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80 オルの迷宮1 そのまま迷宮に入っちゃった~

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 迷宮のことを教えてもらおうと思う。

 五つの迷宮があるらしいけど、まだ踏破されていないらしい。ほとんどが五十階層以上あるし、下層に入ると魔物のレベルがグンと上がるんだって。

 それは面白そうだ。

 最初はどこから入るのがいいかと聞いて見れば、ここだと教えてくれる。一番新しい迷宮でオルの迷宮というらしい。五十階層まであるらしいけど、まだ成長しているらしいよ。でも最高で三十四階層までしか進んでないらしいから、ここがいいだろうと言われた。あとは、どこも同じようなものだという。

「それなら、オルの迷宮から入ってみます。僕たちは一度入ればずっと潜りっぱなしになるので心配しないでくださいね」

「でも食料は?」

「大丈夫ですよ。アイテムボックスを持ってるし、空間がありますから。その中には家もあるので、お風呂も入れるし、ベッドもあります。キッチンで料理もしますよ」

 そういえば、とんでもないな、と呟いたギルマスです。


「主。それならば宿を取る必要もなかろう。今から迷宮に入るか?」

「それもいいな。ちょっとグダグダだから動きたいんだよ」

 ノルも賛成らしい。

『ナギ、行こうよ。サンもいきたいっていってるよ~』

「あはは、フラットもサンもいきたいみたいだね。じゃあ、さっそく行く? 本当はひと休みする場所があればと思ってたけど、かなり深そうだから先に入ろうか。出てきたら宿を探してもいいね」

 うん、と全員の目が輝き始める。

「だ、大丈夫なのですか? すでに午後二時を過ぎていますが」

 大丈夫、と笑って見せる。

 それから少し雑談をして、軽食がなくなったので立ち上がる。

「じゃあ、いってみますね」

 お気をつけて、と送り出してくれた。

 

 どうやって行く? と相談する。

 乗合馬車で一時間くらいかかるらしい。

 それならフラットが載せてくれるという。

 俺は椅子に座って、その後にノルが、椅子の前にオニキスが小さな姿で乗っかれば、ご機嫌で走り出したフラットは、乗合馬車と比べれば数段早い。

 馬車を追い越して、歩いている人を縫うようにすすんでいる。

 楽しいね~と皆大喜びだ。

 追い越した人たちは驚いてから笑顔になってる。長い髪を風に任せて走っているけど、ノルは大丈夫かなと見てみれば、俺は随分小さいから、ノルのクビまではなかった。じゃあ、大丈夫だね。

