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姫、前世に目覚める

熱と倦怠感にうなされながら今までの人生が思い出されていく。

14年と言う短いものだったが、優しい両親、兄弟、祖父に恵まれたものだった・・・

「皆様、ありがとう御座いました。エリーは幸せでしたわ。

一人、自分勝手な死を御許しください・・・」

そう思い頭の中で流れる思い出に違和感を覚えた。


これは私の記憶ではない。

これは・・・



前世・・・



別の世界で生きた私の記憶・・・


頭に記憶の映像と知識が流れ込んでくる。

前世の私は男性だったようだ・・・

しかし、前世の私の意識や思い出が出てこない。

まるでテレビを見ながら分からない項目を都度辞書で検索して確認するような感覚。

前世の私はどんな殿方だったのであろうか・・・

どんな両親に育てられ、どんな恋人に出会い、どんな子供を授かったのだろうか?

どんな人生を歩んだのだろうか?


調べようとしても意識全体にノイズが走り、砂嵐のような映像になる。


思い出したくない前世なのだろうか?

前世の私自身が記憶と感情を譲渡することを拒んでいるような事が理解できる。

とても奇妙な感覚だった。


どれくらいの時間がたったのか分からない。

前世の映像と知識を見終わったら私は何事もなかったように目が覚めた。


細く長い箱の中で。


「狭いですわね・・・」

目覚めは棺桶の中から!

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