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90 料理三昧でキレちゃった。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 疲れた~と呟けば、ノルも、らしい。

「何だか偉い人と会う機会が増えたから余計に疲れるな」

「何言ってんの、ノル。ノルなら問題ないよ、全然。俺は助かってるんだからね。これからもよろしくね~」

 苦笑しながら頷くノルは、本当に仕事のできるやつなのだよ。



 後日、革工房のおじさんと会った。

 とてもいい人で、俺の考えに賛同してくれたのだ。数は一応、人数分と少し多めに収めてくれるらしい。もし、途中でイレギュラーなサイズや仕事が入ったら対応してもらうことにした。同じように支払いは領主がすると伝える。仕入れはギルドで。

 同じ条件で頼んでおいた。



「……ということなんだ、ブーゲリア。面倒だろうけど対応してもらえる?」

「もちろんでございます。我が国だけでは対応出来ず、申し訳ございません。しかし、ナギ様がありがたいお話をしてくださったので、なんとか皆に生活をさせてやれそうです」

 照れるよ、ブーゲリア。

「それでね、製品として買い取ってそれぞれの孤児院に渡してもらいたいんだけど、国内全てとなると輸送費もかなりかかる。それに出来上がって納品された服や靴の代金もね。一気に必要じゃないだろうけど、それらの支払いは頼めるかな。お金は預けておくから」

「よろしいのですか? ならば、私が領主としてナギ様代理を務めましょう」

 おお、ありがたい! 

 請求金額通り払って欲しいと伝えておく。正直な人たちだから、仕入れ金額が変わらない限り、値をつり上げたりはしない。そう断言すれば、頷いてくれた。当然、輸送費も護衛の金も支払ってもらうことになる。

 じゃあ、と白金貨百枚預けることにした。

 ビックリしていたブーゲリアだったが、俺の専属侍従に対応させると言う。うん、それがいいかもね。あの人、きちんとしてるからさ。


 材料は商業ギルドで支払いをするように手続きしてあるからと伝えれば、さすがです、と満面の笑みだったね。



「やっと孤児院のことがなんとかなったね。そろそろ旅の事を考えようかな」

 それがいいと全員が賛成してくれた。

 魔物はどうなのかと聞けば、一度素材を見て欲しいらしい。

 忘れてたよ、俺。でも俺の欲しい物は限られてるからさ。肉は? と聞けば、美味い肉は解体後、ゲットしているらしい。かなりの量があるんだって。なんか怖いんだけど。


 解体場へ顔を出せば、お前の眷属はなんだ! と怒られた。

 どうして?

「とんでもない魔物ばかり狩ってきて、俺たちは大変だったぞ。だが、良い経験はできた。まあ、それだけ優秀だということだがな。それで素材だが」

 見せられた素材は、見たことのないものばかりだった。

 これは、なに?


 でも、全くわからない。

 気に入ったのは、二種類の真っ白い毛皮とワニみたいな皮だけ。どっちもたくさんあったんだけど。半分だけにしたよ。角や牙はいらない。

 でも、錬金術で薬やポーションの材料になるものだけは確保した。鑑定したから間違いないだろうね。

 後は買取でと頼めば喜んでた。これはどうする? と見せられたのは何かの血みたい。

 見たことがあるなと鑑定してみれば、アースドラゴンの血だ。これは確保! 

 ということは? アースドラゴンがいたの?

 そうだとオニキスが言う。

 じゃあ、と素材を見せてもらえば、とんでもなくでかい角と牙がある。これは錬金術を使えばいい武器になるんだって。じゃあ、これは確保!

 皮も、よい防具になるし、鱗はとんでもない金額するらしい。内蔵も薬の材料だと聞いて、じゃあ、アースドラゴンの素材は全て引き取ることにした。

 がっくり項垂れたのは解体場のおじさん。

 めったにでないドラゴンだったけど、解体できただけでもよかったって。

 ナイフが切れないので、とっておきのナイフで解体したんだと愚痴られました。

 

 とりあえず、満足した俺たちは部屋に戻った。

 アースドラゴンクラスでも、ドラゴンの肉は美味いんだって! 当然、肉も一頭分あるらしい。

 オニキスは肉は取れないらしいよ。召喚獣になってるかららしいけど。もちろん、そんなつもりはないけど。じゃあ、なんでご飯食べてるの?


 美味いから……


 なるほどね、と感心したけど、やっぱりおかしいでしょ!


