83 どんどん攻略は進むんだけど。飢えた魔物のような子たちに辟易してます、僕は。
こんばんは、こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
ゴーレムを倒しながら、ドロップ品などを回収しながらノルと歩いて進んでますよ。その間にも、地面にある罠にはノルのマーキングがあるのです。本当に優秀ですよ、俺の仲間たちは。
どうやらオニキスたちに追いつきそう。
今は既にアイアンゴーレムという鉄のゴーレムに敵が変わってる。オニキスは雷攻撃、フラットは氷のライフル弾での攻撃だ。
サンは雷のライフル弾をぶっ放してるけど、これ最強かも。ノルは同じように額を狙って爆裂玉をパチンコで飛ばしてるんだけど、全く問題なく頭が吹っ飛んでる。かなりの威力だよね。それなら邪魔になる銃にする必要はないかな、今のところ。後で考えればいいかな。
全員でかかれば、アイアンゴーレムも全ていなくなった。
ここで初めて、ボス部屋登場!
十階層でボス部屋か。
ここからはしばらく十階層ごとかもね。とにかく中に入ってみようと行った時。
『あるじぃ~おなかすいたぁ~』
かわいそうな声が聞こえる。
そう言えば、おやつがかなり長引いたからお昼ご飯を忘れてた。
全員がそれに同意する。
じゃあ、ボス部屋に入る前にご飯食べようか。
一般の冒険者はまだここまで来ていないから、大丈夫だよね。
フラットに開いてもらった空間に入る。
すぐにダイニングテーブルに陣取った皆は、早く早くとせかす。
いろいろ考えたけど、面倒なのでオークの生姜焼きと生野菜、朝の残りのマカロニサラダ、シチューをつぎ分けて行く。シチューをみてパンがいいという皆にロールパンみたいな一般的に食事の際に食べるパンを籠一杯取り出した。そして、それぞれの深皿に生野菜のサラダを盛って生姜焼きを取り分ける。葉っぱの端にはマカロニサラダが鎮座してます。それを配って、深皿のサイズに見合うボウルを取り出してシチューを注ぎ分けた。
いただきます! と勝手に始めてるんだから。もぐもぐ食べる皆を見ながら椅子に座った。
そうだ、と出しておいた冷蔵庫から水を取り出す。
マグカップに水を注いで配った後、俺も食事を始めた。
まだ食べてる皆を横目に、俺はソファに移動して焼き菓子を取り出す。そして美味しい紅茶はマストでしょう。
ゆったりとソファに雪崩れて焼き菓子を食べているんだけど、こいつらはいつ終わるんだ?
既に大量の生姜焼きの山は二つ目だよ。
そろそろノルは終わりそう。そして他三名はまだですね。
「ナギ、あの爆裂弾をうつやつ、あれ何ていうの?」
パチンコだよ~
「ふうん。あれ、すごく便利だ。玉も強力だし、魔物相手ならデカいやつでも相手ができる。あとは、オークとかの集団を一掃するときにも使えるね」
「そうだね。思ったより使えそうで安心した。初めて使うパチンコをあそこまで使いこなすノルにも驚いたけど」
そうかな、と照れてるみたい。
「でもね、もうひとつ、ちょっと怖い使い方がある。さっきいったオークの集団を狩るときだけど。とりあえず、肉よりも優先して殲滅するときは、フラットの背に乗って空に上がる。そして上からばらまくとどうなる?」
ばらまく? ……
「それ、すごいことになるよね。一気に殲滅だ。でも狙うことができないから、強風とかの時は使わない方がいい。でもある意味怖いくらい。例えば、戦争なんかでも使えるよ。だから絶対にいわない方がいい。俺たちが使うのはいいけど、作り方は極秘だね」
うん、そうなるよね。
どのみち、作り方は知らないけど。
でも何かに触れれば、それが起爆スイッチみたいになってるから、考えると怖い。戦争にだけは使われないようにしなくちゃ。あ、俺が一番気をつけなきゃだよ、これ~
やっと食事が終わり、おやつも堪能した俺たち以外の三人は、余裕で立ち上がる。当然食器類はサンがクリーンしてくれたからきれいになってますよ。
行くか、とオニキスの声に皆が外に出た。
まだ誰も到達してないけど。まあ、普通はそうだよね。
じゃあ、行こうか。
その声にゆっくりとボス部屋の大きな扉が開いた。
ポンポンと音がして灯りが増して行く。
奥の方になにかいるんだけど、かなりでっかいよね。
部屋全体がはっきり見える明るさになったとき、そこにいる物体を確認する。
おお~
ピカピカのゴーレムだぁ~ これは銀かな。
「これはシルバーゴーレムだな。シルバーと名が付いているが、ミスリルゴーレムだ。なんの問題もない」
オニキスは余裕でいってるけど、かなり大きいよ。さっきまでのゴーレムとは全然違うし。
でっかいドラゴンに戻ったオニキスは空中に上がるもちろん、フラットも。
ノルは爆裂玉をパチンコにセットして構えているよ。サンも戦闘態勢ですね。ちっちゃい腕が指拳銃の形を作って狙ってるんだもの。
行くぞ! と聞こえて先陣をきったのはオニキス。
どうやるのかと見ていれば、雷がシルバーゴーレムめがけて落ちた。
バリバリバリ!
