2話 ワイバーンなんていない、いいね?
前回に引き続き短いです。いろいろと手探りでやっておりますので、ご容赦ください
9月3日に投稿するといったな?あれは嘘だ(コマンドー感
「も、森だ・・・」
「も、森だね・・・」
目の前に広がる森を前に、唖然として固まっている女性―――小鳥遊桃香は、自分の横で、上を向いて真っ青な顔をしている従兄、神代小春に、これはどういうことなのか、説明するように促したが、返ってきたのは、
「モモちゃん、ゆっくりと顔をあげて、上を見てくれ・・・」
という、掠れた声だった。言われたとおり、ゆっくりと上を見た桃香は
「―――え?何、あれ・・・わ、ワイバーン・・・?」
と同じく掠れた声を出した。そう、ほぼ真上を、いかにもワイバーンっぽい生き物が飛んでいたのである。それにしても、一目見てさらっとワイバーンと言うあたり、割と日本のオタク文化に毒されているのかもしれない。とりあえず小春に判断を仰ごうとして横を見ると、何やら下を向いて小刻みに震えているようだったので、怯えているのかもしれない。
「ハル兄大丈夫?」
「―――た・・・」
「―――え?」
「―――い――た・・・!」
「な、何・・・?」
「い、いい、異世界、キタ―――――――!!!上司に怒られなくて済むぞおお!!」
「喜んでたよっっ!!しかも理由くだらないっ!?」
違った。むしろ思いっきり喜んでいた。しかも理由がくだらない。思わず口に出すほど上司のシゴキがきつかったのだろうか。どこかずれた男である。小春はとりあえず、今日の予定を告げるべく、桃香に向きなおった。
「モモちゃん、今日の予定だけど―――」
「う、うん・・・」
「とりあえずワイバーンっぽい奴は見なかったことにして、食糧の備蓄と各種インフラが使えるかどうか確認しよう。」
「う、うん、分かった!私たちは何も見てないんだから、備蓄や設備の確認がゆうせんだよねっ!」
2人とも、ワイバーンを見なかったことにして、食糧などの蓄えを確認することにしたようだ。
問題の先送りともいう。先送りは血筋のせいだ。現実逃避ではない。多分。
こうして2人は家の中へと再び入っていくのだった。
誤字・脱字等有りましたらご報告願います
9月3日までは不定期投稿ですが、3日以降は定期更新できる予定です