姫、独断先行をする
王子の言葉と共に兵士が走り出す。
破壊された街を指をくわえて見続けたのだ、冷静にしていても溜まっていたものはある。
それを爆発させんと勢いにまかせ走り出す。
私も待ってましたと言わんばかりに走り出す。
先日、神の力を扱えるようになってからと言うものの、黒化した生き物を見ると倒したくて仕形がないのだ。
特に今回は数が多いので、抑えるのに苦労したがようやく行動出来る。
「エリー!独断先行は危険だ!せめて二人ほど護衛をつけて行くんだ!」
全速力とまでは言わないが、それなりの早さで走り出していたが、兵士や王子は追い付けていない。
ルークなら簡単に追い越していくのだが、今は王子の護衛だ。
王子が何か言っているが、既に聞こえなくなってしまった。
言いたいことは分かっているが、この衝動は止められない止まらない。
ハードルを越えるように塀を通り過ぎる。
二体の黒化したコボルトが見える。
塀を越えたタイミングで2匹同時にこちらを見つけたので、塀を越えた存在を感知出来るようになっているようだ。
だが・・・
「ちょっと、遅いですわね。」
斧は抜かず、膝をコボルトの顔面に撃ち込む。
顎の付け根から頭蓋を砕く。
近くに居る二体目の頭をつかみ、位置を修正。
右足を鞭のようにしならせ、後頭部へ一蹴り。
頭部が綺麗に放物線を画いて飛んでいった。
王都の中は白い壁で作られた建物が多く、こんな状況でも無ければ美しい街並みだったのだろう。
今は所々壊され、血で赤や黒で彩られている。
死骸などが見当たらないのは、食べられたのだろう。
黒化した者は生殖行為で子が出来ない非感染者は食糧としてみなすようで、食べてしまうのだ。
また、死骸の場合は黒化関係無く食べてしまう。
その姿は死肉喰らいと読んでも過言ではないだろう・・・
生殖行為が可能な分、アイツ等よりも質が悪いか・・・
そんな事を言ってみた考えながら先に進む。
道は分からないが、感覚に従い行かなきゃいけないと感じる場所へと走る。
黒化したコボルトやゴブリン、小人等を見つけるが気が付かれる前に頭を撥ね飛ばすか、首を折ったり、顔を潰している。
出会う黒化のほとんどが一人か二人で徘徊しており、足取りも覚束無い状態だった。
こいつは等哨戒役と考えるべきだろうか?
出会い頭に特攻したり、不意打ちをしたりしている私が言うのも何だが、弱すぎる。
走りながら疑問に思っていると、状況が変わった。
道を抜けると、王都の目抜通りなのだろう、見たこともない大きな通りが現れた。
奥には真っ白な城が見えており、その前に大きなじょうもんも確認できる。
更に、その前には大群の黒化した人達が。
人間やオーガ、大型獣人、エルフ、見たことのない種族が入り交じって、全てが黒化していた。
思わず口元が緩む。
「あぁ・・・コレですわ・・・コレが私を呼んでいたのですね!!」
思わず声が出てしまった。
その声に釣られて、近くにいた黒化した人達がこちらを見る。
真っ赤に充血し、魔力で光る瞳。
幾重にも輝きが重なり、まるでイルミネーションのようだ。
いけない、行かないと、戦いたい、殺さないと!
私の中で扉が一つ音をたてて開放された。
あれよあれよと言うまに100話目になっていました。
一話一話が短いのであまり実感はありませんね・・・
これからも戦闘狂な姫様を書いていきますのでよろしくお願いします。
個人的には後五本くらい別の話があるので順々に出していきたいんですが、まずは屠り姫が終わってからで




