姫、毒で生死をさ迷う
今の私は夢を見ているのだろうか?
体を焼き尽くすような熱さと埋め尽くすような倦怠感。
原因は毒。
私自身が進んで飲んだからだ。
なぜ?
私は栄えあるガンバルティア王国の姫であり、王家の人間で唯一の金髪だったからだ。
我が王家は銀髪のみが産まれる端から見れば一風変わった血筋であり、その誰もが銀髪であった・・・
そう、私を除いて。
古来より、ガンバルティア王国では王家の人間から銀髪以外の者が産まれた場合、国に災悪をもたらすと言われてきた。
そんな中産まれてきたのが私、エレノア・ガンバルティア。
現国王の孫娘だ。
最初に間引いてしまえば良かったのだ。
だが、国王は優しく孫としては初の女の子を殺せなかった・・・
既に後継者は複数居たが、国民には内密に育てられた。
私が14になる頃、災悪は起こった。
モンスターの異状発生と疫病の蔓延・・・
天災とも言えるものが同時に発生。
原因はあるのだろう、しかし、調べる前に忌み子の存在が発覚した。
そう、それが私だ。
優しき祖父は忌み子を原因とせずに本当の原因を探せ!と仰った。
父も祖父の代理として国を回り原因を探した。
しかし、原因がわかる前に城内、国内の不安は私に向いてしまっていた。
ならば私のすることは一つ。
この身で国民の不安を消し去ることだ。
幸いにも毒は直ぐに用意された。
忌み子が自ら居なくなるのだ、それは喜ばしい事なのだろう。
そうして私は杯に注がれた毒を飲み干した。
味は無かった・・・
意識が混濁し、熱と倦怠感どうなされながら私は思い出してしまったのだ。
前世の記憶を
始まりました見切り発車のお姫様。
物語を色々と考えている中で「まずは書いてみよう!」と産まれたお姫様、はてさてどんな活躍が待っているのか・・・