 あっという間に到着しちゃったよ。

 人のいない道では最速で走ったフラットはかなり早い。おそらく見えないくらいにね。


 屋台が見えてきて、フラットから降りて歩くことにした。

 ノルの背にいるオニキスと鞄から顔を出してるサン、さっきまでかっこよく走ってたフラットは、屋台屋台とうるさい。

 欲しいと言うものを試食してから買う。それも大量に。それを繰り返しながらやっと迷宮の入り口に到着した。上り坂なので、息が切れてる俺だけど何とかたどり着いたよ。

 長い列ができてる入り口と、少し離れた所にある王族専用の文字。

 そっちへ歩いていれば、違うぞと呼び止められた。

「おい、お前ら。そっちは王族専用だぞ。黒いカードじゃなきゃ、入れない」

 なるほど、それで色が黒いんだね、このカードとくるくる回していれば、冒険者が頭を下げる。

「失礼しました! 知らぬ事とはいえ。何卒、不敬罪だけはご勘弁を!」

「ふけいざい? なぜですか?」

 いや、それは……

「ナギ。王族や貴族に対して暴言を吐いたり剣を向ければ不敬罪に当たって、無礼打ちもあるんだ」

 へえ、そんなくだらないことを。

「でも、おにいさんは不敬罪じゃないでしょ。僕が知らないことを教えてくれただけだもの。ありがとうございます。また、気づかないことがあったら教えてくださいね」

 は、はい! ありがとうございます! と下がって行った。

 仲間たちに、いらんことをするな、と笑われてるけどね。


 入り口で黒いカードを見せれば、名前をといわれて、ナギとだけ書いた。

 どうぞお入りください、と騎士は丁寧だよ。

 じゃあね、と中に入れば。そこは広大な広さの迷宮一階層だ。

「主殿。我は人型に戻って良いか?」

 いいよ、といえば、ノルの背中から飛び立って一瞬で人型になる。そして帯剣した。

 じゃあ、いこう。そう言って歩きはじめる。

「でもね、気をつけてよ。他の冒険者もいるんだし。どのみち、しばらくは突っ切るよね」

 そうだねと頷くノル。もちろんオニキスもね。

 じゃあ、と俺はフラットの背に椅子をつけてもらって乗っかる。そのまま走り出した。

 途中で向かってくる魔物はノルとオニキスが狩ってくれる。俺がやることはドロップ品の回収のみ。あはは~

 あっという間に一階層を抜けて二階層だ。

 どうやらここも突っ切ることになりそうだけど。

 でも、一階層も広かったけど、奥まではいってないよね。

「迷宮には、広い階層では途中に階段があるところもあるんだよ。実力のある冒険者たちは雑魚の相手をしたがらないからね」

 なるほど。さすがノルだね。 それで、さっさと二階層に降りてきたという訳か。

 ここの魔物はどうなんだろうね。

 うん、ちょっとだけ強いのが出てきたよ。当然、ノルとオニキスの独壇場だけど、冒険者がいない所ではサンが風刃をお見舞いしてる。ドロップ品は回収するほどじゃないけど、オマケのドロップ品は俺が回収しておく。中身がいいからね。

 そんな風にどんどん進んでゆく。

 冒険者が戦ってるときは、端っこをスルーして次に向かう。

 ドンドン進めていくんだけど。オマケのドロップ品の回収が俺の仕事になってるよ。

 途中からは、角ウサギばっかりだ。

 大群という程じゃないけど、かなり多いよね。探索しても冒険者はいないみたい。良い時間に入ったのかな。それなら、とサンとフラットが風刃で殲滅したよ。

 ここからは肉がでたね。そして毛皮と角だ。オマケのドロップ品はポーションが出てきたけど下級のものです。まあ、市場に出てるやつだからとりあえず回収する。他には角のナイフがあったよ。

 角ウサギを狩りながら進む。少し先に冒険者の気配があったので、風刃殲滅は中止。

 それまでのドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスにに回収した。

 オマケのドロップ品ファイルの方が多くなってるよ、これ。あ、オルの迷宮ってちゃんと書いてある。前のも、迷宮の名前が書いてあったよ、すごいね、これは。

 

 それぞれで倒しながら進んでいれば、冒険者たちが囲まれてるよ角ウサギに。数が多いでしょうよ。なんでこうなったの?

「助けるか!」

「助けて~」

「頼む!」

「痛い、痛いから!」

 ありゃ、じゃあ助けようかな。

「動かないで。魔法使うから」


<角ウサギは凍っちゃえ>


 ピキリ! 一瞬で冒険者たちを取り囲んでいた角ウサギが凍ったよ。

「ありがとうございます。えっと、子供?」

「よかった、無事で。ケガは?」

 女の子が少しケガしたみたいだね。

「ノル。これさっきドロップしたポーション。低級だけど大丈夫だと思うから」

 うん、と女の子の脚にかけてやれば、一瞬時間があったけど、すーっと傷がなおった。

「あ、ありがとうございます。えっと、お金が……」

「大丈夫。気にしないで。じゃあ、気をつけてね。僕たちは行くから」

「あの! お名前教えてください。それとランクも!」

 ランクも? まあ、いいけど。

「ナギだよ。Sランク。じゃあね~」

 え、え、ええ!!!! と大声が聞こえたけど。面白いね。

 

 その場を離れて、再び角ウサギを狩ってゆく。あ、さっきのドロップ品とオマケのドロップ品を回収しておこう。

 今の俺は魔法使いの格好をしてるよ。リッチのドロップ品の白い杖を手にしてる。魔法を放つ時間短縮と魔力の節約の為です。

 

 どんどん進んで行くんだけど、やっぱり俺はドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに入れる係です。さみしいな。


 ノルが見つけた階段を降りてゆく。

 三階層に降り立った。

 すぐに襲ってきたのはフォレストウルフ。うーん、まだまだ雑魚だよね。

 毛皮と牙しかドロップ品もないんだよね。オマケのドロップ品は別だよ。宝箱もあったしね。もちろん、回収しましたよ。

 途中から、嫌気がさしたんだろうオニキスは二メートルくらいのドラゴンになった。その背にはノルがいる。

 フラットも空に上がってスルーを決めたみたい。

 フォレストウルフのエリアはスルーして、次は? と見てみればため息が出る。そこはゴブリンだらけだった。じゃあ、一気に行こうかとオニキスがブレスで片付けた。

 とりあえず、ドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに回収したけど。後で捨てるかもね。


 四階層では、ワイルドボアが突進してくる。

 これは少しマシだね、とノルはオニキスから降りて剣を抜いた。じゃあ、俺も、杖をショートソードに持ち替えた。サンはフラットの首にかかる鞄の中から攻撃してるよ。雷の弾丸かな。一瞬でワイルドボアが倒れてゆく。俺も首元を切り裂いて進む。ノルは長剣でバッサリやってますよ。オニキスは落雷で広範囲に黒焦げにしてるね。