 


 それからの俺は、毎日毎日ご飯を作り置きする日々です。

 いろんなお肉が手に入ったので、唐揚げのつけ込みを大量にして冷蔵庫で味を馴染ませています。今回は、うどんをたくさん作っておきました。麺を作って茹でたあと、冷水で冷やし、アイテムボックスに入れてあります、コピーして大量に。時々、煮込みうどんとか鍋焼きうどんが食べたくなるんです。

 あと、丼系はいつものように大量です。ご飯も何十キロと炊きました。炊飯鍋大活躍です。いつもコピー連発なんだけど。今回も白米として確保する分は大量なので、もちろんコピー連発しました。

 牛丼、豚丼、ワサビ醤油のステーキ丼、カツ丼、味噌カツドン、親子丼、玉子丼などなど。本当に大量です。

 トンカツ(オークロースカツ)やチキンカツ(ロック鳥カツ)、コロッケ、カニ(クラブ)クリームコロッケ、メンチカツなどの衣をつけた揚げ物、あとは焼き肉、ステーキ、豚生姜焼き、グラタン、クリームパスタ、ミートパスタ、ガーリックライス……

 最終的には訳がわからなくなったよ。

 思いつくままに作ったから。


 パンも焼きまくったね。料理長も協力してくれたので、バンズも大量確保。食パンもね。

 それを見たら、ヒレカツサンドを作りたくなって。そのためにキャベツを大量にスライスした。もちろん、僕が作った業務用スライサー(手動)でね。

 葉野菜をサラダ用にちぎって大量確保。

 オークの角煮も作ったな。肉煮込み、回鍋肉も酢豚もかに玉まで作ったよ。

 今回初挑戦したのは蒸し物。

 茶碗蒸し、蒸し鶏、豚まん、あんまんなどなど。タレもいろいろ作りました。


 結果、調味料が足りなくなり、商業ギルドで大量購入。味噌もたくさん買いました。

 ハンバーグを忘れた、と合い挽きミンチを風刃で作る。大量にでっかい保存容器に作っておいた。

 それとは別にパテ用のハンバーグを作り、鳥のミンチでつくねも作ってみました。鍋をやってみたかったので。

 野菜も料理長が大量に仕入れてくれたので、白菜みたいなでっかい野菜もゲット。常時持っていたいのは、タマネギ、ジャガイモ、キャベツ、ニンジンなど。

 あ、肉じゃがを作るの忘れた。

 でも、十日も料理ばかり作ってると、さすがに嫌になってきた。じゃあ、と以前作った肉じゃがを容器ごとコピーしまくりです。


 もう、これくらいでいいかな、と思ったんだけど、唐揚げを揚げてないと思い出して、鶏の唐揚げ、サーペントの唐揚げの味違いを揚げたんだよ、しかたなく。でも三分の一ずつしか揚げてない。あとはつけ置きしたままアイテムボックスに入れた。あつあつのものは、コピーしまくってアイテムボックスへ。


 もういやだ! 


 突然叫んだ僕に、全員が固まる。

 眷属ズ、は毎日迷宮に潜ってるし、ノルはブーゲリアといろいろ仕事をしてたから、僕はひとりぼっちで料理を作ってたんだよ。酷くない?

 いじけた俺の前にはシフォンケーキが置かれる。大人食いだ。

 ワンホールをペロッと食べたあと、料理長が山ほど用意してくれた。焼き菓子もね。

 ありがたく受け取って、多少ご機嫌がなおったかな。



 やっと出発の準備が整った、と思う。

 今日、ユリアロウズ国のフォランドール領を出発する。

 ブーゲリアや料理長、専用侍従、解体場の人たちなど、たくさんの人に送られて、俺たちは空に上がった。

 今日はオニキスの背に全員で乗せてもらってる。

 ゆっくりと飛び始めるので、地上に大きく手を振っておいた。すぐに見えなくなったけど。



 じゃあ、ユリアロウズ国の隣国は以前迷宮の調査に行ったから、隣国を出るまでは、オニキスに乗せてもらうことにした。もちろん、目視できない高さを。でなきゃ、大騒ぎになる。


 休憩の時に、ドラゴンを崇拝する民がいる山があるので、できれば立ち寄りたいというオニキスの提案で、寄り道が決まった。

 再び空に上がった俺たちは、ドラゴン崇拝の民がいる村へと向かっている。山の中腹に村はあるらしい。山頂あたりにはドラゴンがいるという。昔、話したことがあるらしく、久しぶりにそのドラゴンに会いたいんだと聞いた。


 どんな竜だろうと皆わくわくしてるよ。

 あと二十分くらいで到着するらしいんだけど、今は山頂よりも上を飛んでます。 

 

 かなりの高さで飛んでるんだけど、何やらオニキスの様子がおかしい。

『どうしたの? 何かあった?』

『うむ。おかしい。山頂にいるドラゴンと連絡が取れん。それに村もないようだ』

 え? 村がないってどういうこと?

 ドラゴンもいないって。討伐されたの?

