87 ドロップ品、とんでもないことになりました。
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日もよろしくお願いします!
*作中で、@を多用していますが、ドロップ品の単価を表す表現として使っておりますのでご理解ください。
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
やっと正気に戻ったロジックは、俺に詰め寄る。
「あの、肉は全てナギ様が? 魔剣などはどうされますか?」
おお? んー、いらないよねえ。
「今いったものはいらないよ。必要なものは最初から話してないから。ボス部屋のものでもいらないものはその中に入ってる。だから気にしないで。まだ僕だけしか見えないオマケのドロップ品は一つも入ってないしね」
エエエエエエエエーーーーーーッ!!!
あはははは~と全開でわらっちゃった。
「そうだよ。低級ポーションはこれなんだけど。低級っていうけどさ、鑑定してみて」
ロジックは鑑定が使えるから聞いて見た。
「中級ポーションになっておりますが」
「そういうことなんだ。でも、一番ランクが低いのはオマケのドロップ品ではそれ。その上が中級、上級、最上級と続くんだよ。それに加えてマナポーション、解毒ポーションがある。その他にもとっておきがあるしね」
そうウインクしてみせれば、ロジックの目がカッと開く。
「それは、もしかして……エリクサーとか、でしょうか」
「ふふふ、内緒ぉ~」
そんなぁ~と泣きそうだよ。
ポーション類はたくさんあるっていうか、ありすぎるから。値崩れしそうなら売らなくていい。お金はたくさんもってるから。
地元の商会にも売ってあげたいからね。
以前、俺が作ったポーションを即決で五十本以上買った商会があると話してやる。それも同じように、作ったはずのポーションよりもレベルが高いんだといえば、再び驚いてずいっと身体を寄せてきた。
「あの、蘇生薬も含めて、国王陛下と私とナギ様たちだけでお話しさせてください。ぜひ、ぜひ! 迷宮産のエリクサーでしたら、他国も喉から手が出るほど欲しがりますので。ね、ナギ様。私の顔を立てるとおもって、お願いします~」
ありゃ、本当に泣き出しちゃったよ。
「ねえ、聞きたいことがあるんだけど。ギルドって、余りお金に余裕がないんじゃない? そんな気がするんだけど」
「……ナギ様は何か知っておいでですか?」
知らないよ。
「実はですね、少し前の話になりますが……」
ははぁ、どうやら騙されたな、ギルマスは。
ある貴族の執事が迷宮産の宝石やポーション、魔剣など、およそ白金貨五千枚ほどの購入をといったそう。貴族の執事としては名の通った男だったから、ギルマスは契約した。商品を引き渡し、集金の為に貴族家に赴いたのだが。そこにいた貴族の執事は似ても似つかない男だった。納得のいかないギルマスは調べたのだが、二十年以上前からその執事が舘を取り仕切っていたのは間違いない。それにサインも公の書類で確認し、本人にも書いてもらったが、契約書のそれとは似ても似つかないものだった。
そこでやっと騙されたのだと気づいたとうことらしい。
それにしても、あまりにもうかつでしょう。
信じられないバカだね、と呟いてしまった。
ギルマスは、他国より大きな迷宮都市のギルドマスターであるにもかかわらず、国内各迷宮にいるギルドと比べてオルの迷宮のギルドは売り上げが低かった。だから、今まで買い取ったものを温存していたから、大放出したらしい。
これはどういうことだよ。誰か助けてやればいいのに。
「でも、オルの迷宮が一番若いなら、売り上げが低くても仕方ないんじゃないの?」
「そうなのですが、国としてはギルドの活動に対して口を挟むことはできません。今回のように買取商品に関しては、商売として成り立つので問題ないのです」
ああ、そういうことか。確かにそう聞いてる。ギルドの活動は国とは別物。政治は介入できないって。