 ある程度溜まったら、フラットの後に下がってドロップ品とオマケのドロップ品を回収する。

 そしてまた復帰してクビを切りつけてゆくんだ。久しぶりに剣での戦いができて楽しい。

 まだ他の冒険者は見えないけど、どうやらかなり先で戦ってるみたいだね。

 突進してくるワイルをボアをどれくらい倒しただろうか。そろそろ終いか?

 振り返ってドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに回収すれば、終わったなと声が聞こえる。

 うん、終わったみたいだね。次はなんだろう。


 シカじゃない、あれ。

「ディアか。久しぶりに見たぞ。ならば行くぞ!」 

 ディアっていうんだね。オニキスも人型で剣を手にしてる。

 冒険者がいる可能性があるからだろうね。

 先頭はノルとオニキスがつっきてゆく。フラットとサンはそれぞれに別れてます。サンの鞄は俺がかけてるからね。

 攻撃は二人に任せて、このままで回収できないかな、ドロップ品。

 そう思って、自分と仲間が狩った魔物のドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに入れたいと思う。


<回収>


 一瞬でできたよ、ドロップ品の数々の回収!

 うん、前向いてても後のドロップ品はいれられるね!

 安心して、俺もディア狩りに参加した。

 ドンドン狩ってゆくんだけど、角と肉が多いよねドロップ。時々皮がでるくらいかな。珍しいのかな。でもオマケの方はなかなか良いものらしい。皮の靴とか防具が出てたから。やっぱり角はすごいね~

 剣のグリップとかになる素材らしい。あとは、尖ってる部分は武器みたいだ。

 とりあえず、回収した。


 少し先では、まだ戦ってるみたいだけど、どうして? それほど強くないと思うけど。

 自然とその場に到着した俺たちは驚いた。

 そこにいるのはディアのでっかい個体だ。

 フラットくらいの大きさがあるでしょうよ。

 冒険者たちは、動くことができないみたいだよ。

「助けが必要?!」

「頼む、助けてくれ!」

 おお、言質は取ったぞ。

 フラット! 

 ググンと大きくなったフラットは、でっかいシカに向かってゆく。その間に、俺たちは冒険者たちを引きずって避難させた。

 数メートル下がったところでオニキスはフラットの戦いを見ている。

 俺とノルは傷や骨折を確認した。

「ナギ、この人骨が折れてる」

 わかった、と全員を治療することにした。

 まず、自分をクリーンして真っ白の杖を取り出す。


<広範囲ヒール>


 ふわっと光った冒険者たちは、傷や骨折が一気に治って驚いている。

「あ、ありがとう。助かった。治療魔法の金だけど……」

「いらないよ。無事でよかったね。少しやすめばいいよ」

 ありがとう、と頭を下げる。 

 ノルはサンの入った鞄をかけて、その場でフラットを見ていた。

「フラット! もういいよ。やっちゃって!」

 くわぁん! と答えたフラットは、少し離れて風刃でズバッと首を落とした。

 

 ふわりと俺の隣りに降り立ったフラットをクリーンしてから撫でてやる。

「フラット、よく時間を稼いでくれた。おかげで冒険者たちは助かったぞ」

 オニキスは理解してたんだね。

「そ、そうなのか? 俺たちを救出するために? ありがとう、本当にありがとう!」

 お兄さんはフラットに手を差し出した。握手はできないけどね。

 問題ないよ、とフラットは口元をその手にこすりつける。

 俺は淡々とドロップ品とオマケのドロップ品をアイテムボックスに回収した。

「じゃあ、僕たちは行くよ。気をつけてね」

 ありがとう! と何度も言われて照れくさい。


読んでいただきありがとうございます。


ナギたちにとっては簡単でも、冒険者達にとっては命取りになることもありますよね。大変な職業ですよ、冒険者って。

でも、いきなり迷宮に入るって。そんなのアリ? まあ、ありでしょうね、ナギたちなら。もう笑うしかないですね。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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