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おとなりダーリン。  作者: 坂戸樹水
23/36

23 (ユーヤのツブヤキ4)


「しがないサラリーマンじゃなくて……」



『嬉しいだろぉねぇ、その作曲家! 

そんなに絶賛されてるとは、知る由もなーい』


『ユーヤ君はユーヤ君の才能を伸ばすんに頑張ったらイイんだよ。絶対に。

きっと、何処かで そのセンセイは見守ってくれてるからっ、』



「石神サンが、」



{石神亮太郎、本人……?}



 布団に寝かして俺が呟くと、石神サンの目が僅かに開く。



「ユ、ヤ、君……?」


「……、」



 俺は何て言えば良いんだろう?

混乱してて、何が何だか分からない……


 石神サンの目は熱でダルそうながら、ココが何処なのかを ゆっくり見回して確認している。

そして、自分の部屋だと思い出すなり、息を飲んで目を見開く。



「な、何でココにユーヤ君がいる、ワケ……?」


「ぁ、あの、俺、看病……」



 別に、やましい気持ちがあったわけじゃなくて、

いつもお世話になってるし、俺がホームシックにもならずに一人暮らし何て出来るのは、石神サンが お隣にいてくれるからで、だから、本当に、純粋に……

石神サンに何かあったなら、その時は俺が1番に助けたいって、ソレだけで……


 でもソレは、俺の独りよがりだったのかも知れない……


 石神サンはゴクリ……と喉を鳴らして体を起こすと、



「か、――帰れ……」


「ぃ、石神サン、」


「帰れよ!!」


「!!」



 苦しそうに絞り出される石神サンの声……

俺は石神サンの熱で火照った手にドン! と突き飛ばされた。

大した力は無い。けど、俺は腰を抜かして、



「石神、サン……」



 全部、全部、ショックだったんだ。

この部屋での出来事が処理できなくて、走って部屋を飛び出す事しか出来なくて……




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