何も云えないはずはないのに(☆)
「ハルショカ」内の「何もいえない」の二人の話です。
「如月・弥生」内の「サヨナラホームラン」及び「夏時間、君と」内「私を野球場へ連れて行って」「ふつうの恋人」に関連していますが、未読でもお楽しみいただけると思います。
アドバンテージがこちらにある、なんて思ってたらまんまと足元をすくわれた。
仕事帰りの街中、反町君がにこにこ顔で女の人と歩いてるのを、見てしまった。
彼にお姉さんや妹さんがいないことは、高校生の時にリサーチ済みだ。もしかしたら、その後何らかの理由で義姉さんや義妹さんが出来たのかもしれないけれど、そんな風に考えるよりもっと想像しやすいのは、親しい異性の友人、とか――ああもう、なんでまだこんなに認めようとしないかな。
親密な異性って云ったらその筆頭は恋人でしょうが。
ずばっとセルフツッコミ入れたら、自分の言葉が自分に跳ね返って、ざっくりと心を切った。
見たのは一瞬だったから、どんな人だったかは見てない。私より小柄かな、くらいで。
だって、まじまじと見て、友人じゃないって分かるような親密さが滲み出ているのに気付いたりしちゃったら。
――どうってことない。私は別にあの人の恋人じゃないんだし。
だから堂々と近付いて、挨拶くらいすればよかったんだ。でもすごくびっくりして、考える前に回れ右してしまった。
私はもう、何にも云えなかった女子高生でもない。なのに、まだ時たまこんな風に弱気になる。ハハ、今日もハイヒールなのに反町君のせいで走っちゃった。つま先とかかと、痛いったら。
カツーンカツーンと駅の地下通路に音が響く。ヒール特有の、とんがり切らずどこか丸みを帯びたこの音が、今日はやけに反響して耳をチクチクしてくる。
さしあたって今度の土曜、どうしようね。
もう随分前から約束してあった。反町君のかつての部活仲間、すなわち私にとっても高校の同級生である野原君は、プロでバリバリ活躍しているピッチャーだ。その彼のチームがこちらでやる試合を、一緒に見に行くことになっている(野球は長らく嫌いだったけど、反町君に付随するものとして嫌っていたので、もうそこはクリアだ)。席は任せて! と云われたので、素直にお任せした。どうやら野原君ルートで頼んでくれるみたい。
今日、目撃するまでは心が弾んでた。浮かれてた。
何を着て行ったらいいか、何なら媚びてないか、野球観戦に相応しいか。ちゃんと私も観戦を楽しみにしてたかが分かるか。そんなことでもう何週間も楽しく悩んでた。
ばっかみたい、とすべてをバッサリ切り捨てるのは躊躇してしまう程度に、現状に心地よさを感じていた。
ふった人とふられた人って云う構図が一〇年後の今、ぐるりと入れ替わってからのあれこれ。反町君と時々遊ぶのも、まっすぐ見つめられるのも、そんな時私が目を合わそうとするともの凄く不自然に視線を顔ごと逸らされるのも。あれが全部嘘だなんて、思えない、けど。
でも、次会う時どんな顔したらいいんだろ。
そう思ってため息ついてたら、メッセージの着信を高らかに告げられた。
まったく、どういうタイミングなんだか。神様がいるなら、今履いてるヒールを両方脱ぎ捨てて、それを片方ずつ投げつけてやりたいようなやるせない気持ち。
通路の端に寄って立ち止まり、メッセージ画面を開けば『バックネット裏のチケットゲット!』っていう言葉と、封筒から半分見えた状態のチケット二枚っていう画像。
なんていうか、すごく今までどおり過ぎてさっき見たのが嘘みたく感じるけど、嘘じゃないのは自分が一番よく知ってる。視力、悪い方じゃないしね。
ありがとう、楽しみにしてる。
