姫、借金返済への道
「今後の事を検討する前に伝えなければいけないことごがもう一件。
貴女が連れてきた女の子ですが、襲われた村の村長の孫娘と言うことが分かりました。」
突然の借金宣言に茫然自失になりかけていた私に眼鏡が告げる。
「こことは別の町に親戚が居るとの子とでしたので昨日にこの町から出ていきました。
助けられた事は憶えていなかったようでしたが、ありがとうと仰っていました。」
「そうでしたか・・・親戚が居るのなら安心出来ますわね。」
私は安堵の溜め息を吐く。
生きていてよかったと、頼る当てがあって良かったと。
「さて、次は貴女の問題ですね。
本来ならば冒険者になって頂き、その力を振るってもらいたいのですが・・・
借金がある状態では未成年に冒険者として登録を許すわけにはいきません。
まずは借金を返していただくためにこのギルドで働いて頂きます。」
「はい?」
「ここのギルドは仕事を受けるだけでなく、昼は食事処、夜は酒場として店を開いています。
貴女には住み込みで働いてもらおうと思います。
ここから出ても一文無し、泊まる場所も無ければ頼る人も居ない。
悪くはないと思いますが、いかがです?」
財布もなければ所持金マイナスの私はそれに従うしかなかったのだった・・・
「は、はい、よろしくお願いしますわ・・・」




