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オレはノンビリ席へ戻る。
そぉすりゃ皆して帰り支度 整えてっから、またまたビックリ。
「え? なになに? もぉお開き?」
「いや、2次会ですって、石神サンも行きますでしょ?」
「ちょっと歩くんですけど、ダーツバーがあるんで、そこで飲み直しましょうよ!」
ダーツバーねぇ。
学生以来だけど、もしかしてコレはユーヤ君の悪知恵の賜物?
だからって どーすりゃイイのか分からんでいると、ユーヤ君がオレの隣に滑り込んで来る。
「石神サン、石神サン、」
「ぉ、おぅ? なになに?」
ユーヤ君にピタッと擦り寄られて思わず狼狽えちゃってるオレ、うぶい。
上目遣いで見上げてくるユーヤ君は、声を潜める。
「移動中にサラッと抜けちゃってOK何で」
「つってもさぁ、」
「大丈夫ですって、浅野先輩にも承諾して貰ってますからっ」
「え? マジで?」
「マジで。浅野先輩も石神サンと ゆっくり話したいって言ってますから、ね? ね?」
うわぁ~、良く出来た子だわぁ、この子ぉ!!
女の世話までしてくれンの!? どーゆー素晴らしスィ育ちしてんだよ!
あざース!!
「でも、ユーヤ君は?」
「俺はダーツバー付き合いますよ! そこね、ビリヤードも出来るんです!」
「なに、好きなん?」
「今、超ハマッてる!」
うわぁ、楽しそぉ~~カワイイ~~
まだまだ遊びを優先しちゃう辺り、お子チャマだわぁ~~
ちっと安心した。育ち盛りなジャリん子みたいで。
ユーヤ君には やっぱり健全でいて欲しい。オレ的に、そぉ思っていたい。
と言うコトで、オレは浅野女史を お持ち帰りさせてイタダキマス。
残していくユーヤ君が気がかりだけど、そんなコトより自分の脳内を健全に戻したいって方が優先なんだ。
(脱・女日照り!!)
ダーツバーにハシゴする道中、オレと浅野サンは愉快な仲間達の目を盗んで路地裏に身を隠す。
そんなハードボイルドな一幕に揃って腹を抱える。
「プププ! 何か、緊張した! 恥ずかしいね!」
「ユーヤ君が露骨だったからっしょ、ギャハハ!」
「本当、可愛い顔して露骨だよねぇ、あの子ぉ!
だってね、いきなり私に『石神サンの事どう思う!? 一晩どぉ!?』とかって聞くからぁ」
「で? で? 浅野サンは何て答えたん?」
「そやぁ、イイよねって」
「ソレだけ?」
「まぁ……大人の『イイよね』は、諸々の意味があるでしょ?
石神サン、女に そうゆう事 言わせるのが好き?」
浅野サンは照れ臭そうに笑う。イイねぇ。そうゆう女臭いの大好きだわ。
オレはガッツリ頷く。
「スキスキ。あられも無いコト言わせるのスキ」
「ヤダぁ。サラリーマンとか言って、本当はホストとか?」
「まさかぁ。こんな冴えないホストいたらガッカリっしょぉ」
「そ? 私は冴えてると思うけど?」
「何処が?」
「う~ん、全体的に。見た目なんか特に」
「ありがと」
コレは脈アリ判定でオレの勝利。
部屋には連れてけないから、オレが あの石神亮太郎ってバレんのヤバイから、オレらの2次会は、丁度この真裏にあるラブホで決定だわ。
「浅野サン、年下のオレでも不問なら弄んでくれマス?」
「どうゆう口説き文句!?」
「照れ隠しの賜物」
「も、もぉ……不問に決まってるでしょっ? ホラ、行こ?
私この辺 詳しくないから、普通に連れ込んでくれれば身構えなくてイイんだけど?」
「ンじゃ、迷子になったってコトにしてぇ、この道 突っ切ってラブホ行っちゃお~~」
「アハハハ! 石神サン、直球すぎる! アハハハ!」
浅野サンの手をとって、オレは邁進。
彼女はオレの救世主だよ、女神だよ。
何だかんだ抱ける女がイイって下衆なオレにとって、こんなノリノリの肉食系は有り難いんだ。
(ユーヤ君、大丈夫かな?
朝からピアノの練習して、昼間はバイトして、夜は合コンで、結構 疲れてんじゃねぇかな?)
出来るだけ早く隣人のコトは忘れたい。
一目ボレから、ただの弟系隣人に降格させたい。
ひとえに、そんな努力の賜物だ。
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