やあ、はじめましてかな?初めてじゃなかったらゴメンね。さいきんは沢山の人と会いすぎて自分でも把握出来ていないんだ。」
「いえ、私は初めて御会いしていたしましたわ。
はじめまして、私はエリシャールと申します。」
突然変な挨拶をされる。
失礼なのだが、それを感じさせない。
みてみれば、逆光になって見えにくいが髪の毛も膚も真っ白だ。
アルビノと呼ばれる症状なのだろうか、私の記憶と前世の記憶を合わせても初めて見た・・・
男性だが細く儚げな顔をしており、憂いをおびただしような表情と合わさって神秘的に見えてしまう。
「なぁなぁ、クレイン君、聞いたかい?やっぱり女の子はこんな風におしとやかな感じじゃないと駄目だよ!ついつい守りたくなっちゃうよ!」
「聞いてます、貴方の女声の好みは嫌と言うほど聞きましたから、少し黙っていてくれませんかね?」
前言撤回、駄目な他人のようだ。
サブマスに対してこんなに砕けた接し方をしている人は初めて見た。
「申し遅れたね、僕はアキラ。
こちらだとアクィラとか少し訛った言い方をされることがあるからどちらでも良いよ?
今日は休みなさいクレイン君に用事があってきたけど、後にした方がいいかな?」
「いえ、今回は貴方も少し噛んでいる話なので今後のためにこの子を紹介させて下さい。」
「分かったよ。」
結構仲が良いようである。
「さて、エリー。ここに来て貰ったのは先日の大狼の事です。
貴女はまだ冒険者ではありませんが見事大狼を一体討伐しました。
これは本来なら誉められることであり、冒険者ならばBランクにまで昇格されているほどの功績です。
ですが、貴女はまだ冒険者てはなくギルドの職員です。更に言えば見習いです。
私は待機を命じたはすですよね?
なのに何故貴女はあそこで戦っていたのですか?
ルークから貴女の強さは聞いてます。
しかし、貴女は自身の魔力限界を知らない駆け出しにもなっていない子供です。
確かに貴女の行動で救われた人は居ます。」
あ、これは長くなるな・・・
そう思って聞いていると、サブマスの隣に居たアキラさんも困った顔をして微笑んでいる。
この感じだと他でも説教が長いのだろう・・・
一時間で済めば良いのだが・・・




