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93 アルムおじいちゃんからのお返事~

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 でっかいテントから出て、空を見上げればフラットとノルが戻って来た。

「ただいま。見てきたよ。勇者たちは部屋で寝てる。あの離宮だね。国王も寝てるよ。起きてるのは使用人たちだけだった」

 ありがとう、とノルに礼をいい、フラットを撫でる。

 どうやって勇者たちを確保するか。まあ、寝てるところをひっくくるのがいいよね。あとは国王を捕まえて、その後、宝物庫の中身をもらおう。手数料だからいいだろうね。

 気をつけるのは魔法使いたちかな。

 

 俺の考えを話せば、オニキスとフラットが国王を捕まえてから、勇者たちを捕まえてくれるらしい。大丈夫かなぁ。

「心配するな、主。フラットの空間は異空間なのだ。なんの攻撃も効力はない。国王と勇者たちを一人ずつ小さな空間に放り込めばよいのだ。灯りもない場所で怯えれば良い。我は人型で向かう。抵抗があれば竜化も吝かではないが」

『サンもいくー!』

『ならぬぞ、サン。お前は主とノルを守るのだ。たくさんの将軍たちの中におる主とノルが一番危険故、お前に頼むのだぞ』

『んー、わかった~サンはあるじとノルをまもるぅ~』

 頼んだぞ、とフラットの背に乗ったオニキスは飛び立っていった。

『オニキス。国王を捕まえたら宝物庫の中身を全部持って来て。隠し財産もね。周辺国の思いも理解したから、残す必要はないと判断した。手数料だよ~』

『ガハハハ、承知した。主は本当に楽しいやつだ』

 えへへ~

 本当はお金なんかどうでもいいんだけどね。

 周辺国にくれてやるのも馬鹿馬鹿しいからさ。ざまあ! 



「ナギ殿」

 声が聞こえて振り返る。

 後にいたのは気づいてたんだけどね。わざと知らん顔してたよ。

「なんですか、第一王子」

「うぬ、気づいておられたのか」

 当たり前じゃん!

「先ほどは済まなかった。我らが悪かったのだ。我が父、国王陛下に報告したら酷く叱責された。ナギ殿のことを聞いたのだ。それほどの苦労をして冒険者をしてきたとは知らなかった。故に、眷属たちとの繋がり、メンバーとの繋がりが厚く太いのだと理解したのだ」

 なんだ、そんなことか。

 じゃあ、おじいちゃんにメールしよう。


 ++++++++


 アルムおじいちゃんへ

 ナギです。おはようございます。

 もう知ってると思うけど、なんだか面倒な事になってる。オニキスの思いは全く問題ないんだけど、周りが騒ぎすぎ。だから周りの国はどうでもいい。残った国土を周辺国で取り合えばいいと思うんだ。

 おじいちゃんが言ってた、おじいちゃんのお使いを教えてくれるかな? どこに何をすればいいのか。

 今、いくつかの国がここに揃ってるから、その中に対象国がある?

 いろいろ教えて欲しい。


 あ、それとノーライフキングだけど、願いを叶えて欲しい。すごくいい王様だと思うんだ。普通に生きさせてあげてね。


 なんだか周りで言ってるから、ちょっと聞いてくるね。

 じゃあ、お願いします~

                      

                  ナギ


 ++++++++



「だからナギ殿、今一度話しをさせてもらえないだろうか」

 あ、全然聞いてなかったよ。

 ノルを見れば、第一王子を見て呆れてる。ということはろくでもない話しだったんだろうね。


「僕が話しを聞いて、何か変わるのかな。もう、あなたたちと話す気もなくなってるんだ。あなたたちとは信頼関係が作れない気がする。僕は人との信頼関係は最重要事項だと思ってる。だから限られた人しか信用してない。例えそれが国王であろうが、王子であろうが。ユリアロウズ国は国王と話すことはあるけど、僕が話すのは別の人。でも国王陛下はそれを否定しない。だからそれでいいんだ。僕を冒険者にしてくれたギルドも同じ。ギルマスたちとは信頼関係ができてる。だから僕が傷つけられればギルドの皆や冒険者たちは怒るんだ。それと同じことだよ。オニキスの怒りは僕たちの怒りなんだ。それを理解してくれない人たちは信じられない」

 そのとおりだ、と第一王子は腕を組んで口をつぐんでる。

 それなら僕たちはいいよね。


 オニキスたちが国を押さえたら、俺は処罰しに行こうと思ってる。予想だけど、日本人勇者じゃないかと思ってるから、一度会ってみたい。もし日本人なら許せないよ。環境が変わったとはいえ、自分たちの力試しに人を殺すなんて。絶対にあってはならない事だと理解してもらわないとね。だから僕が離宮ごと焼き払おうと思ってるくらい。勇者という立場を受け入れたなら、魔王と戦うことだけを考えればいいのに。欲を出したんだろうか。それにしても、人の命があまりにも軽すぎる。ドラゴンだって魔物と言えば魔物だけど、なぜドラゴンとして生まれたのかってことだよ。

 まれにしかいないドラゴンとして生まれたのは、それだけの理由があるはず。それを勝手に違えるのは間違いだよ。

 人も同じことだと思う。俺だって、アルムおじいちゃんがしてくれることは、俺に役目があるんだと思ってる。みんな同じなんだよね。


「それでも、です! 不抜けた私は、あなたに教えを請いたい。他国は関係なく、我が国、いや私はあなたの思いを理解したいのです!」

 あへ? 何言ってんの、こいつ。

 隣でノルがクスクス笑ってるけど。笑い事じゃないよ、ノル!