なんぎだね、ギルマス。
「多少の資金はあるんでしょ?」
「はい。当然、逃亡犯は指名手配しましたが、世界ギルドにも事情を話せば、多少の補填はあったようです。そのかわり、逃亡犯には世界ギルドが高額賞金を出すことになり、かなりの賞金首になりました」
ふうん。でも捕まえても既に商品はないだろうね。捕まえれば世界ギルドの面目はたつと言うことか。
大人ってアホだね。
事情は理解したけど、どうするか決めるのはギルマス。だから話し合ってもらうことにした。ただし、ポーションの事はランクの説明をすると約束してもらった。
夕食が終わり、俺の寝室で皆がゴロゴロしてたけど、思い出した。ノーライフキングのプレゼントの箱。
取り出しておいてみれば、やっぱり豪華だよねぇ。
『それか。あけてみるのか主』
「うん、皆にそれぞれあるらしいからね。あけてみよう」
パカッと開ければまぶしいね~
これってどういうものだろう。一つを手に取ってみた。これはオニキスへのお礼。ミスリルのネックレスらしい。白金では柔らかすぎで、伸縮や身体にこすれれば切れる可能性があるのでミスリルにしたらしい。
そう説明すれば、驚いている。そして二メートルほどのドラゴン姿で、ノルにつけてもらっていた。当然届かないんだけど、首に回せばスルスルと伸びて、丁度良い長さになったんだよ。
じゃあ、次は。
フラットもネックレスだね。これは白金です。同じように伸縮機能がある。最初から輪っかになってるけど、どこが継ぎ目かわからないよ? 首を通せばするする伸びてゆったりしたネックレスになった。毛が長いから、チラチラ見えるのがかっこいいよね。
ノルには、小さな箱。
その中にはミスリルのブレスレットがあった。攻撃力増加肉体強化が付与されてるよ。大きすぎると言うノルが左腕に嵌めたらこれも縮んで丁度良いサイズになったね。
最後はサン。ネックレスもかけられないし、なにかないかと思ってたんだ。なんだろうね。
背の高い小さな箱をパカッと開ければ、小さな王冠がある。これ、王様のと同じだ、と宝箱にあったものを取り出して見る。
『これ~、おなじだよ~』
そうだね、と説明文を読んで納得した。サンの頭に取り付ければ、外れなくなる。ただし、サンか俺が望んだ場合は外れる。普段は絶対に外れない。取られそうな時には、身体の中に自動的に隠れる(沈み込む)危機が去れば現れる。
ほわ~すごいね。
どこにつける? と聞いて見れば、俺につけてくれと言うんだけど。ちょっと斜めがいいかな。
俺の方を向いているサンの頭にここか? と一応くっつけないように当ててみる。
うん、この角度が可愛いかも! 少し右寄りに置いてみた。基本的に自由になる身体だから、どこにでも移動できるんだろうけどね。
キュキュッとほんの少し沈んだ王冠はよく似合っている。宝石も小さな物だけど王様の王冠と同じ作りでくっついてた。
「すごいね、サン。可愛いよ~」
皆がコクコク頷いてる。
よろこんだサンは、風呂へ行った。多分鏡を見たんだろうね。急いで戻って来た。
じゃあ、と王様の王冠を取りだし、その隣りにサンに座ったもらった。それをタブレットでパチリ。何枚か写真を撮った。いろんな方向から。いろんなポーズで。
身体をゆいっと伸ばして、王様の王冠にしなだれてるのとか、無茶可愛いよ。
皆に撫でてもらったサンは、自分でも触っている。実験だとオニキスが引っ張ってみるけど、身体が伸びても外れることはない。すごいもの、もらったね~
皆が杖を見せてくれと言うので、アイテムボックスから取り出した。リッチの杖より長くて太いけど、軽い。どういうつくりなのかはわからないけどね。
一番上の大きい部分がくるりと巻き込んでいるのはダイヤモンドみたいだね。これも誰にも盗むことはできないらしい。俺がもってくれといわない限りね。まあ、仲間しか言わないけど。毎日手にして魔力を馴染ませる方がいいらしく。剣を使うときは背に背負えと書いてあった。背負うって? と背中に回せば、なぜだかくっつく。なんで?