一瞬、ゴーレムの骨が透けて見えたかと思うほどの雷で、さすがのシルバーゴーレムもよろめいた。
一斉攻撃だ!
そう聞こえて、次にフラットとオニキスの雷がダブルで直撃する。直後、ノルの爆裂玉が首に命中。俺は足下を氷で固めた。
最後に討ち取ったのはサンだ。
指拳銃から放たれた雷のライフル弾が、シルバーゴーレムの額を撃ち抜いたのだ。
ゴア!? と聞こえてゆっくりと傾く巨体は、ズズズーンと横たわった。
しばらく待ったけど、動かない。
どうやらやっつけたみたいだね。
はぁ、と息を吐いた。
ボスゴーレムが消えた後に残されたのはでっかい魔石。まるで銀の塊みたいに見える。そして巨大なミスリル鉱石。そしてミスリルの大剣だった。
だが、俺は見逃さない。倒れたゴーレムの頭くらいの場所に深い青の宝石が二個転がっていた。
それを魔法で収納して、オマケのドロップ品も回収した。ミスリル鉱石の塊がたくさんと短剣、ショートソード、長剣がある。それも全て銀色だよ。
ドロップ品を回収した後、その奥に階段が現れた。
次は十一階層だね。
十一階層はヴァンパイアの階層でした。
真っ暗な中にコウモリの大群が押し寄せてくるけど、それはオニキスのブレスで瞬殺。
どうやらナイトウォーカーというやつで、真っ暗な中でしか行動しないらしい。それなら光だね、と俺は魔法を使います~
<浄化>
パアーーーッと光ったフィールドには一瞬だけど、たくさんの黒い翼を持つヴァンパイヤが見えたんだけど、さっと消えていなくなった。
霧のようになる能力があるらしいけど、あんな風には消えないんだって。
だから終わっちゃいました。
こんなに簡単に? と聞けば、全員がため息をつく。
「あのね、ナギ。あんな風に光魔法を使う人はいないんだよ。これだけの広さをあれほど強力な光魔法で浄化したら、その魔法使いは死んじゃうからね」
え? そうなの。じゃあ、リッチの白杖のおかげでしょう?
バカか、とオニキスが言う。ちょっと失礼じゃないの!
『主殿。物事を知らぬにもほどがある。普通の魔法使いなら命と引き換えにするほどの魔法だ。それを自覚する方がいい。規格外にも程がある』
なに、その呆れた言い方は。でも……そういうことなんだろうね。
ごめんなさい!
じゃあ、と十二階層へ降りてゆく。
ここは再び森もあり川もある、自然の風景が広がっている。
何がでるのかなと見ていれば、どうやら鳥系のフィールドみたいね。
ハーピーを初めて見たけど、ガヤガヤとうるさい。胸を見て思ったよ、やっぱり女性はかしましいって。
地上を走ってくるんだけど空も飛ぶらしい。そして、ダチョウみたいに見えるアクスビークという危険な肉食鳥が突進してくる。こいつは空が飛べないんだって。やっぱりダチョウでしょ?