なんて書こうか散々悩んで、随分経ってそれだけを、送り返した。『一緒に歩いてたあの人と見ればいいじゃない!』なんて返さなかった自分は、結構偉いと思う。
――私のことは、もうどうでもよくなって次のいい人がもう出来たってこと? だからって、それを責める筋合いは、私にはないんだけど。
あの頃と違って、何でもすぐズバズバ指摘してしまう私の口。反町君にムッとされたことだってある(そんな深刻な内容でもなかったけど)。そんなのも、よくなかったのかも。
偶然とはいえ再会して、会うようになってからもうふた月経った。なのに、私は彼が望んだような色よいお返事をしてない。それも、心変わりの理由の一つかな、なんて思ってしまう。早い人ならとっくに見切りつけてもおかしくはない、から。
なにかを諦める方へと大きく傾く。かと思うと、『いやでもあの人って二股とか間違っても出来ないタイプだし』と認めたくない気持ちもまだまだしぶとく生き残っていて。
なんか、もう自分でも自分の気持ちがよく分かんないまんま、観戦当日を迎えた。
待ち合わせは球場、ではなく、二人の使う乗換え駅のホーム、一番後ろ。約束の時間通りに到着した私より少し遅れて現れた反町君は、野原君の球団のベースボールキャップやらTシャツやらメガホンやらロゴ入りタオルやらで、ばっちりフル装備だ。
私も、袖がフレンチ、裾がフリルになったロングTシャツにロールアップしたジーンズで、いつもよりスポーティなコーデにしてみた。
私を見つけると途端に笑顔全開で、小走りしてくる反町君。今までは犬みたい、とか失礼なこと思ってたのに、今日はそんなのも何故かきゅうっと胸がしめつけられてしまう。
球場に近付くにつれて、反町君みたいな恰好の人もそうでない人も増えて来て、最寄駅を降りる頃にはちょっとしたお祭りみたいな人出だった。
毛嫌いしていたこともあって、野球観戦なんてこれまで避けまくっていた私はこの雰囲気が珍しくてついきょろきょろしてしまう。そうこうしているうちに、向こうから歩いてきた人と肩がぶつかってしまった。互いに「すいません」と謝ってから、気を付けなくっちゃと反省していると、ふいに包まれる手。
「はぐれるといけないし、ココ結構分かりにくいから」
「……うん」
そこまで混んではいないし、はぐれたりしないよ。そんな、いつもならすっと出てくる台詞が、喉の奥で潰れる。一〇年ぶりに繋いだ手で、心も一〇年前に引き戻されたみたいにどきどきしてる。
さりげない素振りで、そっと視線を落として盗み見る。私の手は、大きなその手の体温を、覚えていた。
「気持ち悪かったら、離すから云って」
気持ち悪くなんかないよって云いたいのにやっぱり言葉にならなくて、ぎゅっと握り返す。そのまま列に並んでゲートをくぐり、中へと入った。
席に着くと、離れてしまった手。もう繋いでる理由もないしねと、どこががっかりしている自分。
「まだ時間あるから、弁当とかグッズとか買いに行こう」
「うん。私も来た記念になにか欲しいな」
「球場に行ってきました饅頭とか?」
「それは別にいらない」
「じゃあ行ってきましたクッキーは」
「それもいらないよ」
ようやく、ちゃんと喋れるようになる。口にしたのは他愛ないことでも、会話が弾んでなぜかホッとした。
球団マスコットが描かれたクリアファイルと付箋を、職場のお土産用に買い求めて席へ戻る。その行き来が私一人だったらチケットと案内板を何度も確かめつつ行くんだろうなってところを、反町君は一回も見ないで歩いた。ここへ来るまでも迷いのなかった足取りとさりげない段取りで、この球場での野球観戦に慣れてることが分かる。
誰と来たの。嵯峨君と?
