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三題噺もどき5

駄生

作者: 狐彪
掲載日:2026/07/11

三題噺もどき―きゅうひゃくご。

 



 外は気持ちのいいほどに晴れ渡っている。

 雨が続いていたのに、最近はよく晴れているような気がする。

 おかげで毎日暑くて、暑くて仕方ない。

「……」

 生憎青空は見えないが、それは私が、外が見えないような位置にいるだけであって、きっと美しい空が広がっている事だろう。

 レースカーテンを引いて、ベッドに寝転がって、スマホで動画を眺めているんだから、見えなくて当然だろう。

 ただ何となく、入り込む光の明るさや、部屋の暑さで、きっと晴れていると思っている。

「……」

 時折暗くなったりもするが、それはまぁ、雲が太陽を覆っているだけであって、晴れていることに変わりないだろう。

 晴れとか曇りとか、なんか定義があったと思うが、忘れてしまった。授業でやったときに、それは晴れでは?みたいなことを思ったことは思いだした。

「……」

 なんにせよ、外出しなければ外の天気とか暑さとか、あまり関係はない。

 土曜日ではあるが、母は仕事だし、妹は午前中は部活だし、家には私以外誰もいない。

 来週が期末テストなので、土曜授業があるのではと思っていたが、なかったらしい。

 なんか今年は、あまり土曜授業しないようにしているんだろうか……そう思うくらいに去年より減っている気がする。

「……」

 こちらとしてはありがたいので、何でもいいのだけど。

 一応、3年生で、受験を迎える立場にあるので、こんな休んでいいのかとなんとなく不安にはなる。なったところで勉強しないんじゃ、意味ないのだけど。

「……」

 毎日休みの度に、こうしてベッドで寝転がって一日を終えるんだから。

 そりゃ、不安にもなるわけで。そのくせ何もしないんだから救いようがない。

 しかしまぁ、なんというか、ありがたいことに推薦枠を頂いたもので。

「……」

 おかげで放課後はその練習をしてから部活だし、小論文も毎日のように書いて提出して担当教師と話をして、と言う感じだから……割と忙しくはしているのか。

 でもテストのための勉強はできていないからなぁ。

「……」

 だからこういう休みの日に勉強をしなさいと言う感じだが。

 来週はテストだから小論文もないし、練習もないから、勉強するのが正解なんだけど。

 手はつかないし、机にも座る気になれないし、鞄の中から教科書を出そうとも思えない。

「……」

 つらいとかそういうわけではないのに。

 なんとなくただやる気が出ずに、毎日無駄に過ごしていて、ダラダラと。

 寝て起きて食べるだけの三拍子な休日を過ごしていると言うか。

「……」

 そういう時に、動画を見て、キラキラとした生活をしている人を見ると、よくわからない焦燥感に追われるんだかが始末におけない。

 そんなになるなら、動画を見ているこの時間でもさっさと動けばいいのに思うのに、そんな簡単に動けたら苦労はしないとか言って。

「……」

 ただひたすらに時間が過ぎるのを見ているだけで。

 そもそも、時間が過ぎたことにすら気づかないなんてざらにあるわけで。

 勉強くらいしていればましなんだけど、何もしていないんだから。

「……」

 そう。

 頭の中では、言いながらも。

 何もしないでいるのは、毎日の事で。

「……」

 せめて、あの子と会えればなんて思いだして。

 家に居て、ダラダラして、無駄に時間を過ごしているよりは。

 学校に居て、あの子と話をして、あの子と一緒に居て、有意義な時間を過ごしている方が。

「……」

 そんなことを言ったところで、何も現状は変わらないのに。

「……、」

 一階から、がちゃんと、鍵の開く音がした。

 妹が帰ってきたらしい。

 ガタガタと言う物音と共に、クーラーを付ける音も聞こえた。

 ワッというテレビの声も聞こえてくる。

「……」

 時間を見ればもう昼は過ぎていた。

 もう残り数時間もすれば母も帰ってきて、風呂に入って夕食を食べて寝る時間になる。

 今日も無駄に生きている。











 お題:不安・つらい・三拍子

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