たくさんいたんだけど、俺以外は淡々と狩ってゆく。ハーピーが空に上がってもオニキスがいる。地上にはフラット、サン、ノルが絶え間ない攻撃をしかけて、割と早くおわっちゃったのですよ。
俺はドロップ品とオマケのドロップ品回収しかやってません。
そんな感じで二十階層まで来たよ。
少し雰囲気が変わったように見えるんだけど。
ここはホブゴブリンとゴブリンアーチャーたちだね。その中に普通のゴブリンがいるのがうるさい。でも、全く問題なく狩ってゆくうちの子たちには感心するよ。
ノルも途中で小部屋を覗く余裕があるほどですね。
小部屋を開ければ、サンが凍らせる。そのくりかえしで、いくつかの宝石箱をゲット。あけるときには気配を探ったサンがあけて問題なければアイテムボックスに回収するという流れができている。
俺はただひたすらにドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに回収し続けた。
ここにはボス部屋があった。
予想通りだね。
その前におやつだと空間内でたらふく食べた皆は元気百杯だよ。
ゆっくり開いてゆく扉の先にはホブゴブリンやアーチャーが大量にいる。その奥にはゴブリンキングの特殊個体が立っている。どうやら大きさも能力も特殊らしいですよ~
しかし、既に戦いは始まっていた。空に上がったフラットの背に乗ったノルは、俺が飛翔するのを確認した後、爆裂弾を取り出してパラパラとまいてゆく。既にドドン、ドドンとあちらこちらで爆発してるよ。その間にオニキスはゴブリンキングの特殊個体と闘い始めちゃったよ。
仕方ないから俺とサンは空中で結界を張りました。
当然、仲間たちは優秀だ。結果は明白。
すぐに終わっちゃいました。
ドロップ品はあまり良くなかった。
魔石は中くらいだし、他には何もなかったね。あ、そういえばオマケのドロップ品にいいものがあったよ。魔剣ゴブリンロードだって。どんな効果があるかわからないけど、とりあえずもっておこう。
二十一階層から二十九階層までも同じようなもの。
三十階層では熊だらけの中を進んだ。でも、デカいだけで変わりはない。ジャイアントブラッディベアっていうらしい。デカくなったら毛皮が硬くてなかなか切れない。それなら魔法とノルの爆裂玉で攻撃することになった。
どんどん狩って進んでゆく。
俺はドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに回収する役目。サンは今フラットの首にかけた鞄の中だよ。ふたりで魔法射ちまくりです。お肉もたくさんゲットできたよ~
案外時間がかからなかった。
もう少しかかる気がしたんだけど。なぜなら、この階層からフィールドが広くなったように感じたからだ。オニキスに聞いたらかなり広くなってるって。
まあ、その割には早く終わったよ。
ボス部屋にはそのまま突入することにした。
中にはでっかいアウルベアーが二頭いる。つがいかなぁ。わからないけど、特殊個体らしい。なにが特殊なんだろうね。ただ大きいだけな気がする。
でも、攻撃的なのは変わらない。
ガンガン攻めてくるんだけど、オニキスの落雷で黒焦げになって終了~~~~
とてもあっけなかった。いや、違う。うちが戦力過多なだけでしょうね。
三十一階層からは、少し面倒な魔物がぞろぞろ。
オーガ、サイクロプス、ミノタウロス、ファイヤドレイク、サンドワーム、サーペントのでっかいやつなどなど。とんでもない大きさのものばかりだ。普通サイズでいいのにね。
でも、それぞれの階層にボス部屋があり、階層に出てきた魔物の最上位種が出てくるようになった。当然、ドロップ品とオマケのドロップ品もグレードアップだよ! 特に四十階層のボスのドロップ品は絶対確保! いろんな能力が付与してある魔法使いのローブ。大人になったら使おうと思ってるんだ。物理攻撃無効で魔法攻撃も無効。そんなお宝は手放せませんよ。
それが一番うれしいんだ~
魔石もデカいし、宝石類もすごいものだし、何より白金貨や金貨、金の延べ棒などが入った宝箱も出始めたよ。あと、魔剣とか杖とかね。それにレベルは落ちるけど、ローブなんかもあった。
それに、超高級ポーションや蘇生薬まで出た! これも確保だね。
あと十階層でギルマスから聞いた最下層に到達する。五十階層までだって聞いてたからね。
ここからは、おそらく下層の領域になるんだろうけど、少し気を引き締めるかな。
そんなことを考えていれば、全員がツバメの子のように騒ぎ始める。
今日はこれで終わりにして、美味い物をたくさん食べてから、風呂に入って寝ようっていうんだ。お前たちぃ~と視線を向ければ、どこ吹く風だ。
「何か美味しいものを作れって事なんだね? いいけどさ。いつも僕一人がバタバタしてるよね。だったらいろいろ手伝って欲しいな。特にオニキス! お前、何もせずに食べてばかりでしょうよ。だからちゃんと手伝うの。いい?」
「主殿が望むなら手伝おう。それなら良いか?」
はぁ。これだものね。
じゃあ、空間に入ろうか。
何を作ろうかな。
ブルーブルの肉が山ほどある。じゃあ、焼き肉定食? でもいくつも作る事になりそうだし。それならバーベキューコンロをだしてステーキやいてもらうかな。いやいや、結局片付けが面倒になるだけだよね。
じゃ、焼き肉定食にするかな。俺もここで食べながら作る事にしようっと。それならここにも椅子がほしい。
「オニキス! キッチンに僕の椅子持って来て!」
ガタガタと音をたてて椅子を運んで来てくれる。ありがとね。
でもこういうとき、寝室が焼き肉臭くなるんだよね。どうするかなぁ……ここに壁を作る? それぞれの部屋の入り口にドアがあればいいかも。うん、それがいいよ! ついでに俺の部屋は広く取るかな。オニキスは屋根裏に追いやる方がいいかも。あそこ、無駄に広いしね。あ、でも今は無理だね。皆の視線が痛いから。じゃあ、結界を張って匂いを防ごうか。
読んでいただきありがとうございます。
大所帯でナギお母さんは大変ですね。
オニキスは相変わらず横柄だし、そのうちナギがキレそうだよ。気をつけてね、オニキス!
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