『主。国王を捕らえた。今は、宝物庫にいる。フラットが全てをアイテムボックスに収納しておるが、他にも隠し財産がある。それも持ち帰るぞ』

『うん。お願いね』

『では、終わり次第勇者の離宮に向かう』

 頼んだ、と第一王子に向き合った。


「ねえ。僕のこと引き入れろって言われたの? 国王の考え?」

「……」

 あれ、あたりかな?

「……最初はそう言われました。陛下にナギ殿を我が国へと言われました。でも今は違います! 私は心からあなたに教えを請いたい。そのためにあなたの思いも聞きたいのです。先ほど父にも言いました。あなたの潔さ、実力は捨てがたいものですが、国に引き入れるのは無理だと感じております。ですが、私は時期国王として学びたい。民の為に学ばなければならないのです。国民の為の国であらねばならない。それにはあなたの姿を見て学ぶことが必要です! どうか、我が国にお立ち寄りいただきたい! 眷属の皆さんも、メンバーの方もご一緒に!」

 なんだそれ。自分で学習しろよ!

 本当にバカだねぇ、王族って。

「はぁ。とりあえず、オニキスたちが戻ってからにしますね。今、国王は確保しました。あとは勇者たちを確保すれば戻るでしょう。それで、あなた方周辺国の騎士団はどうされますか? そのあと攻め入りますか?」

 うっ、と唸ったんだけど、どういうこと?

「ナギ。俺たちが侵入できるようにしてくれると思ってたんじゃないの」

 えーーー、なんでだよぉ。

「一度話しを聞きなよ。勘違いはまだ続いてるみたいだよ」

 仕方ないね、と俺はスタスタ歩く。後ろはノルだ。

 慌てて第一王子が追って来て、俺の隣りにたつんだけど、邪魔!

「失礼しますね。あなたたち、僕たちに何を希望してるの? はっきり言いなよ! ずるい大人たちだね! これ以上、僕を怒らせるなら……あんたたちも敵認定するよ」

 ザザッと後ろに下がった大人たちを見て、笑いそうになる。ちょっと脅せばこうなるんからね。バカなやつらだよ。

「ナギ殿、我が国は正面から攻め入ろうと思っております。幸い、魔法騎士団も同行しておりますので」

 ふうん、魔法騎士ってのがいるんだね、第一王子の国は。

 我が国も、攻め入りましょう! 我が国も、我が国もとうるさいよ。

「じゃあ、それでどうぞ。僕たちの力は必要ないみたいだから。僕たちは、自分たちがやるべき事、やりたいことをやるだけ。巻き添えを食わないように気をつけてね。オニキスが元の姿に戻った時の攻撃は、とんでもないからね」

 それで一気に沈んだ将軍たちって、見苦しいよね。


『主。勇者たちもそれぞれ確保した。一度戻るか』

『うん。戻って。こっちも面白いことになってるよ』

『ドラゴンの姿で戻って来てよ。でっかいオニキスを見せてやろう。理解してないからさ』

『ガハハハ、主のいたずらであるな。承知した。では、フラットと共に、元の姿で戻ろうぞ』

 よろしくね~

 オニキス? とノルが笑うので頷いておいた。

「眷属たちが戻ります。元の姿で戻るので、驚かないでくださいね。絶対に攻撃しないように。ま、何をしても傷一つ付かないけどね」

 慌てて、副将軍たちがテントを駆け出した。攻撃するなと伝令に走ったんだろうね。




 ドドーーーン!

 ぶわ~と巻き上がった土煙の向こうには、黒金竜(くろがねりゅう)本来の姿が見える。隣りには、いつもよりもデカいフラットがいた。

 フラットって、本当はこんなにでっかいの? その姿は、体高三メートルくらいだね。体長は八メートルくらいあるかな。ドラゴンクラスの大きさだよね。

 オニキスはもっとデカいよ。

 不明ってなってたけど、体高は十五メートル以上?

 幅は翼があるし、わからん。体長も尻尾まで入れればどれくらいある? 

 これは、映画に出てきたGOD●ILLAだよねー うん、顔も似てるかな、あはは。


「フラットってあんなにでっかかったんだな。オニキスはドラゴンの中でもかなり上位なんだろうな、すごくデカいよ」

 とてもわくわくしてるノルは何者?