 何度か山頂を行ったり来たりしてるんだけど、やはりいないみたいだね。

 そのドラゴンの住処に行ってみるらしい。


 数分で到着したドラゴンの住処は酷いものだった。

 やっぱり誰かに襲われたみたいだね。

『ねえ、これってドラゴン同士が喧嘩したの?』

『いや、違うな。人の魔力残滓ある。奥に向かおう。既に人はいない』

 バサバサッと降り立ったオニキスは、その姿のまま住処に入って行く。

 ドシンドシンと歩いてるけど、人の気配はない。すでに引き上げたってこと? いないってオニキスは言ってたけど。

 一番奥に向かえば、荒らされた寝床と思われる場所がある。

 近寄ったオニキスは、悔しそうだ。

 どうやら遺体は素材として持ち帰られたみたいだね。

 信じられない。何もしていないドラゴンを討伐するなんて!

『我は悔しいぞ、主。此奴は良いやつであった。村のために年に一枚ウロコを剥がして祈りの祭壇に置いてやっていたほどだ。ウロコ一枚がどれくらいの金になるか。村人たちは一年は暮らせるほどだ。それくらいドラゴンとして誇りを持って信仰する民を守っておった。その結果がこれだ。我は信じられぬ。おそらく勇者という輩であろうな。魔王を討伐する為に召喚されるやつらは、特訓の成果を試すために、ドラゴンや高位の魔物たちをむやみに殺す。それどころか、他国に侵攻して人も殺すのだ』

 酷すぎるよ。村は? 大丈夫なの?

 村を確認すると、オニキスは再び空に上がった。

 中腹まで降りたところに村があった、と思われる。そこは、粉々に殲滅されていた。家もない、人もいない。何もない瓦礫だけの更地状態。

 悔しいね、オニキス。

 勇者ってどこの国のやつらなんだろうか。

 街に行けば情報がえられるかな。


 ちょうど近くに大きな街がある。そこに行ってみようと言う話になった。

 

 オニキスは、俺とフラット、サン、ノルが離れた後、姿を変えて地面に降りた。

 ここからは歩くことになる。

 あたりを確認しながら歩いていれば、すぐに街に到着した。でも、その時に思い出す。オニキスは従魔として登録されている。ドラゴンを滅するやつらがいるかもしれない街に入るのにはまずい。どうするかなと考えて、とりあえず、小さくなってもらうことにした。サンと同じくらいの大きさにね。

 スルスルと変化したオニキスはとても可愛い。サンが迷宮の赤い鞄にオニキスを入れた。うん、ちょうどいいね。サンは、大型の狼になってるフラットの首に提げた鞄に入ってますよ。

 じゃあ、行こうかな。


「身分証を出せ」 

 横柄な態度にイラつくけど、我慢だ。

 俺とノルは問題なく入れた。フラットとサン、オニキスも従魔ということで何も聞かれなかった。

 よかった~と安堵して、街を歩く。

 

 情報収集するならどこがいいかな。冒険者ギルドは行きたくないんだけど。商業ギルドに行ってみようか。

 そんな風に思いながら街を歩いていれば、賑やかな声が聞こえる。どうやら食堂で祝い事らしい。


「本当にすごかったぞ。勇者って、あんなに強いんだな」

「おお、俺も驚いた。格好だけかと思ったが、ドラゴンを討伐するとは。信じられんな」

「ギルドがどっかの国からの討伐依頼を受けた形になってたが、勇者の腕試しだろうよ。まあ、今のところ魔王は復活してないと聞くし、問題ないけどな」

 そりゃそうだーとガハガハ笑ってる。

 赤い鞄の中にいるオニキスは、うずくまって無言で受け流してた。偉いよ、オニキス!


「これならギルドに行った方がいいかも。どう、ナギ」

「そうかもね。どこの国の勇者かを聞きたいから、その方がいいね」

『オニキス、それでいい?』

『頼む、主』

 わかった、と俺は食堂の中を覗いた。

「すみませ~ん、冒険者ギルドってどこにあるんですかぁ?」

 ギルドか? とおじさんたちが俺を見る。

「それなら、あの建物だぞ。右の奥にあるだろ?」

「ありがとうございます~」

 すぐに教えてもらって、ギルドに向かって歩き出した。

 途中で、ユリアロウズ国のカードを出してブーゲリアに問うてみれば、勇者召喚の話しは、どこの国からも聞いてないらしい。それが本当なら、他国に内緒で召喚したんだろうと言った。もしかしたら、どこかの国に攻め入るつもりかもしれないと聞いて呆れてしまった。

 国名がわかったら教えて欲しいと言われたので、了解しておいた。


読んでいただきありがとうございます。


とんでもないことが起こりました。

さて、これからどうなるのか。ナギはどうやってオニキスの無念を晴らすのでしょう。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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