どんなに動いても剥がれない。自分で剥がそうと思って手に取らないと外れないらしい。うん、すごいね。
じゃあ、毎日これをもって歩くの? 今の俺ならダイヤモンドは頭の上だけど。
『毎日持てば良いではないか。外れることはないのだ。フラットや我に乗るときも背に背負えばよいであろう』
なるほどね。じゃ、そうするよと笑顔で手に持った。
一瞬光ったけど、何?
オニキスの鑑定でみれば、俺を主と認識したらしい。主? まあ、いいかな。認めてくれたということだよね。それは、なんか嬉しいよ。
翌日からは、別の意味で忙しくなった。
面会の申し込みが山ほどきちゃったんだよね~
商業ギルドや貴族たちなど、いろいろだ。それとは別に買取屋なるものまで来たみたいだけど、そいつだけは執事の判断でお帰り願ったらしい。よくやった!
とりあえず、ロジックを呼んでもらう。
商業ギルドはおいといて、貴族どもには国で対応してくれるらしい。どうしてもというような、例えば家族が病気で命に関わる貴族などは優先的に話してもらう。
あと、商業ギルドだけど、どうするかな。
冒険者ギルドと国が優先的に買い取りすると話してあるので、そう説明してもらったら、それでも話し合いに参加させてくれという。毛皮などならもしかしたら、と思っているらしい。
即決即金なら話しに参加は認めるといえば、当然ですといっちゃったよ、この人。もし、今回ダメでも次の迷宮からは話しに入れて欲しいらしい。国より高く買い取るならと条件をつけておいた。
さっそく話しを勧めることになった。既に国とギルドはブツの確認を終えている。
欲しい物をいってもらって出すことにしたんだけど、フラットとサンは、庭で遊んでますよ~
ここにいるのは、俺とノル、オニキスとロジック、そしてギルマス。それに商業ギルドの会頭と鑑定士だ。
それぞれに欲しい商品を書いた紙をもらった。
まず、冒険者ギルドだけど。
ポーションと素材、魔石、ミスリルの剣、短剣、ショートソードをあるだけ欲しいらしい。
これ、結構な金額になるよ。
鑑定したそれぞれの単価をいえば、少しずつギルマスの顔色が悪くなってくる。
低級とは出てたけど、鑑定では中級ポーションだ。実際に冒険者に使ってるから嘘じゃない。それは確認をとったらしい。それも数百本となると、なかなかね。
とりあえず、素材は全てほしいらしい。カマキリの刃とかいろんな魔物の角や牙、そして毒針、ムカデの外殻なんかもね。あと、オーガなんかの防具になりそうな皮なども。っていうけど、予算大丈夫なのかな。あ、小さい魔石と極小の魔石もだった。
国は……
魔剣@白金貨六枚×八本=白金貨四十八枚
聖剣@白金貨七枚×五本=白金貨三十五枚
毛皮合計白金貨十五枚=白金貨十五枚
華美な短剣@白金貨五枚×二百本=白金貨一千枚
宝石各種、魔石の大きいもの各種合計白金貨二百九十枚
そして上級ポーション@金貨七十四枚×千三百本=白金貨九百六十二枚
最上級ポーションを@白金貨一枚金貨五枚×千本=白金貨一千五十枚
ロイヤル級@白金貨二枚×八百本=白金貨一千六百枚
マナポーション@金貨五十枚×二千本=白金貨一千枚
解毒ポーション@金貨三十五枚×千本=白金貨三百五十枚
解呪ポーション@金貨四十八枚×千本=白金貨四百八十枚
国買い取り総合計 白金貨六千八百三十枚
冒険者ギルドは、計算し直したらしい。
うちのほうはノルがやってくれた。
合計白金貨七十二枚と金貨八十六枚ですが? といえば、計算はあっていたらしい。じゃあ、と明細に書かれているだけ取り出すことにした。次々出てくる素材や剣などをノルがチェックしてくれる。素材類を出し終わり、魔石類を小さな箱に入れて、終わりだ。
ありがとうございました、と深く頭を下げてギルマスたちは帰っていった。
それで商業ギルドさんはどうするの?
