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79 六日かけて到着した迷宮王国シルビアですが、王都門で軽くトラブりました。

こんばんは、こんにちは。

いつもありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!


※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様

        『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。


 シーサーペントは肉と皮が欲しい。でも皮も模様が違うから、その場で選んだ。えーっと、これきれいだね、これも、これも……結局十匹分の皮はゲットすることにした。何を作るわけじゃないけど、いろいろ試したいからね。

 肉は全部か、とギルマスが悲しそうだ。じゃあ、十匹分は売ってあげるといえば大喜びだよ。

 今日の魔物はクラーケンは別として、シー・サーペントは査定するらしいので、明日になる。昨日の分と、クラーケンの討伐に関する支払いをすると、ギルマスの部屋へ連行された。これが一番面倒だよ。


 海竜の肉は高かった。そして亀の肉も。どちらも一キロ金貨十枚だって。亀の方が半分で三百六十キロ。海竜は半分で百八十六キロだった。合計で肉が五百四十六キロ。金貨五千四百六十枚だね。それと、素材が全部で金貨三千二百九十九枚ですって! 総合計金貨八千七百五十九枚なり~

 そして。と紙を置かれる。

 そうだ、忘れるところだったよ、依頼料を。昨日持ち込んだ亀と海竜も依頼があったみたいで、依頼料だけで白金貨三枚と金貨三百枚でした。

 計算し直した総額、白金貨十二枚と金貨五十九枚を置かれた。

 白金貨はいいとして、金貨をノルと二人で数えました。だって、オニキスは金に興味がないんだもん。

 確かに。置いてあった革袋に入れてアイテムボックスに入れた。


「急な依頼で申し訳なかったな。だが、助かったのは本当だ。まだ明日シー・サーペントが残ってるが、もう一度来てくれ。何度も申し訳ない」

 いいですよ、と昼頃に来ますからと宿に戻った。

 さすがのオニキスは明日出発するから、風呂に入ってゆっくり休むといった。

 俺たちは何もしてないけど、のんびりしようとベッドに転がった。





 十時過ぎまで寝た俺たちは元気百杯だ。

 朝食は遅くなるけどと頼んでいたので、問題なく食べられた。

 よい宿だったと礼をいい、ギルドに向かって歩きはじめる。


 ギルドの前では人だかりができてる。

 中に入れば、ギルマスが困ってましたが……なんで?

「おう。やっと来てくれたな。ちょっと面倒な事になってる。とりあえず、先に肉と素材を渡すから」

 は~い、と裏にいって、シー・サーペントの肉をアイテムボックスに入れる。皮も十匹分いれた。昨日のチェックの時にタグをつけておいたので間違いない。

 その後は、お決まりのギルマスの部屋だ。


「とりあえず、依頼料が金貨二百枚。そして肉と素材の買取金が白金貨二枚と金貨二百十五枚だ」

 そんなに? とおどろいちゃった。

 じゃあ、と白金貨二枚と金貨二百十五枚を数えて革袋に入れる。いつもこれくれるけど、新しい革袋は助かるね。アイテムボックスへ放り込んで、立ち上がる。

「また来たら寄ってくれ。遠いけど待ってるからな。面倒な依頼を片付けるやつがいないから、時々よってくれると助かる」

「それはどうかわからないけど、ユリアロウズ国のギルドに連絡してくれたら多分連絡はとれるよ。王宮に連絡してって伝言して」

 お、おお。と緊張してるけど、どうしたのかな?

 ギルドの鍛錬場から飛んでいいと言われたので、裏に出ようと階段を降りる。

「あの。あなたがナギ様でしょうか!」

 えっと、なに?

「誰ですか?」

「あ、ああ。失礼致しました。当地の商業ギルドのギルド長、マックスでございます。この度の魔物討伐の話しを聞きまして、こちらにも回していただけないかとやって参りました」

 うーん、遅いんだけどね。

「もうギルドで買い取ってもらいましたから。自分の分以外は残ってませんよ」

 は? と固まってるよ、このおっさんは。

「だからいっただろうよ、マックス。昨日のうちにほとんど話してたし、今日のシー・サーペント以外は支払いも終わってるんだ。シー・サーペントも既にナギが欲しい物は聞いてたからな。既に支払いも終わった。諦めて戻れよ。ギルドが売りに出すから、そっちで買ってくれ」

 そんなぁ~と崩れ落ちそうだよマックスさん。

「そ、それでは、ですね。次回お越しの時には、商業ギルドも一緒に買取の話しをさせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

「うーん、いつくるかわかりませんし、基本的にはギルドと話しをします。迷宮産のものは別ですけど。だから機会があれば、ということにしてください。次いつか来るかなんてわかりませんから」

 そうですかと項垂れた。

 まあ、俺も商業ギルドに加盟してるんだけど、討伐魔物に関しては無理でしょう?