気になるんなら、たった一言そう聞けばいい。でも、意気地なしは大きく吸った息をただ吐くだけしか出来ない。
聞けないまま、試合が始まる。
――試合が始まると、反町君は私そっちのけで「ナイスピッチング!」「いいぞ野原!」とフッツーに観戦を楽しんでいた。楽しそうなその様子に、ひとり張り詰めていたのがバカらしくなってくる。
そうだよ、せっかく来たんだから楽しもう。バックネット裏なんて、もう二度と体験出来なさそうだし。そう思って、ちょうど階段を下りてきた売り子のお姉さんに手を挙げた。
「すいません、生一つ」
「あ、俺も!」
通路側には私が座ってたから、売り子のお姉さんから私、私から反町君にリレーして渡した。手が触れる。さっき、私の手を包んだくせにそんなこともう忘れたみたいに、そっけなく離れた。それがなんだか気に入らなくて、乾杯した後いつもより早いペースで何口かを飲む。
いちいち、こんな自分が面倒くさい。だから恋なんて――
「どしたの、手止まってるよ」
反町君の指摘通り、私の手はビールを口へと運ぶ途中で、固まってしまっていた。
「何でもない。球場で飲むビール、おいしいねっ!」
「だろ?」
なんてことだ。
恋が終わりかけようとしているその瀬戸際で、自分の心の立ち位置をようやく分かったなんて。
バシン、と日常ではまず聞くことのない、ものすごい音がキャッチャーのグラブに飛び込んで来て、相手の打者はなすすべもなく次々に凡退する。野原君のテンポ良い投げっぷりに、反町君が手を叩いて喜ぶ。それに見惚れていたから、ハイタッチを求められた時一瞬反応が遅れた。あわてて胸の前に上げた両手に、反町君の手が近づいて、乾いた音を立てて、離れて。
それだけで、泣きたくなる。
せっかくなら、混戦になってうんと長いゲーム展開になればいい。そしたら、終わりの時を遅らせられるから。
そんな自分の臆病な考えを笑うみたいにこの日の野原君はどんどん三振の山を築いていって、九時前にはもうゲームセットを迎えてしまった。
私より早いペースでビールをぐいぐい召し上がってだいぶご機嫌な反町君は、「野原、俺が今日里中さん連れてくるって知ってたからスゲー気合入ってたわ」って笑う。その、裏表のない酔っぱらいスマイルになぜだかむかっ腹が立った。
今日一番の活躍を見せた野原君は、これからヒーローインタビューを受けるところ。そんなタイミングで席を立つのはなかなか勇気がいるけれど、すっくと立ち上がる。せっかく特等席を用意してくれたのに最後までちゃんと見なくてごめんなさいと、心の中で野原君に頭を下げつつ。
「……里中さん?」
やっぱり、二度目も駄目なのかな。そういう運命だって受け入れなくちゃいけないの?
恋愛モードの思考回路は、何でもかんでも甘く味付けされてしまう。それを見ないふりして、「無理だから」とはっきり告げた。
「二股とか、私絶対無理だから」
それだけ云って、通路を早足で歩いた。
云えた。云ってやった。
妙な達成感と昂揚感は、高まったもののすぐに萎んだ。
――終っちゃった。見ないふりしてれば、付き合えたかもしれないのに。
でもそんなのは私らしくないし、私が好きだと思ったあの人でもない。だから、これでいいんだ。
じわりと滲んだ涙は、ぐいと手の甲で拭った。
外の温いねっとりとした空気を、泳ぐように歩く。バッグの中で鳴っては止まり、を繰り返している電話には、出ない。
出ない。
出ないったら、出ない。
――そう、思っていたのに。
あんまりにもしつこいのよ反町君! せっかく人が潔く身を引いたっていうのになんなのよ!