ポーションはどれくらい残っているのかを聞かれて、ノルが計算してくれてた残りの数をそれぞれいう。そして単価もね。
中級ポーション@金貨五十枚×二千二十三本=白金貨百一枚金貨百五十枚
上級ポーション@金貨七十四枚×三百本=白金貨二十二枚金貨二百枚
最上級ポーションを@白金貨一枚金貨五枚×三百八十九本=白金貨三百九十枚金貨九百四十五枚
ロイヤル級@白金貨二枚×百七十一本=白金貨三百四十二枚
マナポーション@金貨五十枚×二千二百本=白金貨百十枚
解毒ポーション@金貨三十五枚×六百四十三本=白金貨二十二枚金貨五百五枚
解呪ポーション@金貨四十八枚×二百二十本=白金貨十枚金貨五百六十枚
ポーション合計 白金貨九百九十九枚金貨三百六十枚
それは全ていただきましょうといっちゃってるけど大丈夫?
短剣とかはもうないですか、と聞かれたので、王宮が買い取ったものの残りの華美な短剣が@白金貨五枚×五十一本=白金貨二百五十五枚、角や牙で作られた短剣が三十二本で合計白金貨二枚金貨六十枚あるよ。ノルが差し出した紙には金額が記載されている。
合計 白金貨二百五十七枚金貨六十枚
では、それも全ていただきます。
宝石や魔石の中くらいのものは?
これをと差し出した紙には、トパーズやルビー、サファイヤ、エメラルドなどの中くらいの大きさのものがずらりと書かれている。金額白金貨百九十六枚、を見て、大きく頷いた。
こちらも全ていただきます、とのこと。
他には何かありますか? と聞かれて、どうするかなと考える。
「ロジック、いってなかったものがあるんだよね。魔道具系だけど、どうする?」
「是非、見せてください。競合した場合は、買取金額で決めていただいて結構ですので」
大したものじゃないけど、売らない物もあるよ。
そう断って、一応魔道具などを出してみた。
魔法銃、魔法の鞄、魔術書グリモワール、照明具、水が出る魔道具、お湯が出る魔道具、水をお湯にする魔道具、コンロの魔道具、着火の魔道具、携帯炉、錬金釜、合成の布、鍵と錠の魔道具、魔導炉の類などなど。俺から見たらガラクタもたくさんあったよ。
ドラゴンの血。
薬草や魔力草などがとってもたくさん。
「こ、これは!」
二人がハモったよ~
「ナギ様。売らない物はどれでしょうか」
ええとね、と魔法銃、魔法の鞄、携帯炉、錬金釜、合成の布、鍵と錠の魔道具、魔導炉。ドラゴンの血と薬草や魔力草など。
「そうですか。仕方がないですが、残りは良いのですね?」
いいよ~
では、と相談しはじめちゃったよ。
割とすぐに話しは終わったみたいだね。とりあえず、王宮には魔道具もたくさんあるので、今回は商業ギルドに譲るらしい。
魔道具 商業ギルド購入
魔術書グリモワール、照明具、水が出る魔道具、お湯が出る魔道具、水をお湯にする魔道具、コンロの魔道具、着火の魔道具、
他いろいろ……
合計白金貨三十五枚金貨八十八枚
でした。もうわからんよ~
読んでいただきありがとうございます。
ノーライフキングからのプレゼントに、思いが伝わって心温かくなったのに。
銭金の話になると、もー、わけわからん!
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