「せいぜいアンテナ張っとけよ。お前たちは情報が命なんだろ?」

 お、いいこと言うねギルマス。

 そうします、とマックスさんは立ち上がる。

「じゃあ、ギルマス。裏から飛ばせてね」

「おう、気をつけて行けよ!」

 うん、と鍛錬場に出て、最初にオニキスがドラゴン姿になる。ドドーーーン! と音が聞こえて、冒険者たちも興味津々だが、一番はマックスさんだね。

 新しく作った鞍をつけたオニキスが頭を下げれば、ノルがクビの途中に飛び乗って駆け上がる。鞍に座ってベルトを締めれば、大きな翼をバサリと動かして上空に上がった。

 じゃあ、とフラットが外にでて、アイテムボックスから鞍を出す。それをつけてからググンと大きくなった。

 よっこらしょと降りてきた鐙に脚をかけて鞍に乗り、ベルトを締めた。

「その大きさが本当の姿か」

「うん。この子はシルバーウルフ王の子供なんだ。だからこれくらいかな、もう少し大きくなるのかな。わかんないけど。じゃあ、バイバイ」

 皆が手を振ってくれる。鞍の前にサンの入った鞄を乗せれば、上空へと静かに登ってゆく。そして、オニキスと一緒にもっともっと昇ってから飛び始めた。

 


 とりあえず、俺たちの次の目標は迷宮王国シルビア。

 ここはいくつもの迷宮があり、それぞれがかなりの深さまであるらしい。

 じっくり探索したいと全員の希望だ。

 

 英気を養うためにもゆっくり進んでますよ。

 でも、普通の人のゆっくりじゃないんだけど。 

 六日目には既に迷宮王国シルビアが見えていた。その王都を中心に迷宮がぐるりとあるらしい。構造的に大丈夫なのかなと不安になるけど、ま、大丈夫なんでしょうよ。王都はラビリントという街らしい。マップに書かれてたよ。

 さて、ここでの拠点を決める必要がある。

 街に入る門でひともんちゃくあった。

 フラットは大型の狼くらいの大きさで問題ない。サンもちゃんと受け入れてくれた。ただ、オニキスのことは少々ややこしいことになってますよ。

「我は主殿の眷属である。従魔の首輪もあるが、何が問題か」

「いや、問題かってお前。人じゃないか」

 ん? と理解できてないみたいだね。

「あの。人化してるだけで、ギルドカードにあるオニキスというドラゴンなんですよ」

 そんなわけあるか、と笑っている騎士だけど。

「じゃあ、姿を見せればいいですか? オニキス小さめでお願い」

 承知した、とオニキスは一瞬で三メートルくらいのドラゴンになった。

 うわぁっ! と騎士たちは槍を向ける。

「失礼ですね、あなた方。信じてもらえないからわざわざ姿をさらしたのに。それで、入ってもいいですか?」

 少し待て、と駆けていっちゃった。

「戻っていいよ。他の人たちが驚くから」

 そう言えば人型に戻ってくれた。明らかに並んでいる皆が安堵したのがわかる。


「お前か、ドラゴンを従魔にしてるというのは」

 そうだよ。

「こちらへ来てもらおう。宰相殿の調べがあるのだ」

 調べって。まあ、でも仕方ないよね。それでもダメなら伝家の宝刀をだそう。


「あなたがSランク冒険者のナギさんですか。おいくつですか?」

 八歳ですよ。

「なるほど。それで、あなたの従魔がドラゴンということですが、三メートルくらいの大きさですか?」

 いえ、違います。

「えっと十五メートルくらいでしょうか」

 は? あはは、宰相が口を開けたまま固まってる~

「元の大きさがそれくらいです。どんな大きさにもなれます」

「そ、そうですか。では小さくなれますか?」

 はい、とオニキスを見れば、するすると五十センチほどのドラゴンになった。

「これでよいのか、主殿」

 声がヘリュウムガス吸った時みたい。

「うん。いいとおもうけど、宰相殿、いかがですか?」

「そ、そうですね。迷宮には入られますか?」

 もちろん!

「では迷宮内ではもう少し大きくなることを許可しましょう。ですが、冒険者の邪魔になる大きさは無理ですよ。二メートルまでにしてくださいね。街の中では今の大きさでお願いします。よろしいですね」