泣く泣く諦めたんだから、引き止めるような真似しないで。これ以上揺さぶらないでよ。
マナーモードにしてあっても鈍い音はバッグの中でひっきりなしにその存在を訴えてくるし、いい加減イラッときて手にとってしまった。鬼電の相手が予想通りなのを確認してから通話にして、「しつこい!」って一言云って切る。
そしたらまたすぐかかってきた。
なによ、って抗議する前に『しつこくもなるだろ、なんだよあれ!』と一〇年ぶりにイライラした反町君の声を聞いた。
「だから、二股の相手ならよそで探してってこと!」と云って切ると、またまた即座にかかってくる。
『俺だって嫌いだよそんなの!』
「だったらなんでするの!」
切る。かかってくる。取る。
『してねーよ!』
切る。
「したじゃん、ウソツキ……」
遊ぶ約束を破られた子供みたいに独り言を口にしたら。
「だから、してないって、いってんの!」
電話越しじゃないその声が後ろから聞こえて来て、弾かれたみたいに振り向けば、反町君が肩で息をしてそこに立っていた。
「とりあえず、お茶でもしよう」って言葉とは裏腹な、おっかない顔。それ見ただけでもう泣きたくなる。そっぽ向いてたから、その手が私の手を確保するまで気付かずにいた。
「行くよ」
あ、今日二回目。
返事してないまま勝手に手を取られて、チェーン店のコーヒーショップに連れて行かれた。
――繋いだ手が、嬉しいなんて思っちゃいけないのに。
「で、何だったの二股とかなんとかって」
背の高いスツールと、小さな丸テーブル。二人の間には、アイスコーヒーと、うんと冷えた冷房の風と、それより冷たいような空気がある。
思わずむき出しの腕を擦ると、「寒い? 席、変わる?」って、陰険な空気を簡単に吹き飛ばして、反町君が私に心配をしてきた。
「――大丈夫。上着持ってきてるから」
「ならいいけど」
私がバッグから綿麻のカーディガンを出して羽織ると、ホッとした顔。
そんなの、私になんて見せないでよ。やっぱり言えなくて、普段は入れないミルクポーションと、半分しか使わないはずのガムシロップを八つ当たりみたいに全部入れて、ストローで乱暴にかきまぜた。
「なあ、」
「――なに」
「二股って、なんでそう思ったの」
「――」
問いかけてくる反町君の目は、なんだか悲しげ。見ていられなくて、もう混ざり切ったアイスコーヒーを、ストローでまだくるくるし続けてしまう。
間が持たなくて、一口飲んだ。甘くて苦い。恋の味だ。
この人が、好き。『だった』、なんて過去形にはまだしたくないけど。それでも。
ひんやりしたコーヒーを一口飲み下してから、「この間、見た」って、ようやく口から出てきた。それを云ったらこの恋がおしまいになるかもしれない呪文。
ずっとつかえていて苦しい程だったのに、一言口にしてしまえば後はするすると出てきた。
「一週間くらい前かな。反町君、女の人と歩いてた。仲よさそうだった」
私のその告白に、うろたえもせず、反町君は「はあ?」って、ポカーンと口を開けた。
「え、それ別人じゃなくて?」
「私、目いいから。とにかく見たの」
「ええー……一週間前でしょ……ちょっと待って、いやでもありえないって……」
そう云いながら、反町君は自分の手帳をぱらぱらめくったり、メールの履歴をチェックしたり。
そして。
「あ、」
ぱっと顔を上げると、私と目が合う。
「ねえ、それ見たのって、里中さんの会社の最寄り駅あたり?」
こくりと頷くと、「そっか」と呟いた後、緩く握った拳を口元にやって、それから顔を真っ赤にさせた。
「やっべー、俺、嬉しくて死にそう……」
「何、云ってんのよ」
悲しい、とか、悔しい、とか直接は口にしてないけど、そんな気持ちになったのに。そりゃあ反町君ははっきりと言葉にしなくちゃ分かんない人かもしれないけど、二股かけられた挙句に自分の今の心情まで差し出したくはないから、頑張って責めないような言葉を選んだし、仏頂面もしてない。でもそれを、云うに事欠いて『嬉しくて死にそう』ってどういうこと。
思わず睨みつけると、反町君はますます笑顔になる。
「だって里中、それってやきもちじゃん」
「!」
気持ちを見透かされて、『さん』なしで呼ばれて、心が跳ねた。
「里中が妬いた……!」
「うるさい!」
聞きたくなくて耳を塞いだら、そっと両手で外された。そのまま、手が閉じ込められる。
「その、里中が見たのって小っせー女だったんでしょ?」
答えたくなくて、口をとがらせて目を逸らしたら「やっべーほんとマジかわいい里中……」と、まとめて閉じ込められた手の上に、反町君がおでこを落とした。それからぴょこんと起き直って、優しい声で話しかけてくる。
「あれさー、野原夫人で旧姓鳥谷。高校の同級生だから、里中も知ってるかもなんだけど」
「!!!!」
「ちょうどこっちに用事があるって帰って来てて、それならって郵送じゃなく直でチケット渡してもらったんだ」
え、ってことは、私は勝手に勘違いして、一人で怒って、反町君に濡れ衣着せた、ってこと?