『わ~い、おにきすおじちゃん、でっかぁ~い!』

 サンは嬉しそうに鞄から飛び出してぴょんぴょん跳ねてる。

『サンもおおきくなるよ~』

 そう聞こえてサンを見れば、ででーーんと大きなサンがいた。

 え? サン。俺より背が高いよ?

「サン、本当の姿はこんなにでっかいの?」

『そうだよ~、なんでか、でっかくなったのぉ』

 そうかそうか、と撫でてやれば、するすると小さくなってノルの肩にのっかった。

「ナ、ナギ殿。オニキス殿はあれほどのドラゴンなのですか」

 うん、そうみたいだね。

『オニキス、お前の本気が理解できたみたいだよ、この人たち。どうする? そのまま王城を壊す?』

『良いのか? それならばいきたい。フラットお前はどうする』

『僕も、いくよ。ナギが怒ってたもん。だから壊していいなら壊してくる』

『サンもいきたいのにー!』

 サン、お前もか?

『じゃあ、僕の背に乗っていいよ。ちゃんとつかまっててね』

『わかった~、ちゃんと、けをつかんどくからね~』

『では主、先に行くぞ。どこか残しておくか?』

『うん、勇者のいた離宮だけは残しておいて。確認したいことがあるから』

 承知した、とバサリと空に上がっていった。続いてフラットも向かった。朝日に照らされる二人はとてもかっこいいね~

「かっこいいな」

 ノルも同じ事を思ってたんだね。

 ピコン! と音が聞こえた。

 アルムおじいちゃんからメールだ。



 ++++++++

 

 ナギ。

 楽しんでおる様だの。

 先日は孤児院のこと、よくやってくれた。感謝しておるのじゃ。機会があれば気にしておいてほしいものじゃの。

 今回のお前の判断は間違いないであろう。じゃがの、宿のつもりで王国に行くもよかろうの。

 儂の望みはいろいろあるが、そのドルーシア国もその中の一国じゃった。丁度良かったわい。

 彼の国は勇者召喚をしたときから見ておったのじゃ。

 儂が作った地には、魔王など現れることはないのじゃ、今のところ。じゃが、大昔にあった魔王との戦いを利用して、勇者召喚をした国じゃからの。できれば殲滅して欲しかったのじゃが、良い流れじゃったの。

 トランサル王国は面白い国ではあるのじゃ。迷宮もあるが国は知らぬ事じゃな。金鉱脈もある。国土が広い故に、いろいろな素材が眠っておるのじゃが、平和に暮らし国も財を持っておる故、調べることもせぬ。見つけた者の勝ちじゃ。気が向けば探してみれば良い。

 広い国土には魔物も多い。美味い物もたくさんある、ユリアロウズ国と同じようにトランサル王国も拠点として加えればよいの。迷宮の一つでも見つけてやれば思うようになろうの。

 お前の楽しみ優先じゃの。皆にも聞いてみるが良いのじゃ。


 ノーライフキングのことは儂に任せるのじゃ。悪いようにはせぬ。お前に感謝しておった故、礼を伝えて欲しいそうじゃ。良い方向へ向かう故心配いらぬ。

 

 和の那国であるが、お前には懐かしい国じゃの。ただ、数百年前の勇者によって作られた国故、あまり進化しておらぬ。米はあるが、数百年前の日本じゃと思う方がよいの。

 それならば、ユリアロウズ国やトランサル王国で、いろいろなものを作ってみても良いぞ。アイスというたか。あれも食うて見たいの。お前の料理も国民が豊かになるものの一つじゃからの。それには魔道具も必要じゃ。ユリアロウズ国では家は持てぬであろうが、トランサル王国なら家を構えてのんびりすれば良いの。いろいろと開発する時間も取れる、森のほうならばオニキスもフラットも楽しめる場所が取れからの。そこを拠点に魔物を狩れば良いのじゃ。迷宮も同じこと。楽しみは様々ある故の。飽きれば旅に出れば良いのじゃ。気が向けば再び戻って探索して楽しめば良いじゃろう。ユリアロウズ国のように王宮で寝泊まりするのも良いが、トランサル王国ならば国土が広い故、お前たちの遊び場も持てようぞ。

 そんな風に楽しむのがよかろうの。

 我の使徒として動いてもらいたい時には連絡するからの。落ち着いたら連絡が欲しいのじゃ。此度はちょうどよかった。お前が彼の国を手に入れてもよかったが、面倒じゃからの。

 

 眷属たち、ノルにも伝えよ。

 腕を上げる機会にもなるのじゃ、迷宮は。トランサル王国で未開の迷宮を踏破せよと伝えて欲しいのじゃ。それで彼の国も利益が増えよう。好きにさせてくれると思うがの。


 連絡を待っておるぞ。気をつけての。


                    アルム爺


 ++++++++

読んでいただきありがとうございます。


アルムおじいちゃんから具体的は話が出たね。

なんだか少しワクワクするんだけど。

ナギたちものんびりできればいいね。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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