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姫、初めての休暇

ギルドで働き、刺繍を平行して幾分かは借金の返済速度が上昇した。

実際は刺繍の儲けで返済出来る分の資金は集まっているのだが・・・


「店主様?この装備と武器はこんなにも高価な物なのです・・・の・・・?」

「いんや?本来のものならもっと安いんだけどね、お嬢ちゃんの使ったと言う鉈を見て、欲しい武器と言われた物の中では耐えられそうなものがこれくらいしか無かったんだよ。

防具に関しては小さい分、ゴブリンや他の子供向けがあるから多少は安いものにしているんだかねぇ」


大量の髭を蓄えたドワーフの老人がすまなそうに告げている。


仕事を幾分かは回せるようになり、余裕が出来た私は休みがもらえたので、休みを利用して意気揚々と武器屋にやって来ていた。

考えてみれば、この町に来て目覚めてからギルドで働き1ヶ月。

まさかの休み無しである!

しかも、営業稼働時間は朝の6時から夜の9時まで!

その間の休みはある程度の小休憩は個人の判断で行けるが、大休憩は2回のみである。

まさにフルタイムジョッブ!前世ならば労働基準法違反で訴えられるレベルだ・・・

この手の法律関連の知識が出るわ出るわで、前世のの私は何をしていたのか気になるが、分かってはいけない気がしてならない・・・

この世界には労働基準法など存在しないのだ。

この知識、今は捨てておこう。


そう、武器屋に来たのである。

この町で一番大きいと聞く武器屋までやって来た。

ドワーフやゴブリンがせわしなく働いており活気に溢れている。

ギルドで何度か話したことのある人たちも来ていた。


「おう、ギルドの嬢ちゃん!お使いかい?」

「ヘンリー様、いえ、私自身の武器が欲しいと思いこのお店に参りました。」

「あぁ、あの冒険者になるって話は本当だったんだね・・・」


苦笑いをして「なんでこんな子が冒険者に・・・もったいない」とブチブチ言っているようだが捨て置く。


幾つもの武器が並んでいる。

誰もが使う短剣から始まり、剣、槍、斧、弓矢、盾に鎧、更には罠や暗器まで・・・暗器っておおっぴらに販売して大丈夫なのだろうか?

その中から斧のコーナーへと足を運んでいた。

剣や槍等も考えていたのだが、以前の戦いで手斧での戦いがしっくりきたからである。

鉈も使っていたが、剣はナタト違い脆すぎるので簡単に折れてしまうのだ。

いや、私の使い方が下手なのは分かってはいる。


「お嬢ちゃんは斧が欲しいのかい?」

「はい、片手で扱える大きさで丈夫なものを求めていますわ。」

「ほっほっほっ、女の子で緒のを選び、尚且つ耐久性重視とは珍しいのぅ」


気がつけばドワーフのお爺さんが隣に来ていた。

気難しい正格の多いと聞くドワーフには珍しく気さくな感じが醸し出されている。


「どれ、ワシがお嬢ちゃんの武器をみてやろう。

その腰にある鉈を見せてもらえんかの?」


ベテランに見てもらえるのならありがたい。

そう思い私は鉈をお爺さんに手渡した。


「これはいかんの。

確かに、お嬢ちゃんは剣や鉈を使うよりも斧の方が良いかも知れん。こんな使い方をしたら剣がもたん。

この鉈ももう少ししたら寿命じゃ。

これほどの力に耐えられる片手斧は限られてしまうのぉ・・・

ちょっと待っていてくれんかの?」


難しい顔をしてお爺さんは店の奥に入っていった。

そうして私の武器選びが始まったのだ。


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