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姫、神と候補者

「いえ、御断り致しますわ。」


良い音を立てて神様が転んだ。


「何ともまぁ切りの良い返しだねぇ・・・」

「それはもう、神様になって何があると言うんですの?

今の神様や他の神様の話を聞いていると絶対的な存在と言うよりは管理者にしか見えませんわ。

そんなものを1000年以上続けるだなんて、ただの拷問ではありませんの?」

「意外と鋭いことを言ってくれるね・・・

叔父さん的には間違ってはいないと思うけど、メリットはいくらでもあるよ?

例えば、好きなときにお忍びで美味しいものを食べに行ったり、国規模での自然管理は中々に熱中出来るものだね。特にヒトと言う不確定要素が熱くさせてくれる。

しようとは思わないけど、色々と悪用も出来たりする。

君の場合だと、好きなときに強い相手と戦うことも出来るね。」

「ふむ・・・」


最後のはじつに魅力的である。

悪用は想像できるが、そういったことには興味は湧かないのでスルーしておく。


「叔父さんの後釜って訳じゃないよ?

ここではない別の領域の神だ。

エリーちゃんの場合は人神だね。」

「確か、南方にある龍帝山脈を越えた先にある場所でしたわね?

そこには何がありますの?」


この大陸は龍帝山脈によって三つに分けられており、三つの地域毎に文化が別れている。

基本、ヒトに龍帝山脈を越えることは出来ないので海路を使っての交流になる。

この獣神領域と邪神戦争の舞台となった魔神領域は交流が盛んであり、様々な物資や情報が行き来している。

だが、人神領域だけは海路を岩礁や潮の流れなどの影響で交流が難しく、限られた貿易のみとなり、向こうの情報があまり入ってこないのである。

曰く、帝国が統一する大きな国である。

曰く、人間至上主義で魔族は悪であり、獣人亜人は奴隷もしくは家畜であると。

曰く、統一支配であるが管理が上手くいっておらず広大な国であるものの全体的に豊かとは謂えたものではないと。

あまり良い噂は聴かない。

私も最後に聞いた噂は、魔王が表れ帝国の姫様を拐ったと言う話だ。

一体どこの昔ばなしだと言うのか?


「ならば、なおさら興味がありませんわ。」

「そっかぁ、ま、それならそれで問題ないさ。

人の御子と呼ばれたのはエリーちゃんが人神の次の候補にあるって事なんだ。」

「はぁ!?そんなこと初耳ですわ!?」

「普通、その歳では選ばれる事は無いんだけどねぇ・・・

人神も早く引退したいのかな?この間会ったときもかなり荒れてたし。

叔父さんも引退したい。」

「そんなことを聞いたら更になりたくありませんわ・・・」

「候補と言っても、他に候補者は居るから絶対にって訳じゃないからね。

叔父さんの予想は魔神領域の勇者だね。」

「勇者って、あの邪神戦争の勇者様ですのよね?」

「そう、ミヤコちゃんとアキラ君のパーティーの勇者だね。

あの戦争の後に国を興し、魔神領域の主軸となる国を作り上げて、今じゃ引退して領域内のバランスの維持に努めてる。

出来すぎた聖人だよ。

一度あったけど、あれは人でありながら神の領域に足を突っ込んでたね、もう戻れない。

だから、次の人神候補と見てるよ。」

「勇者様、国王を引退してましたのね・・・」

「そんなんだから、エリーちゃんはさっきの話を深く考えなくていいよ?

もっと別の選択肢も出てくるはずだしねぇ」


そこからは、この世界で何が美味い、神様のお薦め料理ベスト10だの、どの国の宿がすばらしかった等の話だった。

宿の話ではその大半の国が亡くなっていた・・・

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