慌てて反町君を見れば、ひどいこと云ったから怒ってて当然なのにやたらと甘い顔でこっちを見ていた。
「里中、俺は二股はしない」
「――ごめん」
項垂れて蚊の鳴くようで謝ったら、「それは、もういいから、そのかわり聞かせて」って、テーブルと反町君の手に閉じ込められていた手を掬い上げるようにして繋がれた。
「里中と、もっかい付き合いたい。今度は俺、里中を傷つけないようにするから」
「……」
「駄目なら、もう無理に会わない。でも、オッケーだったら、云って。俺バカだから察するとか無理なんだ」
もう一度、落ちてきたおでこと、あの頃は決して見られなかったさらさらの髪。
すっかり大人になっちゃって。ザ・高校球児だったのに。でも、根っこは一緒だね。
ひたすらまっすぐ。あなたのそんなところが、
「すき」
小さい告白を反町君は聞き逃さずに、「うん」と同じく小さく返してきた。それから、ぎゅうぎゅうと絞られるみたいな圧迫が手に加えられる。
「痛い痛いちょっとゆるめて!」
「ごめん!」
慌ててぱっと離される手。
「もー、加減してよね」
「ごめん……鳥谷にも云われたのに」
「……なんて?」
無実だって理解しても、一度焼きついてしまった感情はきれいになってくれなくて、まだちょっとその人に対して燻った気持ちのまま、聞いてみる。
「『反町君がすっごく里中さんのこと好きなのは分かったから、お願いだからお店ではもう少し静かに話して』って……」
その様子が目に見えるようで、思わず噴いた。
お店を出ても、まだまだ空気はぬるま湯みたい。外に出た途端、さっそく上着は脱いで畳んでバッグにしまった。私が上着をしまい終えて、バッグをまた肩にかけるまで、反町君は大きな手を広げて待ち構えていた。
その手の中に自分の手を滑り込ませる。もう、繋いでて当たり前なのが嬉しい。
「今日、せっかく野原君大活躍だったのにヒーローインタビューの時ちゃんといなくてごめんねって謝っておいてくれるかな」
せっかくいい席を用意してくれたのに、失礼極まりなかった。奥さんの鳥谷さんにも、ヘンな誤解なんかして。
「いいのいいの」
「でも」
「おかげで両思いになったからって云えば、あいつは『そうか』って嬉しそうに云ってくれるよ」
「……うん」
繋がれてる手が嬉しそうにぶんぶん振られる。
「あーもう早く自慢したい! 嵯峨にも鳥谷にも!」
「あんまり大げさに言いふらさないでね……」
「え? なんで?」
恥ずかしいからです!
という私の主張はまるっと無視されて、数日後、嵯峨君から『くっついたのはほんとおめでたいとは思うんだけど、浮かれたメールが朝から晩まですごいんだよ……』と苦情をいただく羽目になった。
16/08/20 一部修正&修正しました。