 はい、了解です。

 オニキスは不機嫌そうにノルのクビに後からだきついた。

「オニキス、前じゃダメなのか?」

「うむ。前が見えぬ故な。美味い物を食うためだ」

 じゃあ、仕方ないねとドラゴンをおんぶするノルが完成する。

「あはは、かわいいですね。しばらく我が国にいますか?」

 はい、いますよ~

「では、迷宮内の素材などはどうしますか?」

「普通はギルドに売るのですか? 前はユリアロウズ国が買い取りましたけど」

 え? と宰相は再び固まったけど。

「ユリアロウズ国にいたのですか?」

 はい、いましたよ~

「王宮で寝泊まりしてたので。あ、よければこれを。国王陛下からこれを見せればいいといただきました」

 伝家の宝刀を振るっておこうかな。

「こ、これは。ナギさん、いえ、ナギ殿はユリアロウズ国の特別顧問で?」

 そうらしいですよ。

「し、失礼致しました。では我が国でも王宮にお泊まりください」

 いえ、結構です。

「それでは、陛下との謁見だけでも……」

「あの。僕たちは迷宮を攻略するために来た冒険者ですから。お気遣いは必要ありません。お忙しい陛下のお時間を無駄につかう必要はありませんので。それで、街に入るのはかまいませんか?」

 もちろんでございます! と背筋をピンと伸ばして宰相が小さく叫ぶ。

 どちらに行かれますか? と聞かれたので、ギルドで迷宮に入る手続きをするといえば、騎士が先導するという。ああ、余計なことを。でも仕方ないよね。

 じゃあ、と手を振って宰相の前を辞した。


 その後は、ギルドへの道行きだ。

 散歩するほどの速度なので、騎士に囁く。

「すみません、手続きして宿を決めるのでもう少し早く歩いていいですよ」 

 はっ! と少し早足になった。

 ギルドの周りに屋台はない。なぜ? と思ったけど、おそらく迷宮の近くにあるんだろうね。

 

 ギルドの入り口をくぐってあたりを見回せば、騎士が来たことに驚いている冒険者が数人いる。

「では、こちらでお手続きを。迷宮までは大丈夫ですか?」

「はい。多分、明日から入ると思うので、大丈夫です。ありがとうございます」

 そう言ってお引き取り願った。


「すみません。ナギといいますが迷宮探索したいので手続きをお願いします」

 か、かしこまりました、とお姉さんは冷や汗をかいてるよ。どうしたのかな?

「失礼します。ナギ様でしょうか?」

「えっと、ナギは僕ですが?」

 ……男か? かわいいなぁ、などと声が聞こえるけど、無視だ、無視!

「ギルドマスターのエリュクと申します。どうぞよろしくお願いします。お手続きですが、私の部屋でいたしますので、どうぞ」

 なぜですか? ってきいちゃったよ。

「ユリアロウズ国特別顧問のナギ様ご一行をここで、など許されませんので。どうぞ。甘いものでもいかがですか?」

 うっ。聞こえたんだろうね、サンが顔を出す。

『あるじぃ~おいしいおかしなの~』

『あはは、聞こえたの。そうらしいよ』

『じゃあ、いこう!』

 しかたないね、と階段を上がる。

 ギルマスの部屋は素晴らしい部屋だった。これほど広い部屋って、今までのギルマスたちが見たら怒るよね。

「君。ナギ様ご一行に美味しい焼き菓子と紅茶を。それと軽食もたのむよ。果実水もね」

 はい、と男性は部屋を出ていった。

 すぐに戻った男性の手には、紙が数枚ある。

「こちらが迷宮探索の登録カードを作るためのものです。ただ、普通のカードとは違い、ナギ様たちは王族と同じ扱いですので、普通の入り口とは違う専用入り口からお入りください。待ち時間もありませんので。それと、これは現在最新の各迷宮内地図ですのでご利用ください。ドロップ品ですが、できましたらギルドで買い取りさせていただければありがたいです」

「ドロップ品に関しては実際に見てから決めたいです。それと王族じゃありませんけど、いいのですか?」

「もちろんです。お持ちのカードは王族と同じ待遇を受けるべき人だという証明ですので」

 へえ、そういうものですか。

 とりあえず、俺とノルは記入した紙をギルマスに渡した。すぐにそれを持って出ていった男性と入れ替わりにウエイトレスさんが入ってくる。

 いくつもの焼き菓子と軽食が籠一杯に入ってるよ。そんな情報もかかれてるの?

 どうぞ、ごゆっくりといわれて、フラットは自分のボウルを取り出す。そこにいろんな種類の焼き菓子をいれてやる。サンは既に焼き菓子を皿ごといれて、出てきた時には空、を繰り返している。ノルと人型に戻ったオニキスはサンドイッチを食べていた。

「あ、フルーツサンドがある! 僕、大好きなんだ~」

 思わずいっちゃった。すみません、素に戻ってました。

 ニコニコ顔で見ているギルマスは、元冒険者なのかな。すごい身体してるよ。

 フルーツサントにかぶりつきながら観察してみる。鑑定で見てみれば、もとSランクらしい。下層のボス戦でケガをしたので引退したらしい。まだ三十五歳なのにね。


読んでいただきありがとうございます。


ハイエナみたいな商業ギルドを振り払って、次国に出発したのに。

王都門でトラブルとか、ありえないでしょうよ!

宰相の態度の変化がおもしろいよね。


コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。

明日もどうぞよろしくお願いします。

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